夫の本音を知るには
最近、メディアで話題の映画監督、榊英雄氏や、俳優の木下ほうかさんのパワハラや性被害が話題になっています。特に榊英雄氏の妻であるシンガー・ソングライターの和(いずみ)さんがすでに別居し、離婚に向けて協議中であることを明かされました。「一貫して、夫の行為に対して許せないものがありました。一度も榊を許したことはありません」と断罪されました。
榊英雄さんの奥様は、毅然として夫を憎んだのです。
このきっぱりした妻は、強いなあと思う方がいるかもしれませんが、いきなり強くなったわけではないと思います。
恐らくこんな女性を弄ぶような、夫と一緒に生活をしていたら、女性の存在に気付くことはあったでしょう。
女優希望の女性を弄んだとしても、それには仕事以外の時間を要したハズです。
中には、女性も犠牲者というタイプだけでなく、監督のご寵愛を受けた事で、愛に変化した人も中には居た可能性はあります。
それも一度か二度ではなく、何年間も、何人もそういう女性がいたとしたら、妻が気づかないはずがない。
だから、これまでの榊監督の夫婦関係を諍いが絶えなかったのだと思います。
その時代に、充分苦しまれた奥様だから、割り切りのいい結論にたどり着けたのだと思います。
誰も、最初から、こんな結論を出せる人とは自分でも分からなかったと思います。
だから、貴女も、今から、この先を無理くり決めつけて不安になる事はありません。
私共の所にも同様の相談が寄せられますが、殆どの妻が夫の不倫を許すか、許さないかのボーダーラインで悩まれますが、実際、蓋を開けてみたら、上から目線でそう言っているだけで、本当は夫に捨てられるのが怖いというのが本音で、夫に物を言えない状況になっている妻が殆どです。
でも、ごく少数派ですが、夫の不倫で離婚はしないと決めてらっしゃる妻もいて生活には波風立てずに暮らして行こうと決意をしてるものの、実際は、夫に失望してしまって、その後の人生、どんな気持ちで過ごせばいいか分からないという事を言われます。夫の不倫が発覚して、浮気相手から夫を取り戻す事が全てだった時期を終え、ふと気が付けば、妻を裏切って平気だった夫の人格を考えると、そんな夫とこのまま一生、暮らせて行けるかという不安です。
つまり、夫への愛情を失ってしまったという事です。
そういう意味で、私共へ相談を寄せて下さった相談者が、今後の人生について胸の内を話されます。
この先、夫を愛していけるのか?
この先、夫を信じて行けるか?
他の女性を愛した夫は再び妻の自分をどう思うのか?
または不倫を終えて別れた相手を夫は忘れる事が出来るのか?
そうした事を心配されます。
これらの答えは、パーフェクトを望む必要はないという事です。
覆水盆に戻らずと言いますが、コップが倒れて水が盆の上に零れたとして、それをすくい上げてコップに戻したところで、全部の1グラムも変わらず元に戻すのは不可能です。
でも、いいじゃないですか、90%、回収出来たら。コップの水は沢山あっても時間と共に蒸発するのです。
完全に元どうりという事を望まなければ、それなりに、形は保たれます。
でも、今後は、基本形をちょっと崩した変形版だと考えればいいのです。
いつまでも変わらぬ愛を‥‥なんてことを言いますが、そんなの、気持ち悪いです。
形あるものは変わるというくらいの方が自然です。
夫婦は夫の裏切りという事で愛情のバロメーターは下がるでしょう。
でも下がっても、「裏切って悪かったなあ~」という反省が夫婦の歴史に、渋さを出します。
何も、惚れた晴れたばかりが男女の愛ではないし、特に夫婦は、「二人で歴史の年表を作っていく」ような物で、歴史と言うからには、戦もあるし、滅びる敗北感もあります。
それら全部をひっくるめて、人生です。
若い時と全く同じ体力がないのと同じで、年齢を重ねたら、その年齢に合った過ごし方があります。
その事が分るのは、浮気事件が落ち着いてからなのです。
そんな、人生を見てみたいと思いませんか?
今、焦らなくてもいい。
間違った対策さえ取っていなければ、落ち着くところに落ち着きます。
そうなってから、また自分たち流の、時を刻めばいいと思います。
完全復活とはいかなくても、新たな、「素」を見せあえる夫婦の形をまた築けばいいのです。
と、いう事で、今日はちょっと抽象的かもしれませんが、完全を望まなくていい、と言う話です。
人生は力強い、形を変えながらでもなんとかなります。
では今日はここまで。