「未来を知りたければ、後ろを振り向け、未来の答えは過去にある」
例えば夫の浮気を見つけて、別れさせるべく、相手に電話なりでコンタクトを取る妻がいます。
これは正直、とても気が強い妻だと思いますが、たいていは夫の浮気を知った時点で、崩れ落ちそうになるし、私なんて、膝から下がガクガク震えていました。
そして弱い自分を知っているから、浮気相手と私が会って抗議なんて考えられなかった。
何故なら、浮気相手を見てしまうと、実像が脳裏に焼け付いて、話すのも、声が耳に残り、憎悪の気持ちに自分が苦しむと思いました。
そんな事で、写真にしろ、相手の顔を見てしまうと、終わりだ、電話にしろ、声を聞くと、相手を憎むだけの自分に、成り下がりたくないと意地でも踏ん張りました。
要は、本当は気が弱いのです。
それなのに、夫と面と向かい、話し合い、夫のスマホから、浮気相手に電話をかけるなんて、根性あるな~と思います。
でもね、考えようによっては、それほど、怒っているのかもしれませんが、それ以上に、冷静を欠いているという事です。
相手に直接話をして、別れさせるなんて、本当は一番、難しいことなのに、それでも話さずにはいられないという事は、「ひと言いってやりたい」という気持ちが勝ちすぎます。
つまり、そこには、戦略も戦術もない。
ただ、怒っている事をぶつけるだけで終ってしまいます。
その意味で、直談判はあまり、効果的ではありませんし、「とにかく、腹が立った」という事では、夫の浮気を終らせる事はできません。
つまり、貴女の本当の目的を、胸に手を当てて、冷静に考えて下さい。
やっぱり、浮気をやめて、夫を家庭に戻したいという事だと思います。
そうなると、憤りをぶつけても、相手も意地になります。
ただ、日にちをかけると、ご主人と女性が、二人で知恵を付けてしまいますので、なるべく早く対処しなければならない事は、最低条件です。
要は、何が言いたいかと言うと、顔を見たり、話し合ったりは、夫にだけに言える事ではなく、浮気相手にも言える事なのです。
そこで、何が間違っているかと、いうと、早急な手立てとしては考え方は合っていますが、手段が間違っています。
別れさせる事は、ある意味「交渉」です。
交渉と書くと、感情のままでやり取りが上手く行くはずがない。
貴女が選んだ手段は、自分で自分の首を絞める事になりますから、そこを一旦踏みとどまらず、流れで、相手に電話で、別れなさいと言ってしまう事は、夫からも恨みしか買わないという事になります。
そこで、夫とも偽りの仮面夫婦になり、やはり水面下で浮気が続く事になり、
結局、別れてなかった、と私の所に駆け込んで来られます。
その頃には、夫婦仲は最悪になり、夫からも冷たい視線しか受けなくなります。
その結果、妻は敗北感の塊になります。色々な提案をしても、勇気は皆無です。
相談者「そんな事をしたら、夫との関係は益々、悪化しませんか?」
村越「そりゃぁ、あんたや!」
と、思わず関西弁のツッコミを入れたくなります。
相談者はこれからの対策に、ネガティブなイメージしか湧かないと言われますが、実は私がこれまで関わってきた中で、別れ作業をしたから、夫婦が離婚に至ったという話は聞きません。
本当に離婚になった夫婦の特徴は、2種類。
本当にダメになっちゃった夫婦は、事実に眼を瞑り、先延ばしばかりして何もしなかった夫婦です。
そして、もう1種類の離婚に至ったケースは、浮気問題を終らせる方法を、感情に任せて、イケイケドンドンで突き進んだ妻が、最後の敗北感で、途中で大人しく手を引いてしまった場合です。
このどちらともが中途半端。
同じ手がけるなら、最初から計画性を持ってやらないと、感情任せで上手く行くことなんて、何もありません。
だから、最後の駆け込み寺のように訪れた、当方のアドバイスで、夫婦がだめになるのではないのです。
それ以前の問題で、ダメになる為の絨毯を妻が敷き詰めすぎたという事。
間違った下地を自分で敷いた後、最後のワンポイントだけで、夫婦が破綻するなんてありません。
だから、そこまでの段階になっていると、何かをしたら、問題が悪化するのではなく、やり方を間違えて進んだ結果、最悪の状態を生み出してしまった、という事を、皆さん、知りません。
こんな風に書いたら、「じゃ、どうすりゃいいのよ、早く教えてよ、プンプン!」ってお怒りの声が聞こえてきます。
じゃ逆に、私も聞きたい。
「私(村越)に何を求めるの?」・・・です。
どこから、手伝わしてくれるの?・・・です。
つまり最後のボタンを押してしまってから、駆け込み寺に来て、私が手伝える余地くらいは、空けておいて欲しいのです。
そういう自分の言動・・・自分のステージに気付いてほしいのです。
それさえ、自覚があるなら、何とかなります。
あなたがもし、家を建てるなら、大工さんを雇わず、自分で建てますか?
最初、素人さんが、自己流で、足場を組み、建築工事を進めていき完成間際になり、家がぐらぐらして来ました・・・・・どうしましょう?という訴えです。
どうせ家を建てるなら、基礎工事の土台から、プロの大工を使ってよ、と思います。
でも、行きがかり上、自分で、出来るかな?と思い、家をDIYで建て始めたら、途中で、上手く行かなくなってきた・・・・・・
となると、ちゃんとした家が建つように、やり直すなら、あなたのDIYの上に建てるのは危険なのです。
何故なら、家の基礎工事で、コンクリートで土台がしっかりしてないところに、いくら、補強をしても
無理なのです。
あなたが、途中で、ほったらかした土台の上に、しっかりしたものは建ちません。
だから、工事はやり直し。
でも 家を建てるとひと言で言っても、建てるそれぞれの環境によって、用いる技術は違います。
広々とした平坦な土地に建てるのと、傾斜のある山場に建てるのは、条件も違います。
だから、土台から、設計図を描かせて下さいよ~
貴女が書いた素人設計図の上に 私が上書きするのは無理です。
なるべく、貴女の手垢が付かないうちに、私という師匠の意見を聞きに来てよ、という感じです。
手遅れと、無下に切捨てはしませんが、早いに越した事はありません。
なるべく早く、新たな設計図を描きましょう。
貴女の今が、良い結果でないなら、それは、貴女の方法が間違っているかもしれないのです。
でも、そんな風に言うと、貴女は「こんなに苦しんでいる私が悪いの?」とダメだしに感じるようではいけません。
いちいち、プライドで、物を考えるのもよくない。
そもそも、浮気相手に、直接、直談判をする人は、浮気問題そのものよりも、妻というプライドを傷つけられた事への怒りなのですから。
プライドなんて、何の役にも立ちません。
始末が悪いのが、プライドが先行する人です。
夫婦に溝を作っているのは、そのプライドが邪魔をしているのかもしれません。
では、今日はここまで。