夫の本音を知るには
この仕事をし始めた23年前、私の使命は困っている女性を助けたいという事でした。
それは、今も変わってはいません。
でも、その頃と一つ違うのは、私の定義が間違っていた部分があるという事です。
その間違っていた事と言うのは「悩んでいる人は、皆んな、弱い人だ」という事です。
この認識が間違っていたという事です。
【鬱病ではなく鬱症状】
確かに、悩んで、苦しんで、うつ病を患う人もいます。
でも、今思うのは、悩んで苦しんでいると、「鬱のような状態」になるのは無理ないという事です。
でも、うつ病ではないのです。
しかし、変な言い方ですが、うつ病と診断されたがっているという部分もあり、夫の浮気に悩む妻が
クリニックに行く事はよくあるし、仕方がないのです。
でも夫の浮気という裏切りを知れば、胸の動悸が激しくなり、食欲も減って、夜も寝られません。
今は、凄い体重の私でさえ、1週間食事が喉を通らず、寝不足になり1週間で4キロも痩せました。
元夫の浮気を知った時は、私の苦しみもさることながら、元夫も自責の念で自殺をするのではないかと不安で元夫の事を心配したぐらいでした。(当時の私はピュアだったと、今思い出しても感心しています)
そんな状態で、夜は、1時間おきに目が覚め、寝ているようで眠れてないから、昼間も雲の上を歩いているような
ふらふらした状態でした。
だから心理カウンセラーの所に行きましたし、クリニックでは睡眠剤も貰いました。
本当に病気の前触れは、まずは眠れなくなるので、眠る為に睡眠導入剤を処方します。
これで重症化する事を防ぐのです。
でも、効果なく重症化する人は、もう少し強い睡眠薬に進んだりします。
しかし、当時の私は、うつ病と診断されたかったという気持ちがあったように今は思います。
つまり、どんなに私が元夫の浮気で傷ついているかを証明する物が無いのです
だから、病院に行って「うつ病です」と診断されたら、それくらい苦しんでいるんだという事の目安を元夫に示せると心のどこかで思っていました。
人の悩みなんて、口では「分かるよ」と言ったところで、実際は分からないものです。
だから分りやすい指標が欲しいと、病名を付けて貰いたいという気持ちが、クリニックに行く目的の一つです。
【心療内科は投薬療法が中心】
でも確かに、睡眠導入剤とかを飲んでよく眠れると、昼間も通常の生活が送れて、不安も少しは消えます。
と、いう事でそこで、処方されるのは、食欲が無く栄養を取れないないから、栄養補給であったり、眠れなかったりすれば、睡眠を促すという事で昼間の活力を維持しようというのが、軽度の鬱への対策です。
しかし、本当に病状が改善するのは、夫の浮気問題が解決する事です。
そうなれば薬も何も必要ありません。
【本当の治療は浮気問題解決】
だから、クリニックに行って体力維持をする事は良いのですが、実際の浮気問題を放置したままにする事が、一番の不健康の原因ですし、「鬱傾向」が実際に「鬱病」という風に重症化する事になるのです。
この事を防ぐには、浮気問題の解決に身を乗り出すしかないのです。
と、いう事で、少し前置きが長くなりましたが、今日のテーマである「悩んでいる人が弱い人か」と言う事です。
確かに悩んでいる人は、心も弱っているとは思いますが、中には、そうは見えない人がいるのです。
どんな妻でも夫の浮気に平気な人はいません。
傷つき、悲しみ、ショックを受けて、どうしていいか迷っているのです。
でも、それを表現する為に、妻はしっかりと伝えたい為につい、夫に強い態度で出てしまう人がいます。
解決に向け、困って悩んで、何とかしたいから私の所に相談に来られますし、本人は困り果てているという事ですが、夫に向かう言動がとても勇ましいのです。
実際に私の所に来られる時点で、何とかしたいという気持ちで、これまでの事をお話されますが、それはある意味快活に見えます。
もちろん、それは相談者が自分の気持ちを奮い立たせて、しっかり私に伝えようとして下さっている事は分かります。
でも、この同じスタイルでご主人に、妻の貴女が「困っている、悩んでいる、悲しい」と言ったところで、
その言葉は、夫を責める内容もあると、それは抗議にしか聞こえないのです。
変な言い方ですが、貴女がいくら鬱病を患うくらい苦しいと言ったところで、夫に対する言葉が、攻撃的であれば夫は貴女を、悩んで苦しんでいるとは受け取らないのです。
いえ、逆にもしかしたら、妻の貴女がどれほど苦しんでいるか、ご主人は分かっているかもしれません。
でも、それ以上に貴女の言葉の刃が刺さり、ご主人だって反撃しようという事になります。
だから、嘘でも、しおらしくした方がいいというのはその為です。
そういう風に言っても、妻は自分自身が「甘える事が出来ない」とか「私は女らしくない」とかと言われますが
そんな事は、ご主人は当然分かっているのです。
御主人だって、自分のしている事を決して褒められたことではない事は分かっています。
でも、それを言葉の刃で責められたら防御本能が働き、貴女を跳ねのける事をするのです。
【演技は必要ない】
私自身も、嘘をつく事が出来ない性格なので、夫に甘えるという事は出来ませんでした。
何故なら、妻を裏切った人に甘えるなんてことは出来ないのは当然なのです。
でも、気づかないといけないのは、言葉に刃があれば、いくら妻のあなたが「苦しんでいる弱い人間」には見えないという事です。
そうなると、その妻の攻撃から逃げ腰になるので、益々夫婦の距離が開いてしまうという事ですから、
無理して、女らしく甘えなさいとはいいません。
でも自分の言葉の強さは自覚して、せめて言葉の刃はぶつけない努力はしてほしいのです。
相談者がよく言う事に「私は本当は弱い人間なのです」と言われます。
そんな事は誰しも同じです。強いように見えて、中身はもろい…誰しもそういう両面を持って生きているのです
自分では悩んで苦しんでいるから、心底弱っていると自分では分かっていても、ご主人にそれが伝わらないのでは、「実は私は弱いの」と言っても、貴女の夫が、貴女を「弱っている弱い人間」と思い、「僕が弱らせてしまった」と分らない限り、貴女の事を僕が何とかしなくちゃ、とは思わないのです。
人間は、強い人の事は恐れ、弱い人間を助けようとします。
変な例えですが、道で出会った強い大型犬には簡単に頭を撫でようとは思いません。
でも、噛みついたとしてもたいしたことがないと思う小型犬は、抱っこしたくなるものです。
【守ってやりたくなる心理】
特に男性は、小さい物には、愛情を示しますが、自分より強い物には距離を置く習性があります。
職場でも、上司には頭が上がらず、年下の部下とは、不倫関係になるというのがそう言う事です。
だから、妻が夫を力で制するように感じた途端、妻からは距離をとります。
話し合おうと妻が詰め寄っても、近づきすぎると、いつ、妻がガブっと噛みつくかと思うと怖くて仕方がないのです。
これで、もうお分かりだと思いますが、「自分は弱い」と妻が感じていても、夫がそのように見ていないのです。
そして妻を守ってやらなければならない弱い存在と感じなければ意味がないのです。
そこで、無理して、弱いふりをしなさいとは言いません。
でも少なくとも、夫には、弱い妻とは見えていないという事を、妻には知って欲しいのです。
その上で、話し合いをしたいとかと言って、夫との向き合い方を私に問われますが、それはたいてい
「夫に何を言えば、どんな風に言えば、上手く行きますか?」と問われますが、それは何かいい言葉とか
テクニックを聞いて来られますが、そこではないのです。
ご主人との心の通い合いを求めるならば、ノウハウや、テクニックではないのです。
自分の認識を変える必要があります。
【夫からどう見えているか】
夫から、妻の自分がどう見えているか、を知る必要がありますが、これまで、それが何故分からなかったという理由は分かりますか?
それは夫と心を通わせたいと言いながら、「私はこれを言いたい」という訴えの姿勢だけだったからです。
これは苦しさのあまり、そういう心境になるのは分かりますが、自分の訴えたい事でいっぱいになるからです。
人間関係において、自分の気持ちにデリケートになると相手に対しては、デリカシーが無くなるとよく言います。
と言う事で、貴女が苦しんで、心を痛めている事は良く分かりますが、ご主人が貴女をそういう風に見てないなら、夫が妻の苦しみを取り去ってやろうとはなりませんから、ご主人には妻の自分がどう見えているかと知る事は大事です。
口調が強すぎる人は、相手を責めるという攻撃姿勢に見えるという事を、分かっておいてください。
夫婦の間のコミュニケーションは、そこが基本です。
では今日はここまで。