許せないけど、別れたくない

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦関係修復について

今日の、ネットニュースを見ていて、「え?これって、私のカウンセリングルームの事?」って言うくらい
私の所に寄せられる相談と、そっくりです。
また弁護士さんの意見も私と一緒なんだと、と思ったし、電話相談のラジオ番組とは言え、似たような相談はどこにもあるのだと感じました。

参考までに下記の記事を読んで見て下さい。

浮気夫を「許せないけど別れたくない」の無限ループ、
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190715-00000018-it_nlab-life
                 by ねとらば
 「責めないで彼を許す方法があるなら知りたいなっていうのと、どうしたら別れないで済むかなって思っています」
そういうリスナーの相談に、この中では、「そんなのはない」という結論ですが、確かに私のところに来られる方も、こういう方が多いのです。
だから私も「そんなのない」と同感ですが、にべも無く言い切るのは簡単です。
でも、私はもう少し、その先を見て行きたいのです。

人間は、「解っているけれど、どうしようもない」という部分があります。
以前、私も書きましたが健康の為にダイエットはして痩せたほうが良いと、医者から言われても、自分に負けてダイエットが成功しないという事があるのが、私なのです。

だから、妻である相談者は、夫を責め続けてはいけない事は解っているのです。
でも、自分の感情を抑えきれずに、つい夫を責めてしまいます。

その時に、その責める気持ちの奥にある正体が理解できたら、少しは「我」を抑える事はできます。

相談者が、夫を責めることが抑えられないのは、それがある意味正しいと思っているからなのです。
確かに、浮気をする夫は、間違っていて、浮気をされた妻は、少なくとも夫よりは正しいと思っています。

だから、こういう相談を受ける時、相談者の妻は「私も妻として至らなかった点はあるんですけれどね」と冒頭に言われ、
でも、夫のした事が許せないと言われます。
つまり、妻が至らなかった点に比べて、圧倒的に夫のしでかした悪事は、妻の悪かった点の何倍もであるという事です。
そして、夫と妻は 正誤を巡って日々、ジャッジを繰り返してしまうのです。

正誤のボリュームを比べても仕方がない。
私はそう思います。

正しい方が、間違った方を許せない・・・・そういう考え方は、正しいほうが裁判官の様な立ち場になりがちです。
そして、許すか、許さないかを、正しい方が決めるとなると、それはもう正しい方が立ち位置が上になってしまうのです。

男性という生き物は、余程、大きな心を持ってない限り、女性が夫を上から目線で見る事を喜びません。
だから、例え自分が悪い事をしていても、許しを請う事はしません。

それを、妻の方が、許す、許さないの論点に立つと、「だったら、許して貰わなくてもいい」と開き直るのが男性というものです。

もっと言えば、もし本当に浮気が終っていたら、許すとか、許さないという論点に、蒸し返されません。
本当に終ったことなら、恐らく、妻は夫を受け入れてます。
妻も、ある意味、原因を作った反省も生まれているのです。本当に夫の浮気が終っていたら、妻は怒りよりも、夫が自分の下に帰ってきてくれたと、嬉しいものですし、妻も自分を反省して、浮気をした夫も、よくないけれど、子育てが忙しかったとは言え、夫の心をあまりにも考えて来なかった、と夫の心に同情心も生まれるのです。
それなのに、依然として 許す、許さないという論点にいるのは、蒸し返しになるので、夫婦が修復しようという入り口にたってないという事です。

許すという言葉の中には「寛容」という意味があります。
寛大な心で、受け入れる・・・・・これが許すという事です。

それでも、夫婦がやり直す事に、けじめという名を借りた「謝らせたい」という妻の意地があるのです。
いつまでも、怒りが残るというのは、やはり妻の性格によるものも大きい。

夫に浮気をされて、それでも、恵比須顔で、許しなさいとは言いません。
でも「許す、許さない」。「正しい、間違い」が物差しになるなら、いつまでも解決なんてしません。
男性は、間違っている事を認めないのは、夫にも意地があるのです。
妻にも、こんな浮気をされた事は、謝ってもらわないと、前に進めないという意地があります。

そうです、ここで、またもや、意地と意地とのぶつかり合い。
そんな事をしているうちは、いつまで経っても、修復なんて出来ませんし、私にすれば、相談者に対して
「本当に解決したいと思っているの?」と聞きたくなります。

解決はしたいけれど、自分が夫を責め続ける事を、どうしても止められない・・・・
この気持ちも解ります。
でも、自分がどうしても止められない部分がある。
しかし、夫には、変わって欲しい。
そういう風に望むのは自分は変われないのに、夫には変わって欲しいと言っているのと同じです。

言ってる事と、やっている事が矛盾する・・・・同じとは言いませんが、二人は言い換えれば、似た者同士です。
そこから、共感性が生まれるのに、貴女は夫を処罰することばかりを考えている。

それでは対立姿勢が続くだけです。

夫に浮気をされ、傷ついた妻の気持ちはよく解ります

それで、別れたいなら、話は簡単です。
弁護士のところに行って、法律的な、権利を主張して、色んな取り分を親権も含め決めればいいのです。

でも、貴女は、貴女を傷つけた夫と、これからも一緒にやって行きたいのです。
そこに対して、その夫をやっつける事しか、方法がないというのは、あまりにも知恵がない。

かといって、夫にひれ伏して、降参しろとも思いません。

でも、こうして、やっつけるか、白旗かという勝つか負けるかという、「ジャッジ」をしながら
その仇の夫と、仲良くしていきたいという風に思っている矛盾に気付いて下さい。

まずは、矛盾のループを解きほぐしましょう。
そして自己矛盾に気付きましょう。
その上で、夫も同じ、いい加減な人間なのだと、共感性を持ちましょう。

夫婦修復の入り口は、そこから始まります。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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