後ろめたさ
よく相談者の妻が、「今の浮気が収まったとしても、また繰り返すと思うのですが」と問われます。
確かに、男性も色んなタイプがいて、結婚しても、浮気を繰り返す人もいますし、何なら交際中からも、他の女性によそ見をする男性もいます。
妻は そういう事を結婚してから知る事となるのですが、それを知ってから、どうするのかが問題です。
夫と言えど、大の大人で、自分の人生観があります。
そこに、道徳的に浮気はダメと言ったところで、そんなことは百も承知でしょう。
それでも、止められないのは、頑固というより、浮気をしないといけない理由があるのでしょう。
それが体質や生理的欲求か、または性格か、どれかは分かりません。
それが分かるのは 本人と家族である妻なのではないでしょうか?
正直言うと、こういう相談業をしていながら こんなことを私が言うのは申し訳ないのですが、夫の心情を分かり、分析するのはやはり生活を共にする妻しかいないのです。
ましてや、遠隔操作で、いちカウンセラーが夫の曲がった倫理観に影響を及ぼす事は不可能です。
だから、せめて、妻は夫の専属カウンセラーとして夫の心の内を読めないと、赤の他人、誰も分からないのです。
それなのに、よく妻が特に口にする言葉は「今の浮気が収まったとして」と言われます。
そんなに、今の浮気を止めさせる事は簡単ですか?
むしろ、これまでも夫の浮気に気づかなかった事や、見過ごしてきた事。
または見逃してきた事。
これらの事を、野放しにしてきたというのは 妻自身も変わらないといけないのです。
「今の浮気が終わったとして・・・・」という「と、して」と言う言葉は、終わらせることを簡単に考えている表れです。
終わらせたとして、というのは それにチャレンジした事のある人の言葉ならいいのですが、一度も終わらせるアクションなんて何もしたことがないのです。
「終わらせたとして」という発言の意味は、そんな事をしても無駄でしょ、という諦めムードが漂っています。それなのに終わらせたとしてという事は そこを軽く省いて考えています。
いやいやいや、夫の浮気を終わらせる事なんて、至難の業。
それを、終わらせたとしてと、妻が軽く考えている事が実は問題なのです。
こういう発言をする人は 実は問題に直面してきた時に、その都度、本気で向き合ってこなかったという事があります。
もちろん、そういう問題に直面しても、どうしたらいいのか、分からなかったという事もあるでしょうし、お子様が押さなくて、夫にまでは手が回らないという事もあるでしょう。
何なら、こういう理解をしめして、妻が忙しかったのね、と言っても、「じゃ、妻の私が全て悪いっていうのですか?」と噛みつく人もいます。
そうではないのです。
妻の貴女が悪いって、一言も言っていません。
また、誰が悪いっていう犯人探しもしていません。
でもね、こういう風に怒る人は、夫の浮気が発覚しても、夫を責める思考しか、してこなかったという事です。
誰を責めている訳ではなく、物事の「成り立ちという構造図」を解いているのです。
それなのに、こういう分析をされる事に「カチン」と来てしまう妻って、対、夫に対しても、そういう立ち位置になっていて、ただ、文句を言っているだけになっているので、夫と対話が出来ておらず、喧嘩腰なのです。
何でも喧嘩腰にしか話せない妻に限って、話し合いが出来ません、と言われます。
貴女の言葉が、本当に話し合いの言葉使いですか?
問題を分析して差し上げたいと思うカウンセラーに噛みつく妻は、夫ともぶつかるだけになっています。
「対する言葉」と書いて「対話」です。
妻である貴女は対話が出来ていますか?
日頃から、何かと言葉に棘があるなら、夫は貴女に心を開きません。
浮気は その後の事です。
浮気相手に心を開くから、身体も開くのです。
ここに浮気が判明したと言って、攻めるだけの対話になってしまうと言葉は 対話ではなく「刃」になります。
ここを妻が理解をしないと、話し合いで夫に白状させて、謝罪させて、反省させて・・・・という段取りで進めても、夫は貴女に背を向けて、浮気をどうしたら隠れてやれるか、とばかりを考えています。
そうして、夫は、貴女の言葉で、浮気を止めようとはなりません。
「だから、その方法を聞きたくて相談したのです」と思われるかもしれないのですが、貴女の刃を取り除く事からはじめないと、何も変わらないという事なのです。
でもこんなことを言われても、もっと腹が立ちませんか?
「浮気をしているのは夫なのに、何故妻の私が努力をしないといけないのか?」と、やり切れない気持ちは分かります。
でもね、貴女の夫が貴女のそういう勝気なところが大好きならば、私は何も言いません。
しかし、現実は貴女の夫は貴女に背を向けている事が現状なのですから、それを解決する事が先決なのに、アドバイザーに疑問を投げかけている場合じゃないのです。
それなのに、「浮気問題は片付いたとして」と、その先にもう気持ちを馳せている妻がいます。
つまり、これからの夫の浮気撲滅に取り組むにあたり、そのもっと先を心配しているのです。
今現在、これから取り組むことへの課題には、目もくれてないという事になります。
貴女の夫の悪さは、どの程度の物か?計りも必要ですが、本当はそれを計る計器が壊れていたら、正しい計測が出来ません。
また、貴女の夫は、浮気相手が好きと言うより、自分の家に帰りたくないという浮気だってあるのです。
こんな事を言うと 私へ恨みを募らせるかもしれませんが 嫌われる覚悟で書きますね。
貴女の夫は、もう逃げているのかもしれません。
例えば、男性本能のあるがままにする浮気もありますが、本当言うと妻の貴女に「適わない感」があるという事があります。それがたまたま、浮気という形になって現れただけかもしれません。
浮気は単なる結果です。
何の集大成が浮気なのかは、家庭によって、それぞれです。
しかし、何等か問題があって、その結果、家庭内や夫婦間では処理できないことだから浮気になったという結果です。
だから、浮気問題が一段落したとしても、家庭内、夫婦間に、同じ空気が流れていたら、またそこで息継ぎしないといけなくなると、
人は息苦しくなると、またそこから出ていきます。
それが夫の浮気が繰り返される一つの要因でもあるのです。
何度も言いますが、「浮気を終わらせたとして」とありますが 一度も浮気を終わらせた経験のない人が、そのもっと先を心配するのは、勇み足です。
もっと言えば、浮気を終わらせたという成功体験が、次に同じ間違いを繰り返させない予防策にもなるのです。
それなのに、一度も、そういう取り組みをしていなくて、その努力をしたにも関わらず、また次に同じ事が起きる事への恐怖心で、今のやらなければならない事への一歩目が出ない人は、その先の未来もありません。
始めの一歩というじゃありませんか。
夫の浮気対策に、ただ、文句や口撃だけで対処してきたのは間違いです。
根本的なところにメスを入れないで、その次の安心安全な生活はありません。
厳しい言い方ですが、それを終わらせると一口で言っても、そんなに簡単ではない事を知らないし、貴女は本当にやらなければならない対策は、残念ながら取ってこなかったので、逆に簡単にそこを考えているのです。
私が相談者と取り組んでいるのは、簡単じゃないからです。
そこを、目をつぶってきた事の結果が今だと分かると、そんな先の夢みたいな事を期待している暇はありません。
ごめんね、傷ついている貴女に厳しくって・・・・
だって、貴女にしか私の言葉は届かないでしょ。
皮肉な事ですが、善くなりたいと思っている方が努力をしないといけないのです。
貴女の夫は、恐らく、改めようなんて思ってないから。
それでもあきらめずにやってみないとやってみようという取り組みです。
浮気は終わったとして・・・・・なんて、そんなに簡単ならば 私の方こそ教えて欲しいくらい。
簡単じゃない・・・・
でも本気で取り組んだ人にだけ、ご褒美があるのです。
未来永劫、浮気のない夫との暮らし・・・・そんな事を夢見るより、まずは初めの一歩を踏み出しましょう。
どんなに高い山だって、エベレストだって、富士山だって、登山は最初の一歩から。
登頂する保証がないなら、取り組む気がしない、なんて、結局は、登りたくない人の言い訳です。
では、今日はここまで。