愛情のケチ
今日のテーマは、ちょっと、分かりにくいかもしれませんから、よく読んで下さい。
私の所に相談しに来て下さる方には色々なタイプの方がいます(今、相談者はほぼ女性です)
そんな中、異口同音に言われる言葉は「どうしていいかわかりません」という事ですが、実際はしたい事や
したくない事は心の中では決まっているようです。
では、「したい事」とは?
それは夫と、会話をして夫との関係を取り戻したいと言う事です。
つまり、もっと夫とはコミュニケーションで、夫婦仲を改善したいと思っています。
では、次に、「したくない事」とは?
それは、夫婦仲をこれ以上悪化させるような行い、です。
もっと、言えば、夫との夫婦修復に繋がるコミュニケーションや話し方をしりたいけれど、悪化させる事はしたくない、と言う事です。
もちろん、日本中どこを探しても、夫婦仲が悪化したいなんて妻はいません。
しかし、夫が家を出たり、妻が実家に帰ったりと中には別居が長きに渡っている夫婦もいます。
そういう家庭の夫婦は、妻の方が冷え切った夫婦関係に風穴を通したいから、どういう会話が夫婦仲のヨリを戻す事になるか、投げかける言葉を教えて欲しいと言われます。
でも、片や夫の方はというと、夫婦の修復なんて毛頭考えてないから、会話をしようとは思っていません。
もしあえて夫の方から、会話をしようと持ちかけて来たとしたら、もうそれは離婚へのカウントダウンに入っていると考えるのが妥当です。
でも、ずるい夫なら、離婚を迫るというような直接的な言葉は発せず、「もう物理的に俺たちは無理だから」と言ったりします。
ムリって?
何が無理か具体的にはわからない妻には、離婚へレールを敷かれたというイメージは出来ません。
しかし、夫がそういうあやふやな言い方をすると、逆に夫婦が元どおりになる課題を投げかけられたように勘違いしますが、こういう具体的な事を言わない夫の場合は、訳の分からないあやふやな事を言えば、妻が反論のしようがないからです。
ですから、妻も夫の言葉の裏を読まない様では、訳が分からないまま、離婚に持ち込まれたりします。
そこで、物の本を読んだり、ネット上での情報を鵜呑みにしていると、「妻が離婚に合意しなければ離婚にはならないのでしょ」とばかりに、胡坐を組んでいる考え方の妻もいます。
それで離婚にならないと考えているなら、何故 私の所に相談に来たの?と言う事ですし、数多くの情報が欲しいと思って、カウンセリングを沢山うけても、結局そういう人ほどカウンセリングジプシーになってしまっています。
それは何故か?
要するに満足する答えが返ってこなかった、と言う事です。
では満足する答えって何か?です。
それは相談者が満足するか、否かは相談者の物差しであり、これまで、そのお眼鏡に適う物がなかったと言う事に尽きます。
では相談者の満足する事って?
それは、夫との修復は望んでも、息苦しい努力はしたくないと言う事です。
また、逆に 私、村越が唱える方法とは何かと言うと、浮気問題を終わらせる具体的なアクションを起こすと言う事です。
しかし、相談者の頭の中には、そんな努力をしたら、夫婦仲が最悪になってしまいそうだから、できるだけ何も変えずに、又は 夫には分からないように、何か出来ないか?と言う相談です。
では相談者が本当は何を望んでいるか?と言うと、
1、何もしなくて済むにはどういう努力が必要か?
または
2、何か取り組むにしても、夫には嫌われないように、ことを荒立てず、表面的は分からないようにする
つまり、要約してみると、現状を変えたいとは思いつつ、何か変わった事をすれば、夫婦関係が悪化するので
我慢強く、頑張ってきたので、どうしたら、このままで我慢が出来るか?という事と我慢をしないで済む方法はないか?という、我慢を巡っての相談です。
我慢強く頑張ってきたからこその、内容だな、とは思いますが、我慢という事を中心に考えられている事が特徴で、それ以上の事は、新薬の如く画期的な、奇想天外の答えはないか?と言う事です。
ここで、そんなものはない、と冷たく突き放す事は簡単ですが、やはり相談者が何故 そう思うか?を解らないと、カウンセラーとしてやっていけません。
つまりこれまでどおりの我慢と言う事であれば慣れたことだから、そんなに怖さはないのです。
でも、新たな画期的な事というのは、知らない世界だから、出来るだけショックのない、表面的にもご主人には手荒な事とならない、夫の気分も害さない方法を教えて欲しいと言う事になるので、そう思う妻の心の正体はどこにあるのか?と言う事になります。
もっともっと、荒っぽく翻訳すると、妻が言いたいことは、表面的には、何も変わらない方法しか要らないと言う事です。
どうですか?
お読みになっていて、とても難しいと感じませんか?
妻の自分が変わる事で現状を変えたいけど、表立った事では変えたくない。
夫を変えたいけど、夫がご機嫌を損ねないようにやりたい。
事を荒立てずに、夫婦仲が改善するようにしたい。
これはもう魔法をかけるしかありません。
魔女が魔法の粉を掛け、夫を別人にしてみせる・・・・そんな魔法の薬があるなら、私はとっくに、ノーベル賞を取っています。
でも相談をする前には 自分の望みが、現実離れしているものかどうかは、解っていません。
相談者が望んでいる事を、段階を追って、聞いて行くと、実現不可能な事を望んでいる「わがまま」と気が付かれる方はまだマシですが、そんな自己分析をしても、「自分の望みを叶えてくれるところは見つからなかった」という相談者は、また、自分の願いを聞き入れてくれるカウンセラー探しのジプシーになってしまうのです。
要するに、現状を把握してみて、夫が変わったり、自分が変わったりと言う事で、解決できる問題はないのに
何か夫婦が変わる事で、好転すると信じたいのです。
これは現実を受け止められないタイプに多いのですが、叶わない夢を追い求めて生きているのです。
私は、こういう人の夫の我儘だと思っています。
妻と、合わない部分を感じて、夫婦としてやっていけないと感じるのは、夫もある意味我儘です。
こうして現実逃避するのが、別居です。
こんな別居に陥っている夫婦は、共に現実を受け入れられない人なのです。
夫は夫で、浮気をして現実逃避しています。
妻は妻で、その問題を浮気問題とは思わず、夫婦の心のボタンのかけ違いと思っているので
ボタンを正しく掛け直すにはどうしたらいいかと、考えています。
確かに、最初は、夫婦お互いの気持ちの齟齬があったかもしれませんが、今はそこを通り越して
浮気問題に形を変えてしまっているのです。
なのに、気持ちを入れ替えたら、現状の問題も解決すると思っています。
これが妻の大きな誤解ですが、これを私が誤解だと説いたとしても、妻は、心の入れ替えを望むのです。
確かに、夫婦はどこかが、すれ違って、溝が出来ます。
そういう場合に得てして起きやすいのが、夫の浮気です。
でも、妻は その浮気を軽視しています。
それよりも、浮気は結果だとしても根本は 夫婦の気持ちのズレだから、ズレを修正したら、夫は気づいてくれると考えていますが、実は、そうではありません。
つまり、地震で家が倒壊したとします。
確かに、家を建てる段階で、設計ミスがあり、地震が来たら壊れやすい構造だったのかもしれません。
そこで、家は壊れてしまったのです。
では、今すべきことは何でしょうか?
家の設計ミスを、嘆いて、家を設計し直す事でしょうか?
もし建て直すなら、それも良いかもしれません。
でも、貴女の夫が、建て直すより、もっと別の所に、良い家を見つけて、住んでいるとしたら、夫に帰って来て貰おうと思えば、「夫のお気に入り」の家を再度、建てる事でしょうか?
確かに、貴女の夫も、貴女と一緒に、新たな家を建てようと、再建築を夫婦で願うなら、二度と倒れない家を設計するべきでしょう。
でも、今の問題は ご主人は以前住んでいた家に戻りたいと望んではいないのです。
この望んではいない人間を、もう一度、戻す為には、妻が新築を立てる事ではなく、ご主人はもうすでに新たな居場所を手に入れてしまって、そこに住んでいるのです。
そうなると、家を出て行った原因は、自宅の倒壊であっても、今の戻ってこない理由は、倒壊したからではなく、今は新たな棲家を見つけたので、問題はもう変わってしまっているのです。
そういう事で、問題が変化している中で、妻の貴女が、再建築の為の設計図を広げていても、ご主人には設計図は関係なくなっています。
問題は変わってしまったのです。
だから、原点に戻り、原因追及をして、その原因にレーザーを当てても仕方がなりません。
交通事故も同じ。
交通法規を守らなかった結果、交通事故を起こしたとしましょう。
両車両のドライバーは、両方とも大けがをしたとして、貴女は、今、交通法規のガイドブックを読みますか?
とりあえず、怪我の治療をしませんか?
つまり、問題は交通事故でも、今すべきことは治療です。
早く助けないと、助からない命も助からないのです。
その後、綺麗なお顔に後遺症が残るかどうか?なんて、考えている暇はありません。
要するに、本当のリハビリは後日の話で、貴女の出来ることは、今は大怪我の治療です。
いいですか、何度も言いますが、問題は変わってしまっているのに、いつまでも、そこを避ける為に
心の交流などという事が大切となりますが、実は、心の交流は両者が望んでこそ、叶えられるものであり
とりあえず ご主人は当分の間、望まないどころか、自分の不倫を成就させたいと思うでしょう。
そこで、交通法規のようなドライバーとしての心構えの本を読んでも、無駄なのです。
しかし。相談者の妻は、自分の何が間違っていて、交通事故を起こしたかを知りたがります。
もうすでに起こしてしまった事故は、大けがと言う結果に終わったので止血するという、やり作業がもう始まっていると言う事が言えるのです。
世の中のこういう夫婦問題のハウツー本は、山ほどありますが、実際に使える本は少ない。
何も現状を変えずして、事態を好転させたい。
もしアクションを起こすなら、妻が起こすから、出来るだけ無傷で行きたいと言う気持ちは分かりますが
多少の痛みは伴っても、火中の栗を拾うしかない。
熱いからと言って、眺めているだけでは何も変わらないという・・・・
現実的な問題が、足元で起きているのに、マニュアルを読んでいる場合じゃない。
今日はそんなお話でした。
我慢をする為のノウハウ。
我慢をしなくて済むノウハウ。
いずれも我慢という物がベースにあると言うのは、実際は現状を変える事をしたくない人の発想です。
これで、何かを変えられると思うのは大間違い。
何故なら、我慢は現状維持だからです。
現状を変えるのは怖い・・・・これは妻の我儘な希望です。
夫も、自分の望みを叶える為には、とにかく、起きてしまった問題は、そのまま貫き通したい。
それが浮気というものです。
夫婦お互いが、我儘を通そうとしているような物。
似たもの夫婦です。
「辛抱する努力と、辛抱しない為の努力」貴女は それを探して 私の所に訪れてくれましたが、それは貴女の
発想です。その貴女の発想をそのまま聞き入れても、何も好転しません。
辛抱すると言うのは、一見、良い事の様に思えますが、要するに無策だと言う事です。
辛抱すると言う事で、事態が勝手に好転してくれるのを待つという消極的な、無策です。
本当に現状を打破したいなら、本筋を理解して、その攻略法を利口に考えないと何も変わらないという覚悟を持って欲しいのです。
それを一緒に考えて行きましょう。
では今日は、ここまで。