浮気終結と夫婦修復は別作業
相談者と話していて、当方に来られる前に、弁護士さんに相談をしたという方は多いのですが、そこでどういうことを相談されたかというと、実は離婚をした時の財産分与や、養育費という生活費の算出になり、浮気相手への慰謝料請求は二の次の様になります。
でも弁護士さんに相談するときはどちらかと言うと離婚の事も視野においてという風にと、言ってはみても、貴女の本心は離婚は望んでいないとは言い難くなって、弁護士主導になると、どうしても離婚話のボリュームが増えるのです。
では、何故 弁護士さん主導になると、離婚話に傾くのでしょうか?
それは 弁護士は 法の下で物事の判断をして決着を着けるお仕事です。
だから、もし貴女が、離婚という選択をする場合は、子供達が健やかに成長する為に、養育費や、生活全般を守れる離婚の取り決めをします。
言うなれば離婚は、親の勝手です。でも、一緒に夫婦が暮らしていても 子どもの精神衛生上よろしくない親だっているのです。
その場合は しっかり母親が生活できる基盤のために、生活費に当たる養育費を取り決めて貰える、ありがたい存在が弁護士です。
夫の収入や、預貯金、家という財産や、生命保険、年金分割・・・・これらを整えて、その上で 子供と親とが定期的に会えるように面接権も整えて、離婚の手続きをします。
要するに、これらを決めるには 算定基準があり、これも法律家が世の中の水準から大きく反れないように、取り決めをして下さいます。
離婚の話は、お金の話と言っても過言ではない。
でも、そのお金の話は、たいてい揉めるのです。
何故なら、そもそも、話し合いが出来ない夫婦が、離婚をするのですから 離婚の時だけ、心を合わせて、何かを算出できるはずがない。要は協議という話し合いが出来るなら それは協議離婚と言って、弁護士は必要ないのです。
だから大前提が、話し合いの出来ない、夫婦仲にヒビの入った夫婦の話になるのです。
だから、弁護士先生は、こじれた関係でいるよりは、お金でキチンとこれから生活が出来るように、決着を着けるお手伝いをしてくださるのが弁護士の仕事です。
こうした、財産分与の話は、感情論ではなく、法的観点から見て、基準があるので、それを示してくださるのです。
そういう意味で 離婚の話は感情論ではなく、法に基づいた判断が必要なので、弁護士の出番は、そこなのです。
でも、弁護士だって、人間ですから、同じ仕事をするなら ご褒美の多い方がやる気は出ます。
それが弁護士の成功報酬ということなのです。
だから、離婚の話は、現金の預貯金も、家も、保健も全部、ひっくるめると大きなお金が動きます。
その何%かが ご褒美になるなら、離婚の方がやる気になるもの無理ない話です。
それに引き換え、浮気相手と別れされるという方の、慰謝料請求で、相談者は離婚をしたくないという方であれば、浮気相手の慰謝料の何%が弁護士報酬になったとしても せいぜい数万円から、数十万です。
同じ仕事ならどちらがいいですか?と問われたら、皆、気持ちは同じだと思います。
だから、浮気問題を相談にいっても、浮気相手への慰謝料請求は、してくだっても、離婚をされないなら、弁護士は儲からないのです。中には人権派と言って、弱い人の味方の先生もいらっしゃいます。でもそれはごく少数派。
確かに弁護士さんは正義の味方のように思いますが 何度もいいますが弁護士だって、人間ですから正義の味方も、ご褒美が多い方がいいに決まっているのです。
その意味で、離婚をして、浮気相手にも慰謝料請求をするという仕事は 二つ返事で受けて下さいますが、離婚をしたくないと言う方の相談は、少しやる気が失せるのはご理解下さい。
法というのは、ある意味はっきりしています。六法全書を元に、過去の裁判事例を元に、粛々と取り決めるだけです。
でも、離婚を望まない方の相談は、どうでしょうか?
確かに、これまでの悩みを引きずったまま、夫と浮気相手を別れさせたいと願う反面、それをしたら、夫に嫌われるだなんだと悩みの淵から出られていません。
とかく、離婚を選ばない人は、夫から裏切られても、それでも、愛しているとか、夫の浮気相手を排除したら、自分たち夫婦が元のさやに納まれる・・・・というような、気持ちの中の希望なのです。
気持ち・・・・・これは大変、大事な部分ではあるけれど、人それぞれで、どこにも判断基準がない。
しかも、こういう悩みのある人は感情の起伏があり、気持ちのアップダウンもはげしいのです。
そこを慰めながら、色々決めていくなんて至難の業。
つまり、夫婦関係を保ちながら、関係性を良くしたいと望んでいる人は、不安の坩堝なのです。そういう気持ちを支えてもらいたいと 常に悩んでるのです。
いいですか、悩む事と考える事は違います。
いつまでも悩んでいても答えは出ませんが 考えると答えは出てくるのです。
夫婦修復を望んでいる方の特徴は、中々、悩みの坩堝から、抜け出せません。だから、弁護士の場合は 「悩んでなくて決めてからきてほしい」と言われるのです。つまり、悩みを抱えて相談にいっても、そこは悩み相談所じゃないのです。
それは、時には、「もう少し、ご主人と話し合ってみては如何ですか?」と優しくいわれますが話し合いという協議の場が持てない人が、相談にいっているはずで話し合いができない結果m今の現状がある訳で、その人に話し合いをしろと言うのは酷な話。
これはお引取り願うというのは、ていのいいお断りの言葉なのです。
貴女は、浮気相手への排除を望みつつも、離婚をした場合という両面で考えているという風に、いわないと話が前に進まない為、
弁護士さん側に寄せた相談になりがちです。
と、いう事で叱られるのを覚悟でいいますとは、弁護士さんは 離婚をしたくない方の相談は 悩みを抱えているアップダウンの相談者には、手がかかって仕方がないので、浮気相手への慰謝料請求は出来ても、出来れば離婚へシフトチェンジしてくれた方が
速く結果が出るのです。何故なら、法的基準という判断材料があるからで 悩み体質の人の納得の良く答えは、千差万別で、落としどころがないのです。
その上で夫婦が修復できるかどうかを目標に置く相談者の希望を叶えるのは、弁護士業の範疇ではないわけです。
そして弁護士事務所は悩み相談所ではないので、法的にちゃんと手続きが出来る離婚の方が弁護士の本流なのです。
親切な弁護士さんは色んな可能性を視野において、色んな回答は下さいますが、弁護士事務所のドアをノックした時点で、離婚の世界の話を主流でする場所だという事を、知っておいて下さい。
だから、もし相談に行かられるなら、自分をしっかり持って、離婚はしたくない、浮気相手の排除がしたいだけだと、選手宣誓をしておけば 弁護士先生も貴女の本当の意思が伝わります。
ここで遠慮をせずにしっかり伝えておけば 話のボリュームは浮気相手排除になります。
では、なんで貴女は 弁護士の所に相談にいくのでしょうか、もう一度考えてみてください。
とにかく、夫が浮気をしている時に、弁護士に相談に行きました、という方は少なくありません。
でも、本当に そこで 答えが得られたかというと、ただ、話を聞きに行ったというだけで 契約を結ぶ方は、ごくわずかです。
それは何故でしょうか?
もちろん、相談によって、心が定まった方もいるでしょうし、参考になったという方もいるでしょう。
でも、それ以外の方の殆どが、そこから、また悩みが続くだけなのです。
要するに、貴女は、夫に対し、「今日、弁護士のところに相談にいってきた」と言いたい気持ちに駆られるからなのです。
何故なら 貴女の苦しみを表す、単位がないからです。
だから、弁護士の所にいったというと、夫が浮気をやめてくれるかも、という脅かしに使っているようなもの。
つまり貴女が浮気をやめて、と言っても聞いてくれないから「法律の専門家に相談した」と言えば、夫が反省をしてくれるだろうという脅迫に使いたいという下心があります。
これは、ご主人が貴女と離婚をしたくないと想って謝ってくれるなら、効果的だったと言えますが、そうじゃなく、浮気相手と、もう引っ込みがつかない関係になっていたら、貴女が法律家に頼んで、結論を出そうとしていると勘違いされます。
これは、貴女にとって、味方になるどころか、ご主人は、離婚の話を進めていると勘違いします。
そうなると、ご主人の浮気の進行具合にも拠りますが、ご主人も離婚へと進んでいこうとします。何故なら 男性は知っているのです。弁護士は離婚をする時にお願いする仕事だということを。
間違っても貴女が本当は修復を望んでいるなんて、思いません。
だから、貴女が「今日、弁護士のところにいってきた」と言えば、誰が喜ぶと思いますか?
そうです、浮気相手です。
ご主人は貴女から その言葉を聞いた途端、浮気相手の下に飛んでいきます。
「妻が離婚の手続きに入るようだ」と、伝えにいけば、浮気相手にはどんな指輪よりも、最高のプレゼントになるでしょう。
夫に妻が離婚も視野においていると言えば、夫は反省して、妻の元に帰って来てくれるだろうと考えるのは、妻の希望的観測。
ね、貴女がっ考えている事と、世の中の本当の事とは、大きな違いがあるのです。
それを知った上で それでも弁護士のところに相談に行きたいなら、本当に貴女の希望に添った離婚回避の気持ちでお手伝いをして下さる弁護士選びが必要です。
私のところでは、そういう全般を踏まえて、弁護士と提携を組んでいますが、一般的な弁護士さんは、離婚手続きの方が得意とする場合の方が多い。
貴女の今後は、弁護士事務所のドアをノックするところから、もう決まっていくのです。
だから弁護士事務所に行った、などと、夫には軽々しくいわない事です。
では、今日はここまで。