テクニックに拘わるな。

村越真里子

村越真里子

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

今日のテーマはテクニックだけに拘っていませんか?という内容です。
この度、個別の相談を少し休止すると発表してから、完全に停止するまでにという駆け込みでの相談が逆に増えています。
当方の事務所がある大阪市北区という所に、少し前に閉店した靴屋さんが、店に「もうあかん、店、閉めます」大きな垂れ幕をして急いで過去圏で来るというおお客様を狙った、「閉店セール商法」のやり方で何十年も商売をした靴屋のようだと、我ながら思います。
あ、でも私のは、閉店セール告知ではなく、より相談者様に有力な情報をお伝えする仕組みを作るための
改善ですから、お客様を焦らせる商法?とは違いますから、ご安心を。

でも、相談者の中には、これまで2年間コラム読み物として読んできて、個別相談を辞めると知り、慌てて相談に来られる方もいます。
逆に2年間もよく、読んで下さったと感謝しますが、その間何も夫婦の形が変わらなかったのだろうか心配になります。

さて、そういう駆け込み相談の方の中に、夫婦修復のテクニックだけを求めて来られる方がいます。
これまで、夫の不倫に手さぐりでご自身で戦って来たが、果たしてそれでよかったのか?確認をしたいと来られるのですが、実際に求めているのは、「あと一歩何をしたらいいか教えて欲しい」というものです。
この「あと一歩」と言うのが味噌なのですが、こういうタイプは、私が何を言っても、恐らく自分のしたいことはすでに決まっているのです。

あれこれ頭の中で台本を書き、その中でどうしても、相手と別れさせるという点だけが、自分の想像出来ない部分なので、その部分だけを教えて欲しいと、来られるのです。
でも、こういう浮気相手と別れさせる方法は、そんな部分的なパーツではないのです。
もう少し、ち密な計算も必要ですし、むしろ最初から、計算式を組み立て直さないといけないのに、もう急いでいるものだから、そういう相談者は、自分の計算式だけで行こうとしている事に気が付いてない。

30+70は100 です。
今日はこの数式をたとえ話に使いたいと思います。

相談者は30+70までは決めていて、その上で、答えが本当に100だろうかと聞きに来ているのですが、いやいやいや、そりゃもう100しかないでしょう、というのが私の回答です。
つまり 相談者は30は最初から決めていて、70を足すこともゆるぎないと決めている。
その上で 100になるかどうか、心配だというのです。
もし100が、100%の100だとしたら、100にならないと相談者にはゴールではないのです。
しかし、もし100%を望むのであれば、20+80でも100にはなります。60+40でも100にはなります。
どんな過程をたどっても、100にさえなればいいなら、どんな計算式でもいいはずですが、相談者は、
たどる過程を決めているのです。
そこで登場する数字は、30であり、70なのです。
これは、もう私に聞くまでもなく、答えは100しかないのですが、これが不安だとか確認したいと来られるのですが、相談者の本当の不安は、30でいいか?70でいいか?という事です。

回りくどい言い方で分かりにくいとは思いますので、もう少し具体的に言いますと、夫の不倫を止めさせるには、自分では、相手に内容証明を突き付けて、二度と付き合わないと約束を紙に書かせ、それで不倫を終わらせたいと、もう綿密なスケジュールを立てているのです。
でも、最後に不安が残るのは、「そう上手くいくのか?」という事ですので、あと少し、何かを足したいというのが本音で、それをした結果を120%にし、完全なものにしたいので、あと20%は何かと尋ねられます。それが私のところに来られる本当の理由です。
でも、私が見てみると、やりたい30の事や足したい70も、実は危うい事ばかりで、そんなに順調に30と70を足して「ハイ、終わり」とならないと考えても、もうその相談者はネット情報で、安直な知識を得て、自信たっぷりなのです。
そこに、30も70も間違っているかも?と教えても、もう心が動かないのです。

よく言うじゃないですか。
人に相談するときには。もう答えは自分で決めている・・・というあれです。

自分のやりたい事を決めているというのは、心丈夫な事ではありますが、この強いタイプは頑固で人のいう事を聞きません。
もう、すべて自分で決め、ある意味自分の知識に自信を持っているので、人に相談するときは、ちょっとだけおまけの部分なのです。
しかし、私が、物事が上手く進む為を考えると、30とか70というネット情報を一旦、頭から消し去り
新たな計算式を考えてみようと提案しても、頑として動かないのです。

相談に来るという事自身、「迷い」と考える人が多く、また迷うくらいだから、心が弱いとはイコールではありません。
強い人だって未知の世界には迷います。
だから未知なら未知で、固定観念を捨てて、ネットの情報も捨てて、自分に合ったパーソナルな方程式を考えないといけないし、その為に、当方の門を叩いたはずなのに、残念ながら、そういう強いタイプは、全部決めていて、それに対して自信を持っています。
こういう風に言うと、「いえいえ、自信なんてなく、迷い、弱っているのです」という反論はあるかもしれませんが、これは自分という己を知らないだけで、こういうタイプは、とても頑固ですし、自分が見たり、決めたりすることに、無意識の世界で自信を持っています。
何故なら、30も70も決めているからです。
決めているという事はある意味、自分の判断の自信の表れということですから、その人が夫の事で胸を痛めていても、だから弱いというのとイコールではありません。

100に答えを持って行きたいなら、1+99でもいいのです。
50+50でもいいのです。
でも、30+70の計算式が正しいか、ではなく、最初から30と70を用いるのが、間違いかもしれないと言っても、こういうケースは、30と70だとネットでは書かれてあり、自分の知った知識はゆるぎないという、無意識の自信。
こういう相談者の場合、もうやりたいことが完全に決まっているので、あと20足して、結果を120%に補強したいと、20%というプラスアルファを求められますが、その20%は何かと言えば、それがテクニックを意味します。
相談者が必要としているのは、あと少しのテクニックを求められています。
しかし テクニックを使いこなすには、その人の腕が必要です。
なんにでも共通して言えるのですが、テクニックだけを教えてもそれを使うための基本訓練が必要です。
その基本ができてないのに、その道具を使いこなせませんが、テクニックとは、それを日ごろから慣れ親しんでいなければなりません。
つまり、本物の日本刀を使ってこなかったのに、日本刀だけを求めるようなものです。
危なっかしくて仕方がない。
せめて そんな危ない道具を求めるなら「神剣白羽どり」くらい鍛錬しなくちゃ。(すいません、よけい話がややこしくなりましたね)

テクニックなんてものは 日ごろから物事の根本が理解できていて、最後にテクニックという技を使うのですが、そもそもが、理解を超えるもののテクニックを耳から聞いただけで、使えるはずがない。

こういう話をし始めると、相談者は、そろそろ席を立とうという気持ちになります。
要は自分の聞きたかった事ではなく、テクニックだけを求めてきたのに、とがっかりされるのでしょうけれど、本当に私がお教えしたかった事は、もっと根本的な事なのです。

何故、相談者が、30とか70に拘るか?
ここは、30と70がしたいという相談者のこだわりです。
では、なぜ、そこに拘るのか?
それをしたがる自分の性格を知らないと、自分の「我」で突き進んでしまいます。
その我が、役に立つ有効なものならばいいのですが、きっとこの先、その我は、災いの元になるのを
私は知っているから、そこを分かって欲しいのですが、相談者は自分のこだわりに気づいていません。

夫の不倫相手をギャフンと言わせてやりたい気持ちは分かります。
妻を苦しめてきて、夫と不倫相手は、何の痛みも負わないのは不公平です。
だから、ひとこと、言ってやりたくて仕方がない。
30や70という数字に置き換えましたがこの30を「浮気相手と夫に謝らせたい」という事に置き換えて下さい。
70という数字を、「直談判」という事に置き換えて下さい。
それに対して 20は「浮気証拠」だとします。

「浮気相手と夫に謝らせたい」+「直談判」+「浮気証拠」

ここまで、もうやることは決まっていて、あと少し、これらを成功させるテクニックを教えて欲しいと言われる方が、とても多いのです。

あなたの悔しさはよくわかります。
ここまで綿密に計画を立てた事はよくわかります。
でも、最後に見えないのは、ここまでして、夫と果たして和やかな暮らしが戻ってくるかという心配ではありませんか?
これを、私は今後、「学び」というレッスンでお伝えしていこうと思っていますが、とりあえず、今駆け込みで相談される方の相談は、お受けしていますが、一回こっきりのカウンセリングで、相談者がご自身の
「内なるもの」に気づくことまでは時間の限界を感じます。
だからある程度の回数を持って、自分に気づいてもらわないと、言うのが今後の取り組みです。

よく言われるのが「先生のコラムでは男性の男心がよく書かれてあるので、夫の本音を教えてほしくて来ました」という事です。
でも夫の本音を知っても、妻は本当の自分を知りません。
本当の自分を知らないと、今後、夫婦が修復しようと思っても妻は自分の気持ちや、口撃を抑えられません。
だから、いくら「先生のコラムを読んで話し合ってはいけませんと書いてありますが、つい話し合いを求めてしまって失敗しました」と、やっちゃいました宣言を下さいます。
これは、自分の性格や癖を知らないから、コントロールの仕方も分からないのが原因です。
だから、今後本当に、夫婦修復を目指すのであれば、夫の本音以上に、自分の本音をコントロールできないといけないのです。
こんな大事な話を「ハウツ―テクニック」の様に、ワンポイントアドバイスを欲しいと言われても困ってしまいます。
でも、本当にテクニックだけを求めに来た人は、私が、「そこじゃなくって・・・・その前に・・・」と話し出すと、「欲しいものだけを求めて来た相談者」は、もう帰り支度。
確かに結果を急ぎ、単刀直入な答えだけが欲しいのはよくわかりますが、本当の解決って、もう少し落ち着いて、全体を見ないといけないのではないですか?
そんな部分だけのパーツを手にいれても、使いこなせる「自分の腕」が育ってないことを気づいてほしいのです。
ですので、今、お電話を頂く方で、そんな急いだ感じを受ける方や、テクニックだけをと求める方は申し訳ないですがお断りしています。
でも、まだ完全に個別相談を打ち切ったわけではありませんので、本気で真剣に何とかしたいと思う方は
どうぞ、遠慮なく、ご相談下さい。
あれ?これも「閉店セール商法」かな?
では、今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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