誓約書を書かせると簡単に言うけれど

村越真里子

村越真里子

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

自分の夫が浮気をして、それに対し「二度としません」的な約束を書面に残したいという相談を受けます。
また一方で、浮気相手にも、相談者の夫とは別れると言うような誓約書を交わしたいというような事を望まれます。

書かせたい、約束させたい、色々なルールを作り、守らせたい。

この気持ちはよく分かります。
でも、相手へ誓約させるという事は その前に貴女が書かせたい内容、守らせたい内容を相手が納得しないといけない。

納得させるという事は 貴女の希望を一方的に押し付けるのではなく、交渉とかしながら、譲歩する部分も探りながら、約束したいと多くの希望を研ぎ落し、シンプルに守れる可能な事に仕上げていく。
これがとても難しい事なのです。

誓約書を書かせるという事は最後の行為であって、話し合い、交渉の結果を形(書面)に残すという事であって、きちんと決まった事を文書にするという事です。

これでお分かりかと思いますが、本当に難しい事は書面を交わす事ではなく、そこまで交渉を成立させるという事なのです。

と、言う事で、交渉相手に条件を飲ませたいという事が難題であり、そこが本当の山場なのです。

そしてその山場は勝負のしどころなのです。

それで、紙切れを書かせるという言葉の囚われるのではなく、誓約書を書かせるという事は「示談交渉」のような交渉なのだと自覚してほしいのです。

こうして示談交渉と言う言葉を使うと、いっぺんに難易度が増すと思いませんか?

そうです、とても難しいのです。
貴女には貴方なりの訴えたい,叶えたい事があってそれを文章に盛り込みたいという気持ちはよく分かります。

でも、常々 私が言っている事は「交渉」と言う限りは「相手がある」と言う言葉を肝に銘じて下さい。

相手にだって、貴女と同様、叶えたい事はあるのです。
もしかしたら 最初は貴女の夫と付き合う気持なんかなかったけれど、言い寄られて、貴女の家庭で夫が寂しい思いをしていると散々聞かされたら、貴女の夫に対してその浮気相手は同情をしたのかもしれません。

その同情から愛に変わり、不倫へと発展したのかもしれません。
もしかして、それが独身の彼女なら、きっとあなたのご主人との結婚を夢見た事もあったかもしれません。

そして貴女がご主人を大切にしないという事を聞かされ、その浮気相手は嫁としての貴女を憎んだかもしれません。

その憎っくき嫁から、「私の夫と別れて下さい」
「私の夫と付き合った罰として慰謝料100万円を請求します」
という文書が送られてきたとして、「ハイ分りました」と素直に払う人間なんていません。
もしかしたら、二人の付き合いも長くなり、浮気をする自分達なりの理由があるかもしれません。
それが例え世間では認められていない不純な事でも、人間は勝手な思いというのがあるのです。
なので例え正しくない事だと言われても、それなりの主張や希望はあるはずです。

だから、妻の貴女が私に相談をするなら、「浮気相手に誓約書を書かせたい」という事ではなく、「浮気相手をどのように納得させたらいいでしょうか?と「交渉」の仕方を聞いてくるのが本当の相談です。

また夫にも同じく誓約書を書かせたいという相談も同じこと。

貴女のご主人の言い訳を許す必要はないけれど、今貴女のご主人が、浮気の事をどう思っているのか、その真実を知る必要があります。
「妻にバレたから浮気を止めよう」なんてそんな、真っ正直な人は元々浮気なんてしません。
何ならばれた事で、浮気相手へ告げていた嘘がバレるのが嫌で、浮気相手のご機嫌を取ろうとするかもしれません。もっと言えば妻から攻撃が来ないように、浮気相手を守ろとするかもしれません。
もしかしたら、妻にバレたから、これからはどうやって妻の目をそむいて、浮気を続けられるかと算段している可能性だってあります。

よく夫の浮気が妻にバレた時にどう思うのか、という夫への質問に、「浮気を止めよう」と考える人なんて誰もいないと言います。
それよりかは、「さあ、これからどうしよう」なのです。

でも妻にすれば、浮気が妻にバレた限り、家庭や妻を大切にするために、謝るだろうと思うでしょうけれど、殆どの夫が反省なんてすぐにしません。

とりあえず頭の中では「どうしよう」と言う事が駆け巡り、思考停止になっています。
だけど、とにかく防衛本能だけが働いて、「攻撃は最大の防御なり」で、妻がスマホを見た事を責めたり
「俺を信じない妻とは離婚だ」と先制攻撃を掛けてくるのです。

こういう状態で、夫が取る行動と言うのは とにかく浮気相手と会って、浮気相手にこの事を報告しなければなりません。

でも、妻の監視下で、迂闊に浮気相手と会う事ができないので、夫は妻をとりあえず大人しくさせる為に「明日、浮気相手と会って別れて来る」と妻を安心させるのです。

だから、夫は妻と話し合った翌日とか、次の休みの日とかに浮気相手と会う時間を作るのです。
急いでいる人は、妻と話し合いをして、その足で会いに行く夫だっています。

つまりこれは別れ話をしに行ったのではなく、現状報告をし、「これから俺たちは迂闊には会えないから少しだけ時間を置こう」という打ち合わせに行ったと考えるのが妥当です。

そう言う事で、「妻に浮気がバレたら、夫は浮気相手と別れるハズだ、いや、別れるべき」という思い込みは止めましょう。

この思い込みが色々な番狂わせを生みます。

という事で、誓約書を書かせたいのですが・・・・という相談の前に、誓約書に書かせる内容に、両者皆が納得しているかどうか、という事を考えて下さい。

その上で書く内容が決まっていて、相手も承諾しているというなら 誓約書の内容は、きちっと守らせるような内容にしないといけませんし、書面として抜けがないかに神経を使わないといけません。

つまり誓約書を交わす事が、難しいのではなく、成約内容を、交渉するという「大仕事」がその前にあるという事を知って下さい

では、今日はここまで。

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村越真里子
専門家

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Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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