愛情のケチ
単なる分からず屋になっていませんか?
突き放したような言い方ですが、相談者に「物分りの悪さ」を、感じる事がよくあります。
でも、そこが本人にとれば、物分りが悪いというより受け入れがたい部分なのだと思います。
当方へ相談に来られる方は、たいてい夫婦の危機を感じて来られます。
中には妻に対して離婚を要求している夫もいます。
それは夫婦で言えば危険信号が点滅している状態ですから、離婚を阻止しようと思えば、
何が何でも、髪の毛振り乱して取り組むしかない段階です
にも関わらず、相談に入る前に、「これからどうなりたいですか?」と聞くと、「夫婦共白髪で仲良く暮らしたい」と言われます。
現実と、妻の希望とに距離が開きすぎていて、「夢の理想郷」まで、飛躍するのです。
では、夫婦仲よくやり直す為に何が、どうなれば、それが叶いますか?と聞くと、
「夫が浮気相手と別れて、お金使いを改めて、家族中心の生活をしてくれる事」と言います。
おお~!!
確かに仰る事は、夫婦の課題であると思います。
でも、そんな沢山の改善なんて、これまで、出来てこれないご夫婦だから、今の現状があるのだとしたら、今の段階でその課題を求めるのは手遅れというもの。
この手遅れと言うワードを使うのは、勇気が要ります。
でも、諦める事ができれば、別の課題に取り組めます。
これはいつまでも出来ない希望を夢のように持ち続けるのではなく、出来ない高望みは止めようという考え方です。
そもそも、夫が変わってくれたら、という希望こそが他力本願で、それが叶うなら、苦労はいらない。
その前に、そういう希望を抱きながら、何年も、叶わずに断念してきたというなら、しっかり現実を見て、ご主人が変わってくれたら・・・・という希望はシフトチェンジした方がいいのです。
つまりあなたが「宝くじが当たったら、こんな家が欲しい」と夢を見ているのと同じ。
宝くじのあたる確率より、専業主婦なら、貴女も働いた方が、早く頭金は溜まるというもの。
少しでも、お金がたまると、希望の家の選択肢が広がります。
つまり、当たりもしない宝くじに願を賭けるより、現実的な自宅購入の資金を準備する考えるほうが、手っ取りはやいのです。
こういう考え方をすると、見果てぬ夢に失望するより、夢を見ずに、現実的対策を取れるのです。
いいですか?
私のところに来られた時点で、ご主人への期待は、何年も裏切られた実績があるのです。
そのご主人に、変わってもらうなんて至難の業。
そういう事ができるなら、これまでにも出来たはず。
それが出来てこなかったとご主人を、何とか変えたいと思う気持ちはわかりますが、人が変わることなんて、中々出来るものじゃありません。
それを、色んな相談所を渡り歩けば何か、活気的な方法があるかも?と思うのは、現実逃避に等しいのです。
もちろん、もっと時間を掛けて、夫婦のことを観察して、研究したら、何か良い方法が見つかるかもしれませんが、あなた達夫婦は、そんな長い時間を掛けて、修復に取り組むという事は難しく、離婚の危機さえあるとなると、もうそんな漢方薬で治すようなのんびりした事は言ってられないのです。
これまでも、言って来たことですが、問題が発生したときに、その原因を探す人がいます。
その結果、原因が分かったら、また、その原因になる事の発生を恨みます。
これは例えば、交通事故などを例に挙げると分かる話です。
自分が真面目に運転をしていて事故に見舞われたら、それは対向車の故障以外で、考えられるのは交通法規を守らなかったことかもしれません。
どちらがどのくらい、法通法規を守っていなかったかは、現場検証で明らかに出来ます。
しかし、現場検証で明らかにしても、もし、後遺症等が残った場合は、何故そんな事故に自分が遭ってしまったか、運命を呪います。
そして、普段どうりの生活が出来ない場合は、何故こんなことになったのか?「何故何故?」
と、嘆きます。
つまり何故何故は、問題解明の「何故」ではなく、「自分が不幸に見舞われるのは何故」という事への疑問視なのです。
これは言い変えれば、納得がいかない事への「何故?」であり、不満であると言えます。
でも、生活習慣などから引き起こした病気なら、悪習慣を変えればいいのですが、納得できない事故などに、いつまでも「何故何故」と問うたところで、それは現実を受け入れられない「嘆き」でしかないのです。
今、あなたが少しでも、前に進めることを望んでいるなら、今を嘆いているだけでは、そこに留まってしまいます。
一歩でも前進したいのなら、もう原因が分かった後は、前に進むしかありません。
つまり、伴侶に代わって貰わなければ、問題が解決しないのなら、それは相手任せになります。
そんなに夫に人生を委ねてはいけません。
自分の人生は自分で切り開きましょう。
貴女の夫が変わるのを待っていたら、それは今までの繰り返しでしかありません。
身も蓋もない言い方ですが、貴女のご主人がこれまで、何度言っても変わって来なかったとしたら、それは変わる必要がないと思っているか、その努力をしていないかどちらかです。
ですから、あまり何度もチャレンジしても変わって来なかったのなら、一旦は立ち止まってみるべきなのです。
その上で、一度、違う方向からのチャレンジしてみて下さい。
それの何が適当かは、人それぞれですが、これまでの方法と逆の方法にトライしてみてください。
よく人は「様子を見る」と言いますが、様子を見るというのは、見た後に何も変わりが無いなら、「時間の経過だけでは改善しない事」という種類の話かもしれません。
だったら、次は具体的変化が必要なのかもしれません。
要するに、色々やってみないといけないのです。
変わってもくれない夫に、何年も、ただお祈りするように「変われ!!」って願っても、
それは呪文を唱えてるに過ぎません。
相手に変わってもらうことを諦めたら、きっと違う世界が見えるはずです。
貴女はまだ、そんなに、チャレンジをしていないのです。
色々やってみましょう。
喧嘩になりやすいワードがあるなら、その言葉は避けましょう。
夫が家の中の事に文句を言うなら、一度、ちょっと言うとおりのことをやってみましょう
そうして、何通りか試してみた後でも、新たな文句を夫が言う場合は、きっと、本当の問題はそこではないのだと思います。
今、お教えしているのは消去法の話です。
色々な疑いを排除してみて、それでも問題が残るなら、排除した中には答えがないのかもしれません。全てを取り除いた後に本当の答えがくっきり浮かび上がることもあります。
何故何故と留まるより、何でも考えられる事は一度、試してください。その上で、何も変化しなかったら、そこで、もう一度、相談に来てください。
そして問題をシンプルにそぎ落とす考え方が必要です。
では、今日はここまで。