愛は在り方次第で夫婦の継続力を鈍らせる

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

【浮気問題と愛は分けて考える】
今、私がこの仕事をしているルーツになるお話をさせて下さい。

幼少期の頃は高度成長時代で、小学生の頃、社会の授業で使っていた教科書は、別版でもう一つあり
「伸び行く阪神工業地帯」という勉強をしました。

父親は建設会社の社長で景気のいい暮らしをしていました。
お酒も飲めない父でしたが、付き合いと言っては、繁華街での接待や遊びに大金を使い、賭け事も好きでした。
でも、私達子供は可愛がり、父なりに家族は大事にしてくれていたと思います。
しかし、母とだけはよく口喧嘩をしていました。

母の育った環境は恵まれておらず、両親の下で暖かく育った経験はなく、奉公に出され苦労もしたようです。
そのせいか、私の父の浪費や賭け事好きも許せなかったようで、そんな父に近寄って来るうまい話に乗ってしまう父の事にいつも批判的でした。

家族を思い、家族を大切にするならそんなバカげた連中と一緒につるんでいる事をとても嫌がっていました。

その為、家庭の中ではいつも言い争いが絶えず、気の荒い父の暴力を受ける母を私や兄弟は見て育ちました。

母は、私に父の事をいつも「アホや」と言っていました。

そうしている内に、父の事業は傾き、最終的に一家離散のような形で離婚に至りました。

でも、今から思うと、母は決して父を愛していなかったのではなく、家族の事を第一に考えると、そんな馬鹿な事は出来ないだろうという考えが芯にあった母なので、父の行動が馬鹿の所業に見えたのでしょう。

どんな事でも家族を思うと例え多少賭け事をしても、遊びの範疇で終わらせられるだろうというのが母の考えでした。

だから男ですから少々の誘惑や、遊びや脱線は目をつぶっていただろうけど、最後は自分でブレーキを掛けない父を母は「アホ」という表現になったのだと思います。

一代で事業を成功させた父に、母は尊敬の念も持っていましたので、愛情もあったと思います。
でも、行動にブレーキを掛けられない父の「人格」の部分を、蔑げずんだのです。

私の気性はそんな母から受け継がれているので、私が結婚して、離婚して…と言う人生を経験していますが、私は自分の元夫を、嫌いかというと、結婚もしたくらいですから、最後まで嫌いじゃなかったと思います。

しかし、長い結婚生活の中で、私自身の事を棚に上げて言うと、私の夫は馬鹿な事を沢山しました。
それは言い換えれば、家族の事を何とも思っていない行動でした。
その所業に、私は愛想を尽かしていたとは思います。

つまり、罪を憎んで人を憎まず。

私の所に寄せられる相談は、夫から離婚を迫られている人や、浮気相手に夫を取られるのではないかという分で、離婚問題を抱えて相談を寄せられます。

誰も最初から離婚を視野において結婚をしませんから、「離婚をしたくない」との相談は、しごく真っ当です。

でも、離婚をしたくない一番の理由・・・・
いや、もっと具体的に言うと、一番の悩みは「夫を愛しているのに、裏切られて苦しい」と言う事です。

ここで私に相談者が告げる言葉は「夫を愛している」です。
苦しみに滲む思いは理解できるし、当たり前です。

でも、本当に愛しているなら、「健やかなるときも,病める時も」で愛し続ければいいのです。

しかし、愛しているから、苦しいという心情が生まれるのですから誰も相談者の貴女が、夫を愛してないとは思っていません。
貴女の夫ですら、そうは思っていません。
相談者の悩みの一つ「夫が私の気持ち(苦しみ)を分かってくれない」と言われます。

本当にそうでしょうか?
妻の貴女の気持ちを知っているからこそ、妻をどうやって納得させて離婚が出来るのだろうか、と考えているので、夫は貴女に冷たくしたり、寝室を別にしたりして、自分の弱い所を掴まれないようにしているのです。

だから、夫は、妻の気持ちを充分知っています。

それでも、貴女を自分から突き放さないと、離婚が出来ないと思っているから、距離を置くのです。

何なら、貴女の気持ちを分るからこそ、貴女の事を手ごわく感じているのです。

つまり、離婚や別居を目的とすると行動が決まります。
夫の心は離婚へと向かっていると、行動はそのようになります。

でも貴女が言うように、「愛」がないかと言うと、夫も貴女と一度は結婚をしたくらいですから、愛してはいるでしょう。
しかし、愛の形が、子供達のママというか母と言うか、家族愛に変わってしまっていて、貴女の様に、夫と妻という愛ではなくなっているという事です。

それなのに、妻の貴女は、夫を男として捉えているのは何故でしょうか?

それは、浮気をされて、夫が男であった事を再認識したからです。

でも、貴女の夫は、恐らくずーっと「男性」なのです。

それを妻の貴女は子育ての間、ちょっと、忘れていただけです。
でも、今夫を取り戻そうと考えた時に、それは妻ではなく「女性」として夫を愛していると分かったという事です。

ただ、貴女は夫を、これまでもずーっと愛して来たという事は 私にも分かります。

少し、胡坐をかいた時期もあるかもしれません。
夫をないがしろにした時期もあったかもしれません。

でも、根本は夫を愛して来たはずです。
それを、今、離婚をしたく無い理由に掲げなくても、私は、充分に分かっています。

要するに、今、考えないといけない事は 貴女が夫を愛しているか、どうかではないのです。
離婚をしたくない理由を、愛しているから、ではないのです。

貴女が本当に夫を愛しているなら 貴女の夫は「だったら僕を自由にさせてくれ」と言いますよ。

健やかなるときも病める時も、と言うなら今の夫は「病める時」なのだと思いますし、病める人は、大切に看病してやればいいのですが、問題なのは 貴女の夫は貴女の看護を必要としていないという事です。

本当に一時的な病いであれば、治るまで待てばいいのです。
でも、不倫としてど、恋は恋です。

恋に付ける薬はない、と昔から言うように、治る保証もないし、何なら治った時、つまり落ち着いた時には、浮気相手の方に行かれてしまうのです。

それまで「夫を愛している」という言葉を胸に、夫のする事、なす事を、許せるのですか?

許せないなら、行動を制限するしかないのです。

行動を変えさせてこそ、始めて、不倫のブレーキを踏んだと言えます。

それを何もせずに「夫を愛している」と言う言葉を100回言っても、何も変わらないという事です。

夫を愛しているのは、あえて考える必要はありません、何故なら当然ですから。

でも、貴女がするべきことは、夫の行動を憎む事です。
その「憎っくき浮気」は行動に現れます。

貴女は夫の行動を憎むべきなのです。

その為に、貴女のするべきことは、夫の浮気を止めさせるためのアクションです。
そんなアクションを起こして、夫に憎まれたらいやだ、というのは、貴女の考えには、自分への愛しか、考えてないからです。

貴女の愛は、母の愛でもあります。
これから子供たちが結婚して、誕生する孫への愛でもあります。
夫にだけ向けた愛、なんてあり得ません。

貴女の愛は、子供達にも、受け継がれ、脈々と受け継がれて、川の様に流れていきます。

貴女の考えの基準が、夫と妻。男と女、しかないのは、川の流れを堰止めします。

貴女がするべきことは、夫の浮気という血流を止める事です。
そこには、夫への愛しかないのは、少し愚かです。
作戦を立て、夫の行動に堰止めのダムを造らないといけないのです。

「愛している」という事を基準しただけでは、ダムの設計図は描けません。
むしろ、設計図には「感情論」は不必要です。
思いや、愛は、ダムが完成し、決壊しないと確信を得た時に、夫に感情論をぶつけたらいいと思います。

私の母も父の事を愛していたと思います。
でも、父の行動を愛していなかった。
だから父の行動をいつもは「あほだ」と言っていたのです。

貴女の夫も浮気をしていて人生を踏み違えそうになっているなら、貴女の注目すべきは、夫の行動です。
行動を憎んで、今最も優先すべき事をはき違えない様に。
貴女が夫を愛している事なんて、貴女のご主人は百も承知です。
だから、手を変え品を変え、色々と、嘘を付くのです。
これを防ぐには、貴女の愛が、一番必要な事でしょうか?

心を鬼にして‥…と言う言葉があります。
時には、母には特に、心を鬼にして、非行少年である息子を厚生させないといけません。
それを「息子を愛しているから」と甘やかすのは、息子が馬鹿な人生しか送れない人間になります。

今、貴女に必要なのは、母なる愛ではないでしょうか?

では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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