愛情のケチ
タレントの加藤浩次さんが、「スッキリ」のMCから番組を降板されました。
それと同時に、所属事務所である吉本興業からエージェント契約も終了されるという事になりました。
本来の契約ごとは、企業側とタレント側が3か月前に、更新や解除の手続きがなされるという事らしいけれど、加藤さん本人が驚いているという事は、そういう時間的なものは、守られていないということになります。
これは、私が知る由もない芸能界の話だから、あれこれ言えないのですが、世の中の構図は、似ていて、色んな業界はあれども、人間が関わる事は、所詮、人間関係の縮図なのです。
社会は人間の集合体です。
その一番小さな集合体は家族であったり、夫婦なのです。
特に私が日頃関わる夫婦問題は、この「人間関係」の最たるものなのです。
この夫婦関係とは言え、人間関係を円滑に進めて行く秘訣は、「慣れあい」は避け、相手に心を配るという事ではないでしょうか
家庭の中は、夫という他人と、血を分けた子供達の親子で構成されます。
おじいさん、おばあさんとだって親子は、血族です。しかし夫婦だけが、本来で言う赤の他人なのです。
だから、夫婦こそ、言葉に気を付け、相手の人間性を尊重しないといけません。
でも、元々、好きになって、苦難を乗り越え、夫婦になったので、チームワークは育っていると思っているのです。
確かに、愛し合って結婚をしたのですが、いざこざが増えだす時点で、許し合っている訳ではないという事です。
つまり、夫婦は気心が知れているとは言え、双方が許し合っている訳ではないのです。
もちろん、夫の浮気の様な事が起きた場合は、途端に、ハレーションを起こすのです。
普通、夫婦は、互いに、尊重し、気遣いながら、それでいて、気を許した関係であると思いたいけれど、浮気がおきた時点で、許せるという事はあり得ないじゃないですか。
それでも、かろうじて夫婦として形を保っていくならば、真っ先に浮気問題は終わらせる必要があるけれど、それが片付いたところで夫婦が、末永く仲良くやれるという保証はどこにもないのです。
では、その夫の浮気という心変わりは、どこから始まって行ったか?
夫婦の形が、どこから壊れて行ったか?と知らないと同じことがまた起きるのです。
でも、これが夫の体質的なもので、浮気が趣味のような男性だと、これはもう生き方の問題なのです。
そういう風に結婚をしていて、浮気を繰り返すという男性は、そういう生き方を望んでいるのです。
その言わば、夫という他人の生き方まで、妻の力で、変えてみせるなんてことは、神業に近い。
つまり、その夫の生き方は結婚前には分からなかっただけで、結婚をしてから、本領を発揮したというか、結婚をしたから、浮気という事が成り立つという皮肉な結果が生まれたのです。
しかし、これも病気と一緒で、何か持病があっても、酷くならない人もいれば、重症になる人もいます。
病気は体質とか、環境とかで発症の程度は違ってくるように、夫の浮気体質は夫婦の関係性において軽症で済むか、重症化するかが分かれます。
そういう風に、「夫の浮気は癖のようなもので、今の浮気相手と別れさせた所で、また別の人と繰り返すのでしょうか?」と嘆く妻は多い。
でもね、この癖を体質というのであれば、単に体質として持っているだけか、それが表面化するほど、重症化するかは、取り巻く環境で、防ぐ事は出来るのです。
例えば、私は血糖値が高いという持病を持っています。
しかし、2か月ごとに検診をし、薬も真面目に飲んでいます。
そのお陰で重症化せずに、抑えているのです。
つまり、私のドクターは日本有数の名医ですが、その名医ですら私の体質を変える事は出来ません。
あくまでも 私の生活習慣を見直し、脱線せずにコントロールしているのは私自身の努力と環境なのです。
浮気体質も、よくにた構図です。
妻が、いくら浮気は善くないから、浮気相手と別れ、浮気をしない体質になってくれと望んでも、ご主人の体質を変える事は妻には出来ません。
でも、妻に出来る事は、生活環境を変える事です。
これなら、妻の努力の範疇が及ぶ所ですし、夫も、妻がある程度、夫の為に努力をしてくれているのであれば、夫も妻とチームワークを組むでしょう。
それなのに、夫の事を責めるだけでは、夫は自分を愛してくれる浮気相手とチームワークを結ぼうとします。
でも、こういう理屈は、妻には分かりにくいものです。
だって、「浮気をしている夫は間違っている」という、気持ちで、妻の気持ちは刺だらけになっているので、夫への否定しかないのす。でも、それであれば、夫は妻に心を戻すはずがない。こういう構図を理解したら、少し方法は浮かんでくるはずです。
では、その原因って、何でしょう?
夫が浮気に走る要素って、何でしょう?
その要素って、この浮気が終われば、もう貴女の家庭には、その要素は、蔓延っていないのでしょうか?
変な話ですが、お風呂にカビが発生していて、それをお風呂ハイターで、駆除したとしても、また、風呂の換気を怠り、再びかびが生じる状態があれば、また、同じ状態に戻るだけです。
貴女の家庭に、二度と夫が浮気をしないような環境作りって、どうしたら出来るのでしょうか?
要は、貴女が夫の体質と思っている事でも、ある程度は環境で、改善や予防はできるのです。
それを単に夫の体質のせいにしてしまうと、妻も解決策は浮かんでこないですよね。
その為に、浮気や、カビに気づいた時には、軽い内に取り除く事は絶対必要ですが、それ以上に必要な事・・・・
それは、遺恨を残すほどの言動はしない、という事です。
妻が夫の浮気を知り、例え頭に来たとしても、怒りを夫にぶつけるだけだと、どうしてもその言葉が、夫の胸に残ります。
例え、夫が悪い事をした張本人であっても、それが起きる条件は 夫婦の中にあったのです。
浮気というカビが発生する条件が、風呂場にはあったのです。
つまり、カビはカビだけで存在しません。必ず、それが発生する条件があるところにしか、発生しません。
だから、モデルハウスには、カビは存在しないのです。
そういう事で、夫の浮気の理由を、夫だけのせいにしない事が大事です。
それ以上に、それを知った時には、夫に怒りをぶつけるのは仕方が無いにしろ、ずーっとその事で、夫を責め続けるのは能がない。
私は沢山、夫婦のこういうケースを見て来て、壊れて行く夫婦の条件は、浮気が原因とは言え、浮気で別れる夫婦はあまりいません。
むしろ、浮気を責め続ける期間が長すぎて そのせいで、夫婦が修復する気力も失ってしまったという事で、離婚になるケースが殆どです。
私は、芸能ネタでも、近い物を感じていて、加藤浩次さんの事務所離れは、こうした関係性が崩れて行った結果だと思うのです。
数年前に、後輩タレントが起こした、反社との飲み会等で、暫くタレント活動が出来なくなった時に、吉本興業との契約関係も明らかになりました。当時は「加藤の乱」として加藤さんの、男気が際立って、人は加藤さんの男意気に賞賛をしたのです。
でも、無事、事が終息したかに見えていた吉本興業との軋轢は、遺恨を残していたかもしれないという事が、今回の番組降板という事で、明らかになりました。
つまり、加藤さんが色々発言した事は、吉本興業にとっては、顔に泥を塗られたようなもので、その当時は問題を鎮静化させる為に、事務所は、沈黙を貫いたかもしれませんが、実際には、許してはいなかったのでしょう。
「企業は人なり」というように、企業と言えども、人間の塊です。
そこには人の感情も入る所なので、人事にも、その関係者の感情がとても影響するのです。
そういう意味で、過去の話とは言え、カチンとくることは、人間は心に残ります。
その結果が、今回の事だとしたら、一企業とタレントとの契約とは言え、とても人間臭いものです。
夫婦なら、その人間臭さの象徴です。
どうですか、正しい事であっても、人間はあまりにも、酷評されると、傷つくものなのです。
忘れられずに、遺恨となって、残るのです。
貴女は、夫婦喧嘩の際、そこまで相手を傷付ける事は言っていませんか?
加藤さんは、恐らく、加藤の乱の後、スーッと普通に仕事に戻ったのでしょう。
しれ~っととは言いませんが、きっとその事件をきちんと相手側に、遺恨を残さないようなフォローはしてなかったのでしょう。
人間って、恐ろしい物です。
夫の浮気が例え、終わったとしても、貴女がずーっと心の中のモヤが消えないのと同じで、貴女の言葉も、夫の心の中に残っているのです。その種を作ったのは、夫だとしても、今は犯人捜しの話ではなく、その犯人と、今後も一緒にやっていきたいと望んでいるのは、妻である貴女なのです。
夫婦は、やり直したいと望む方が、努力をするしか仕方がないのです。
でも、これは一生とは言いません。
この事態が収まるまでの暫くの間、やり直したい貴女の方が、ちょっと我慢をするしか仕方がないのです。
それを、夫が悪いからと、いつまでも、夫を叩いているようでは、夫も貴女が本当に夫婦の修復を望んでいるとは感じられません。
「吐いた唾は飲めない」という言葉があります。
汚い言葉で 私はあまり好きではありませんが、そうです、言葉も出てしまったものは、取り返しは付かないのです。
それほど、言葉使いには気を付けないといけません。
しかし、それは浮気をした夫に対して、ひれ伏せろという事ではありません。
本音で何もかもぶつけて、それを受け止めてくれる夫では、今はないという事です。
だから、遺恨を残さない言葉を使おうと言っているのあって、全面降伏せよという誤解だけはしないでください。
では、今日はここまで。