夫婦、別姓と別財布

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦相性そもそも論

先日のコラムに引き続き、またまたテレビネタです。
私はビッグダディ―の番組はあまり好きではないと書きました。それは大家族の番組を見ていたら辛くなるからです。
でも、今日は その意見をちょっと修正します。
家庭にはそれぞれのスタイルがあり、他人がとやかく言うものではないかもしれませんし、私は大家族で写っている写真を見ると憧れますし、子だくさんと聞くと、微笑ましく思います。
でも、実際私がそれを出来るかというと、限られ収入と限られた家の広さ、そして限られた時間の中での家事の大変さ。
これらを考えると、自分の度量の狭さを感じる事もあり子だくさんの夢は断念せざるを得ないということです。
しかし中には そういう事をやってのけている家族がいて、それをテレビは番組として放映するのですが そんな中、ちょっと違うな、と感じたのは、親の離婚再婚で、子供の数が増え、子供の微妙な気持ちの機微を解ってあげてないと感じるので、ビッグダディ―はあまり好きじゃないな、と書いたのですが、それを撤回したくなったのは別の家族の番組を見たからです。
「石田家」・・・・・・・そこは夫婦がずーっと添い遂げ、みんながその両親の子供です。
確かに子だくさん故の、雑な部分はありますが、それは子だくさんでなくても、どこの家でも、子育てが大変な時期は似たようなもの。
子供が思春期であろうと、受験であろうと、ずーっとお母さんが本気で寄り添いました。
夜遊びをして朝帰りしようが、いけない事はいけないと伝え、その後にご飯を食べさせるのです。

思春期は反抗期でもありますが、反面身体も成長するので、お腹が減るのです。
その時、家にご飯があれば、子供は帰ってきます。
よく、夫の気持ちを掴むのは、胃袋を掴めと言いますが、それは子供も同じ。
特に男の子って、腹減らしの生き物です。
この石田家の子供は、親に反抗しながらも、食事は食べるのです。
そういう意味で、食事って大事だな~って思います。

でも、大人になると、自分のお金で仕事帰りに寄り道もしますし、自分のお腹くらいは満たします。
しかし、これがお小遣い制で、夫の小遣いにも限りがあれば、やはりそれは家で食事をとるでしょう。
そういう意味で、夫婦が別々のお財布で生活しているところは崩壊する可能性が高まります。

共働きで始めた暮らしも、子供が出来て、妻が働けない期間が出来ます。
そんな時にも、夫婦が別財布でという形が変えられないと、夫が自分勝手に小遣いを使います。

まず浮気をするにはお金が要りますから、お小遣いに限りがあると、抑止力にはなります。
それを、お互いが頼りあわないというかっこいいスタイルで、別々の会計でいると、浮気をされて
お金が女性へ流れようと、「うるさい、俺の金をどう使おうが口出すな」になるのです。

この根源にあるのは、実は妻が甘え下手という事があります。
甘えるという言葉に語弊があるかもしれませんが、実は夫を頼れないという構図があります。

例えば家庭でお金が必要になることがあります。
子供の教育に関して、お金を使う必要があっても、ここで夫婦の考えが合わなければ、夫と意見を合わせるよいうより先に、「だったら、私がお金を出せばいいでしょっ!」という風に、親の意見を調整する前に、お金で解決しようとなります。
こうなると、夫を頼るというより、夫からすれば「だったら勝手にしろ」というように決裂します。

つまり妻は夫と問題を調整するより、安易な方法を取ってしまいます。
そうなると妻は夫を頼らなくなるし、夫も自分が参加した子供の教育でないので、どんな結果が出ても、妻が勝手にしたことだから、と家庭への存在価値を、自ら見失います。
そういう事で 私が見てきて思うのは、夫婦が別財布なのは、共働きだからという理由より、本当は妻が夫をうまく操縦できず、甘えたり頼ったりが苦手な妻が多いと解って来ました。

もちろん、夫が妻を甘えさせないというタイプもいますが、妻が甘えられないという事もあります。
そういう意味で 夫婦別財布というのは、夫婦の距離を示している事もあるという事です。

しかし、中には夫が税理士であったり、証券会社の社員であったりすると、妻よりも金銭的な管理は長けている人もいます。
そういう場合は夫が家計を管理するという事はありますが、その場合も充分な生活費を渡してこそ、夫が税理士であるメリットはあります。
でも、これだけで生活しろ、と少額を渡して、自分は贅沢に遊ぶという夫であれば、いざとなったら貯金も独り占めされます。

そういう意味で ディンクスカップルのように生活費はお互い、半々で持ち寄り・・・・という夫婦は
別れる時も、半々でお互いの貯金を持ってでたらいいので、簡単になるのです。
夫に、色仕掛けで甘えなさいとは言っていません。
でも 家族の事に使うお金を、夫と相談してもどうせくれないだろうと最初から、妻が負担すてしまうのは、ある意味、人に頼れない人です。
強気だから、頼れないのか、本当は話し合いが出来ないから、最初から諦めて頼れないのか?
それは夫婦によって、理由はそれぞれですが、夫婦別財布は何もかっこのいいことではなく、
夫や妻をひとくくりの家族として捉えていないとなります。

もし妻の親の介護が必要になり、妻が働けなくなったら、今まで家計に入れていた生活費を入れられなくなります。
そんな時はどうします?
いざとなったら夫は助けてくれると、期待できますか?
妻が出産して休職中も、自分の貯金切り崩し、復職できる時期まで生活費を入れると妻がいますが、本当はこんな時こそ、家計の出し方を切り替えるチャンスです。
何故、無理をして妻が負担をするのか・・・・・・
それが やはり夫と交渉をするのが苦手という事です。
交渉して、気分や雰囲気が悪くなるより、お金で済む問題なら、気イ良くお金を出しておいた方が楽、という考えになります。

とても有り余るくらい、夫が生活費を出してくれている家庭は、妻も出していても、それを貯金にも回せます。
しかし、なんやかんや言いながら、カツカツの生活費しか出してくれない夫は、自分の小遣いをたくさん確保します。
そうなれば、浮気をしやすくなるので、夫は小遣いを足りないくらいの方がちょうどいい。
こんな風にいう私は鬼嫁の要素満載?

でもね、いかにも理解があるように夫の自主性に任せ、夫の小遣いも貯金も知らないというのは
夫を信頼しているというより、逆に夫を頼れないという事なのです。
一見、独立した大人の夫婦に見える別会計。
これは、かっこいい風に見えて、実は夫婦のていを成してない。
昭和を生きてきた私はこんな風に感じます。
夫婦は頼っていいのです。
子供だって、赤の他人の子供を産むわけではないので、夫の子供を産むために、妻の収入の形が変化したら、それを機会に家計や生活費全般、夫を頼って何が悪いですか?

夫婦別姓が通るか、どうか法案も見直されてきつつあります。
でも私は別姓にすると、そこで経済的な事も分離するデメリットも危惧します。
そういう意味では夫婦別姓よりも別会計の方が問題が多いと感じます。
それを自然に、上手くやっている夫婦も当然いるでしょう。
でも私の所に相談に来られる夫婦は問題があるから、自然と問題視してしまいますが
実際に浮気問題とお金の問題は切り離して考えられないと感じている事は事実です。

おっと、また話がずれました。
今日いいたかった事は 大家族でも一生懸命、子供に心を砕いている親もいるという事で
ビッグダディ―を好まないからと言って 大家族の全部が気にいらないということではなく、
子供が反抗期で、カメラマンに突っかかってくる場面もカットせずに流しました。
母ちゃんは体当たりで、とうちゃんにも、違う事は違うと言いました。
それが、例え夫婦喧嘩でも、とにかく相手には伝える努力をしました。
子供も大人も親も、夫婦もみんな本気でぶつかりました。
こんな風に体当たりで真剣に生きている人たちは大好きです。実際
先日の石田家の放送は、涙が止められない内容でした。
だから 大家族イコール、雑な生き方という誤解は解いて下さい。
石田家、とくに父ちゃん、母ちゃん、これからも応援します。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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