「未来を知りたければ、後ろを振り向け、未来の答えは過去にある」
よく相談者から質問される言葉に下記があります。
「夫の不倫を乗り越えて、修復が出来た夫婦って、多いですか?」
と、問われます。
この質問の意図するものは下記だと思います。
1、このカウンセラーは修復させる能力があるのか?
2、実際修復が出来た夫婦は、その後、どうなって行くのでしょうか?
3、また修復を目指しても、結局無駄な夫婦っていますか?
4、今の問題を解決させても、また浮気は繰り返されませんか?
5、私の夫は、妻の私が耐える価値のある人間か?
だいたいこんな感じの意図で質問されているのだと思います。
つまり、解りやすく言えば、耐える事が良いのか?離婚をした方がいいのか?
どちらか教えて欲しいと言う事でしょうか。
でもこのように質問をする妻に限って、夫の不倫に耐えかねて、離婚した方が、いっそ気持ちが楽になれるのでは、と内心考えています。
しかし、離婚をした方が楽になるのでは、と考える妻ほど、現実を受け止めきれずに、現状から逃げたいというタイプの妻です。
このタイプの妻は、ある意味、苦労知らずで結婚生活を送って来た方が多く、言わば初めての体験です。
夫から、初めて裏切られて、本当に傷ついていて、そこから抜け出したいというより、そこから逃げたいタイプです。
従って、「逃げ」で選んだ離婚は、離婚後逞しく、生活できるとは思えません。
妻は、裏切られる辛さから、夫に離婚を告げると、本気の浮気をした場合、夫への決別宣言は、夫にとって渡りに船になってしまいます。
浮気をしている自覚のある夫は、自分から離婚を言いだす訳にはいかない。
つまり、有責配偶者からは離婚を言い出せないけれど、妻が夫に三下り半を言い渡せば、それは夫にとって、妻が匙を投げた事になります。
要は、妻の方が離婚を望んだのだ、という話に、すり替えられてしまうのです。
夫からは離婚は言い出せないけれど、妻が離婚を望んだのだ、という理屈にすり替えられてしまうのです。そうなれば夫婦は一気に離婚へと話が進んでしまいます。
妻が常日頃、夫婦喧嘩の度に離婚だと言っていると、夫には免疫が出来てしまいます。
何なら、その免疫が夫を強くしてしまいます。
つまり、妻にすれば、浮気したら離婚よ、というのが、新婚の頃なら、可愛いやきもちのように聞こえますが、常日頃になると、夫への脅かしになってしまいます。
その脅かしが功を奏して、夫の浮気の予防注射になればいいのですが、逆に、その脅かしが
夫へ離婚を意識させる事になってしまうと非常に残念な事になります。
そして、妻の言葉を気にしつつも、本当に浮気をしてしまうと、妻の離婚宣言が、夫には離婚の背中を押してしまう事になってしまいます。
これまでも、何度かコラムで書いてきたことですが、最初から離婚を意識して浮気をする夫はいません。
しかし、残念ながら、そういうチャンスに恵まれると、男性は、自分を抑える事が出来る人は殆どいません。
古い言い回しですが「据え膳くわぬは男の恥」なのです。
もっと言えば、江戸時代の古い言葉で、「一盗二婢三妾四妓五妻」というワードがあります。俗にいう男性が喜ぶ女性のランキングですが、下品である事には違いないのですが、そういう物だという仕方なさを感じます。
*読み方は「いっとう、にひ、さんしょう、しぎ、ごさい」
*一盗は、人の女房を盗み食いすること。いまでいえば不倫であろう。ばれはしないかというスリルもあって、快感もまさるのだろうか。
*二婢は、下女など奉公人の女に手を出すこと。現在の感覚で言えば、上司がその職権を濫用して、部下の女子社員を強引にものにするようなものだろうか。セクハラにあたる。
*三妾は、言うまでもあるまい。しかし、妾という表現はいかにも古い。いまでいえば愛人だろうか。
*四妓は、遊女や芸者など。現在でいえば風俗嬢だろうか。
*五妻も、言うまでもあるまい。
それにしても、妻が最下位である。納得する男がいるいっぽうで、憤然とする女もいるであろう。
(永井 義男氏の文書を引用しました。)
古今東西、男性とはそういう生き物の様ですが、妻が居ても、家族が居ても、妻以外の女性に、気を取られる物なのです。
しかし、一般的に妻の考えは「家族が居ながら、浮気をするなんて」という考えですから、そこで、お互いの主張がすれ違ってきます。
もちろん、夫は自分の浮気を表面的には主張はしませんが、根本的に互いの主張が違うと言う事を知って下さい。
世の夫は一生の内で、8割がたが浮気を経験するという統計があります。
しかし、それが妻の知れるところになり、大問題になるのは、その内の少数。
つまり、ある程度の段階で浮気を終わらせるか、潮時で止める夫も少なくないのです。
その間、家庭や家族には分からない様に実行するので、妻が知らない内に、浮気をはじめ、浮気を終わらせているのです。
でも、中にはその妻の知らないと言う事を、夫は妻の鈍感さにあきれる事もあります。
要するに、「そんなに夫の心の行方を気づかないのか?」と、浮気期間が長くなれば、逆に妻の愛情の無さを嘆く結果にもなり、その浮気が本気へと変わって行きます。
こうなってから、大騒ぎしても、後の祭りの事もありますから、適当にやきもちを焼き、適当に、夫のオイタに気づくくらいの愛情は持ってあげて欲しいと思います。
それまで全く気付かなかったのに、夫が離婚を決意してやっと、夫の浮気に気づいて、「離婚するわよ」と、妻が言うと夫は、自分から言い出す手間が省けた、となる場合もあります。
そして当方に相談をして下さる相談者は、先のような質問をされるのです。
その上で、大問題になった後、夫婦はどうなるかと問われますが、それも、それぞれとしか言えないです。
夫の不倫を乗り越えた夫婦もいれば、離婚になった夫婦もいます。
例えば、乗り越えたと一言で、言っても、その後、夫婦が元のさやに落ち着いたケースもあれば、それをきっかけに、仮面夫婦になり、かろうじて家族という形を保っているケースもあります。
しかし、殆どが、妻の涙ぐましい忍耐で乗り越えている事には違いがありません。
それなのに、妻の関心は、離婚をした方がいいか、しない方がいいか?と質問されますが、私がこれまで見て来た実例では、本当に離婚をする夫婦は、私のような者に質問などせず、さっさと自分で決めて離婚を選びます。
人に聞かないと分からない妻は、私からすれば、どこまで行っても離婚の決意は出来ない人と感じます。
そして、私見ではありますが、離婚した方がいっそ、楽だと考える妻は、離婚後に待ち受けている本当の苦労とか、本当の孤独を、イメージできない人が多い。
確かに、夫婦で居る時の裏切られるのは、苦しいけれど、母子家庭になって味わう苦労はもっとしんどいものです。
裏切りとは異質のものかもしれませんが、経験者の私が言いますが、女手一つで、生きて行くのも、しんどいですよ。
離婚はいつでもできます。
ちょっと、夫に裏切られたからって、離婚を口にすると、浮気相手の女性に夫を持っていかれてしまいます。
貴女にとってあなたを裏切った夫は憎いかもしれませんが、そんなに気前よく浮気相手にくれてやってもいいのでしょうか?
貴女が夫を手放すと、浮気相手の女性と仲よく、手に手をとって暮らし始めますよ。
私なら、家庭に呼び戻し懲らしめてやります。
懺悔の日々を送らせて、やけどをするほど、お灸をすえてやります。
簡単に手放してなるものか・・・・
あ~~~怖っ。
でもね、本当の事を言うと、夫とつながっている赤い糸を、妻の貴女が手放してどうするの?という事です。
首の皮一枚でもいいから、夫を手放さなければ、もしかしたら、将来、また夫婦が元のさやに納まる事も出来るのです。
貴女が短気に離婚だと言うと、元のさやに戻れるチャンスも全て、何もかも失うのです。
見捨てたらいけないなあ。
ペットのワンちゃんなら、してはいけない遊びをしても、貴女はワンちゃんを捨てますか
?根気強く、教育しませんか?
真人間とは言いませんが、そこから教育をしませんか?
私なら、オイタをしたペットと同じと考え、夫をもう一度教育し直します。
それがペットへの愛ですが、もしかしたら、妻の貴女が、一番傷ついて辛いから、離婚だというなら、それは、妻の貴女が一番愛しているのは、夫ではなく、自分なのです。
これ以上苦しむのは怖くて仕方がないのです。
離婚宣言は自己愛の塊だと言う事に気づきましょう。
そして、そんな怖がりは、離婚して一人で生きて行く強さは、もっと無いのです。
そんな強がりと、弱虫の宣言する離婚は、上手く行きません。
離婚を避けても、苦しみは、直ぐには消えません。でも離婚をしても苦しいものです。
それなら、もう少し、諦めずに結婚生活を踏ん張ってみましょう。
本当の貴女の本音は、離婚をしたくないと言う事だと、顔に書いていますよ。
では今日はここまで。