人生相談

村越真里子

村越真里子

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

普段の私はカウンセラーとして、夫婦の困り事の相談を受けています。

でももう少し視野を広め、世の中の困りごとって、どんなのがあるかも知ってみたいと思い、訳10年前、消費生活センターの相談員の資格を取りました。まず、その世界の中に入らないと、何も見えてこないと考えたからで、広い視野を持つためにカウンセリングとはまた別で、学びました。

そこで分かった事は多くの相談事は、聞いて差し上げたら満足され、実際に解決の日の目を見る事は少ないという事でした。

その意味で、消費者センターとは言え、悩み事相談であり、皆、誰かに何かを聞いて欲しいのだという事がわかりました。

地域に寄りますが、相談員という人が余っていて、仕事の取り合いのようなところもあれば、全く人数が足りないという所もあります。

でも、昨今世の中の仕事探しは難しいので、この相談員と言う資格を得れば、下手なパートに行くよりかは堅実な働き口のように思えますので、是非人の相談に乗りたいという人がいたら、3か月間と言う勉強期間は必要ですが、是非、何か資格を取りたいなあと思っている人がいれば、取ってみて下さい。
世の中のルールに詳しくなれるはずですし、固い仕事も出来て一石二鳥です。

そこで話は変わりますが、私は暇な時にラジオをよく聞きます。
最近のお気に入りは 日本放送の「テレフォン人生相談」です。

今の様に、カウンセリングと言うのが無かった私の子供時代は、テレビでも新聞でも、この人生相談というのがとても多かった。
当時は男女の悩みも多く、有名な先生などは「あんさん、別れなはれ」とか平気で言ってました。

私が今、よく聞いているこのテレフォン電話相談はラジオに相談者が電話をしてきて、弁護士や児童教育科などの専門の先生が即座に応えるというものです。

ここに寄せられる相談は、私への相談事にもよく似たのがあって、とても参考になります。

それは、相談に対する先生方の答えの中身より、相談者の「癖とタイプ」がとてもよく分かります。

例えば相談の内容は
「妻の自分が入院している時に、浮気相手の女性を家に連れ込んだ」という事に怒り心頭で話しだされるのですが、皆様もこれを聞いて、どうすればいいかと何かアドバイスが浮かびますか?

まず、年齢も家族構成も、既婚か未婚か、働いているか、専業主婦かを先に言わないと、背景が分らない。
それなのに、感情の話ばかりをする。
もちろん、あらましを先に話し、感情がほとばしることは理解できます。

でも、30代の夫婦の話か、60代の夫婦の話かもありますし、その後夫と妻はどういうやり取りをし、結果、離婚問題に発展しているのか、無事、浮気は収まったのか?

それらの話をせず、まず、腹が立つと言われても、問題を整理しないと答えようがないのです。

それよりも、この妻の入院というのは病気なのか、出産なのかもわかりませんし、夫が妻に対して今、何を言っているのか、現状が分りません。

例えば回答する先生が、妻の現状を聞く為に、「それで今、貴女はどこにいるのですか?」と聞くと
「ここです」というのです。
そして具体的に聞くと、「あれ、それ、ここ」と、自分では分かっている事でも、人に伝える術を持たないのです。
相談の仕方が下手というよりか、自分の気持ちばかりを表現するので、人の質問の意図を汲み取る事ができないのです。

これは、これまでの夫婦の関係を表す象徴でもあります。

恐らく、相談者にとっては気にくわない事実でも、ご主人がこの相談者に何かを言っても、こうした会話のすれ違いが起きていたように思えます。

ま、この例に出した方は、妻が60代の半ばで、夫も同じくらい。
夫の浮気は今に始まった事ではなく、相手替われど、ずっとあった浮気を、目をつぶって来たのです。
でも、今回は、妻の留守中に家に上げたという事で、腹を立てているのですが、ポイントは家に上げた事ではないと思うのですが、妻にすればこれを限度の超えた浮気と腹が立ったという事です。

私にすれば、これまで小さい芽を摘まずに来たから、大きな実をつけちゃったと言う事だと思うのですが、
この妻の場合、専業主婦でもあったので、今更離婚と言う訳にはいかないけれど、これまで安泰と思っていた生活に、浮気相手の女性が、家財産を乗っ取ろうとしていると思い、慌てたという事です。

でも、本当は、もっと前に腹を立てるべきだったと思います。

男性って勝手な生き物で、自分が浮気をしていて、妻が気づかない事はラッキーと思っているくせに、心の中では、夫の浮気にも気づかない位、俺に無関心だと嘆いている面もあります。

ね、本当に勝手ですよね。

でも、私に寄せられる妻の相談は「私は離婚したくありません」という方が殆どです。
理由は?と聞くと、「子供が小さいから」とか、「私に手に職がないので生活できないから」とか、パートでは暮らしていけないと言われます。

じゃ、「収入が沢山あれば、離婚をするの?」と聞くと、そうではないと言われます。

また、「離婚をしたい、または視野に入れてます」と言う相談は、夫が離婚後も生活費や養育費を今と変わらない位にくれるか、又は財産分与として現金も家も沢山くれたら、という条件付きで考えてると言われます。

ちょっと、待ってよ、と言う感じです。
離婚をするという事は、これまで積み上げた、財産や貯金を分けて、それで生活できると判断した時に初めて離婚という事ができる入り口に立てたという事です。

そして、その家土地、現金財産を夫も妻に渡すと言ってる場合に、ようやく離婚に向けての細かい打ち合わせになります。

でも、この大きな決め事がまったくできてないという事は、夫がそこに難色を示す事もあるので、ここからこじれるという話で、ここからが交渉なのです。
だから、妻一人が「財産を沢山貰えたら離婚したい」と考えていても、それを夫が納得するか、させるか、その大仕事が残っているのに、離婚の仕方を相談しても、現実的ではないという事です。

このこじれる部分が、夫婦にとっての本当の問題なのです。

例えば、こじれる理由として、そもそも妻が夫の年収も知らず、夫は夫で貯金をしている場合は、その貯金に妻が欲を出さなければ、離婚は簡単にできるかもしれません。

でも、子供も居て、夫の貯金額も知らない場合は、揉めてから「貯金額教えてよ」と言っても教えてくれるはずがない。

そういう事で、問題が満載で、離婚したいという気持ちばかりが先走ると、夫の耳には、相談者の「離婚したい」という言葉だけが残ってしまい、おおよそ、穏やかに、離婚した今後の生活の取り決めには及びません。

何かの本にも書いていました。
歌は語るように。
詩は歌うように。

感情が前に出ると、本当に言いたい事の邪魔をします。

つまり、離婚をすると声高に言うのは最後でいいのです。
本当に離婚を考えているなら、口数少なく、慎重に財産分与の事を取り決めないといけません。

揉めに揉めて、大声で夫婦喧嘩をしてから、「さあ、財産分与の話をしましょ」と言っても、話し合いのテーブルの前には、夫は座りません。

ましてや、本気で離婚をする気がないのに「離婚をするからお金の話をしましょ」と言えばご主人がそれに乗ってきたらどうしますか?
脅かしのつもりだったのに・・・・と思っても、取り返しがつかなくなることもあります。
だから感情的になり、何でも言えばいいのは、甘えを許してくれる新婚の内だけ。

大人と言われる年齢になれば夫婦げんかは利口にしましょう。
喧嘩と言うから、揉めるか、引くか、になるのです。
喧嘩と呼ばず、交渉だと思えば、妥当な線を見つけようとなるでしょ?
だから、離婚の話合いと言っても、揉めたらそれは喧嘩です。
喧嘩になると、勝つか負けるかになるから、ヒートアップするのです。
または、交渉が下手な人は、引くしかなくなるのです。

これを分からずに、鼻息荒く、自分の怒りを話されるテレフォン人生相談には大人げない相談が多い。
やはり、昔ながらの人生相談って、相談者も昭和風の人が多いのかなあ、と思う今日、この頃です。

では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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