小倉優子さん「騙すならばれないように」
ワイドショーでは亡くなった樹木希林さんの事を悼んでいます。
また、絶対に引き合いに出されるのは、夫の裕也さん。
そして最後の締めくくりは
「希林さんは裕也さんを愛していたんですね」となります。
何なら、ある男性の司会者は、2年前、夫婦が一緒にテレビに出た映像を見て「仲はよさそうなのに何故、裕也さんを愛していながら、一緒に暮らさなかったのか」と言われていました。
死人に口無しで、あまりもう、外野が好きなことを言うのは止めましょう。
そして希林さんの生きた功績を夫婦のことだけで語るのは止めて欲しい。
希林さんには、娘を産み育て、そこには家庭が生まれ、孫も出来た。
その孫のおじいちゃんという位置づけで裕也さんを大事にすることも、円滑な人間関係の為には必要でしょう。
男性を立てるという意味では、希林さんはそれくらいは演技できるでしょう。
本当に夫を愛していたかどうか、それは簡単に人が見て語れるものではありません。
子育てをしている最中、子供が熱を出しても、病院のひとつも連れて行ってくれたことのない夫。
何なら、くだらない女性事件で犯罪さえ起し、警察沙汰になったこともありました。
ひとつ間違えば前科者の子供になったのかもしれません。当時は、きっと憎しみしかなかったかもしれません。
それらのことを、歯を食いしばり、乗り越えてきた結果、達観する心の大きさを身につけ、「許す」という大きな心を持つことが出来たのです。
子供の為、孫の為、そして家庭の為。
そんな苦労を長年味わいながら、耐えてきた希林さんを、最後に「夫への愛」などという、ジャラジャラした結論で、落ち着かせないでほしい。
あまり苦労をしてきたことのない人は、本当の苦労を知りません。
愛と憎しみは表裏一体。
時には、人には言えない苦しみを抱いたと思いますが、それを乗り越えてきて、あっけらかんと話すことが出来るようになっただけです。
そのあっけらかんとして点だけ人が見て、夫への愛と結論付けるのは、単一思考過ぎます。
人の人生の締めくくりを、男と女の愛だけで片付けないでほしい。
私は多分、希林さんは、自分が産み育てた娘さんから、脈々と続く家族を一番に考えたのだと思います。
男と女の世界だけの話ではない。
あまりに裕也さんを美談にするのも止めましょう。
やはりやってきた事はろくでもないことです。
でも、そんな男を選んだのも妻である自分。
アホな男すらも いち家族と、ひっくるめて考え、みんなを面倒見た懐の大きな女性だと思います。
人生を彩るのは、「惚れた晴れたの色事」だけではないのです。
では今日はここまで。