夫の本音を知るには
冒頭からショックな事を書きますが、人は出来ない事には明言は避け、出来る事しか言いません。
カウンセラーも人間ですからそれは同じです。
カウンセリングにも「種類と手法」があって、その違いや特徴があります。
しかし、あえて言いますと、そうした手法の違いは、くっきりと線引きはしておらず、相談に来られた方には
カウンセラーは自分達の手法の中で、何とか解決しようと思う為、自分達の行う手法の成果を述べます。
これは、相談者にとっては味方を得た嬉しさで 結果に期待をします。
【何でも引き受けるのが親切?】
親切なカウンセラーは、何とか貴女の悩みを解決してあげたいと思います。
しかし、何でも引き受けるのは、逆に言うと、専門外までも引き受ける事になります。
と、いうのも、貴女がもし、身体の不調を覚え、病院に行ったとしたら、その中でどの科を受診しますか?と言う事です。
まずは、初診の場合は 総合受付でカルテに不調の症状を書いて、受診の科に振り分けます。
【分野別カウンセリング】
カウンセリングを受ける場合、大きく分けて、心理系と、メンタル系に分れます。
ただ、そんな中でも最近は夫婦問題カウンセリングや、家族の子育てカウンセリングなど細分化されて新たな分野が加わっています。
また、私はと言うと、この夫婦問題の中でも、特に「夫の浮気問題」と言う事に特化してカウンセリングをしていますので、コアな世界へと深堀りしています。
ただ一般的に相談者の方は問題は浮気だけじゃないと考えています。
夫婦の間に冷え切った関係性があって、それを経て、今現在、夫の浮気に苦しんでいるとしても、それは「結果」であり「原因」ではないと考えられます。
だから、夫婦の関係が冷えて行ったり、夫婦の関係性に溝が出来たりという原因から解決の道を探して、カウンセリングで解明させたいと、カウンセラーを探されます。
しかし、私の考え方としては原因が発症した土壌は確かに夫婦の向き合う姿勢も理由の一つにありますが、既に発生した浮気問題を
解決したくても、現状は、変化してしまっているのです。
何故なら、そこには、浮気相手と言う、登場人物が一人増えているので、夫婦だけの問題ではなくなっているのです。
何なら、夫が浮気相手の元に行ってしまっている場合は、夫婦の間の溝を考えても、それでは解決しません。
つまり、現状は、すでに進化していて、原因解明をしている段階ではないという事です。
火事で例えると、ボヤの間は、火の手が上がらないように、バケツで水を掛ければ済むのですが、既に大火事になってしまった場合に、
火事になった原因を考えるでしょうか?
まずは、消防に連絡して、おおきなホースで消して貰わないといけないのです。
今にも家が倒壊しようという火事の時に、
「お爺ちゃんの寝たばこのせいかな?これから寝たばこしないように注意をしよう」と悠長に考えないと思うのです。
【原因と結果】
浮気問題も同じです。
原因と、今の事象の解決策は切り離して考えないといけないという事です。
しかし、残念ながら、心理系とか、癒し系のカウンセリングでは、
起きてしまっている火事に対して、なるべく火傷をしないような対策を教えます。
これは、私は違うんじゃないかな、と思う一人です。
【全て心の在り方では解決しない】
その場合は、概ね、「心の在り方」という部分に、答えを求め、夫婦としての「在り方」を説くカウンセラーの門を叩きがちです。
でも、その選択は、間違いとは言いませんが、恐らく 「遠回り」 です。
カウンセリングにも手法があり、そこで得られるゴールに違いがあります。
つまり、より良い関係性を築き、夫婦の関係を改善したいという思いは、相談者とカウンセラーと一致していますが、
実は、それは、具体的な問題に蓋をしたような結果になります。
そして、もう少し嫌な言い方をすると、相談者もカウンセラーも浮気問題を少しぼやけさせるという共同作業をしがちです。
何故なら、どちらも浮気問題を「主題」にしたくないからです。
でも、冒頭に書いた事をもう一度述べると、人は出来る事は声高に伝えますが、出来ない事は話しません。
要は心理系やメンタル系、癒し系などのカウンセリングは、「浮気問題」は専門外なのです。
【専門外と明言する必要性】
浮気問題を単なる、心の距離の結果とみるか、浮気問題の解決策に経験があるか、の違いです。
経験策の無い事や、専門外の事には「私は分かりません」とは言えないのが人間です。
昔、テレビやラジオ番組では、「人生相談」というのがあり、リスナーが相談のハガキを送るという事がよくありました。
夫婦関係も、子供の非行も、嫁姑問題も、遺産問題も、夫の酒乱も、すべてひとくくりの人生相談でした。
その名残が有資格のカウンセラーにあるとは言いませんが、相談者は問題の核を直視せず、それが起きた環境を考える癖があります。
ただ、私が長年、浮気問題に取り組んできて思うのは、実は浮気問題は特殊で、心理やメンタルとは少し分野が別です。
だから、この分野だけでも新たにカウンセリング部門を作る必要性すら感じています。
もちろん、夫の浮気を生む土壌は夫婦の関係にあったりします。
しかし、それが起きてしまった場合は、その土壌に注目しても、浮気は無くならないという事を、誰も明言しません。
心理系やメンタル系のカウンセラーには、浮気問題に直接手を入れた経験がないのです。
だから、これまでの一般的なカウンセリングの枠に収めるのは無理があるのではないかと考えています。
ただ、これまでのカウンセラーは浮気問題も含め、夫婦の冷え切った関係を改善したら、浮気問題もおのずと解決するという間接的な外堀を埋めるというアドバイスしかしないのです。
これは、間接的な解決法で、直接的ではないのです。でも浮気の解決策に関しては知らない事が多く実践的ではないのです。
だから外堀しか言わないのです。
何故なら、メンタル、心理、癒し系カウンセリングは、浮気の分野を深く研究された方ではないのです。
夫婦の関係が冷え込んだり、溝が出来たりを、対人関係という枠に押し込めて考えるのは少々無理があります。
浮気も人間関係の問題の一種で間違ってはいませんが、遠回りではあります。
昨今は、昔と違い、浮気問題も形を変えて来ています。
一人1台、スマホを持って、個人どうしが自由に連絡を取れるようになり、出会いの場も増えて、出会う手段のハードルが下がりました。
現代的な浮気は、昔のように「男の甲斐性」という位置づけではなく
男女の気軽な遊びという風に形を変えて来ました。
しかし、カウンセリングを学ぶときは、相変わらず、古代の学者の手法と歴史から学びます。
その意味で、カウンセリングの学びが、現代のそれに追いついていないのです。
キチンと臨床心理士の国家資格を取ったカウンセラーは真面目です。
それだけに、現代風の安易な出会いなどに、現場の知識が追い付いていないように、私は感じます。
従って、私は、人との軽い出会いを加味した浮気の分野というのが現代には必要ではないかと感じています。
確かに夫婦の間で笑顔が絶えないとか、明るい態度とかは大切です。
でもそれが浮気問題を解決するという直接的な方法にはなりません。
【問題直視は専門医に】
昔は、歯が痛くなったり、口内炎になったりすると、全て歯医者に行きました。
でも最近は口腔歯科と言って口の中の症状によって科も変わります。
私なら自分の専門外だとしたら、他の科を紹介します。
何が何でも、自分の所で解決しようとするのは、逆に不親切なのじゃないかな、と感じます。
では、今日はここ迄