浮気の奥には「モテたい願望」

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦相性そもそも論

よく妻の質問に「夫の浮気性は治るでしょうか?」と言われます。
人はそれぞれですから、全部の人に当てはまる答えはないという前置きを言いますが、浮気の種類による と言えます。
例えば 男性でも色々なタイプがいて、昔、私が商売をしていた時に知り合った同じ商売仲間の男性の言葉を借りると、「男にとって事業を成功させるほど楽しいことはない」、とおっしゃっていました。
私は小商いの喫茶店をしていて、近所に同じような商売をしている店主と話すことがありました。
喫茶店という地域に密着して 1店を息長く、保ち続ける人もいれば、1店を始まりとして、チェーン店化する店主もいます。
これはもう,商いの枠を超えて、事業です。同じ喫茶店を経営していても それを事業展開するのは男性に多く、野望を抱くのも男性です。
その基盤には、稼ぐ、という夢がありますが、中には間違った野望を持つ店主もいます。
近所の色んなお店で、繁盛している店もあれば、風前の灯のように、いつ閉めてもおかしくないくらい、閑古鳥が鳴いている店もあります。
そういうお客のいない店が潰れるのは沢山見てきました。
これは確かに予想も出来ましたし、仕方がないな、という納得も行きます。
でも、中には、お客さんも多く、特に商売的に問題がないような店が急に、閉店したりする店があります。
もちろん、オーナーの健康上の問題もあるので この場合は、だいたい後から近所の人から閉店理由を聞くこともあり、
近所付き合いをしていると、閉店理由は分かります。
でも、急に、誰にも告げず、急に閉店する場合は、ギャンブルが絡んでいることを、後々知ることになります。
つまり小商いは、日銭が入るため、ギャンブルに陥りやすいのです。
でもこれがパチンコなどの場合、儲けた日銭を握り締め、店が閉店後に行けば、使える範囲は限定されます。
しかし パチンコはある程度、時間を要しますので、余程店をほったらかしてとか、バイトに任せてパチンコをしない限り、店が潰れるくらいのお金も費やせません。でも中には売上のレジに手を突っ込むだけでは済まず、借金をしてまでパチンコにのめり込む店主は 借金をします。
競馬や競輪も同じで、かさむと商売の売上に手を付け、それで回らなくなり借金になりますが、中には、商売をしていると
美味しい話として、へんな儲け話を持ち込む人もいます。
それは投資や、先物取引、ネットワークビジネスに 一攫千金の儲け話。
こういうおいしい話に飛びついて、お金儲けを企んだ人は、誰にも告げず急に店を閉める人がいます。
流行っていたのに急に閉店した店には こういう背景があるようです。
私の知人は言っていました。
日銭の入る商売は そのこと自身がギャンブルなのだから 絶対にギャンブルはしてはダメ、ということです。
そういう意味で 事業や商売をする人は それだけでギャンブルなので、いらぬ勝負ごとはしないことです。
だから、こういう人の事を 私の知人の男性は、愚かだと言いました。
私はこの言葉を、大きくうなづきながら、聞いていたのを覚えています。
そして、その人の言葉に、こういう言葉もありました。
男にとって、事業を成功させる事ほど、楽しい事はない、と。
それは 女遊びや、浮気や、そんな事には比べ物にならないくらい、至福の喜びだ、と。
でも、「中には、大会社の社長さんや、政治家などは 愛人がいることが当たり前で、成功のご褒美には、まるでセットになっているじゃないですか」と私は質問しました。
その答えは 「それは どこをゴールに持ってくるか、です」というのです。
つまり 政治家になって名声を得たことがゴールなら 時間も持て余し、愛人を持つ余裕も出来るでしょう。
でも、政治家になったからには 政策も達成せず、まだ世直しが出来てない段階で スキャンダラスな愛人活動するのは、その人のゴールがそこだったということです。
会社社長も、事業の成功を、どこに置くか、です。
金銭的な余裕をゴールとするなら お金は時間を生み出す事ができますから、下の者を動かす事ができれば 社長は愛人活動をする時間が出来ます。
しかし、社長自身のゴールをもう少し、高いところに置けば、部下に任せて そんなことをやっている場合じゃありません。
要は、事業ほど、男を奮い立たせ、面白い事はないと感じる人は、浮気なんて、目もくれないのです。
優秀な政治家は、目標を遂げる前に、失脚の可能性のあるような愛人活動で、自分のすべてを失うことの馬鹿らしさを知っています。政治家だって、男ですから 欲望が無いわけではありませんが そこは自分のしたいことと、天秤にかければ仕事を失う事の危険なことには 足を踏み入れません。
ここを顧みず、欲望のために足を踏み入れるのは・・・・・・ギャンブラーです。
本当の 賭け事は自分の事業の中で、いっぱい詰まっています。
そこで 事業を成功させるほどのギャンブルはない、という言葉に繋がるのだと思います。

さ、前おきが長くなりました。
今日のタイトルにある 浮気の奥には「モテたい願望」 についてですが、男性にしろ、女性にしろ、モテたいという願望は誰しもあります。
でも、このモテるという作業には気を引くということから始まり、駆け引きが付きものです。
相手に粉をまいて、下地を作り、押したり引いたりで 相手にフックをかけます。
これが うまく行けば 相手を落とせます。
これが自分の成功体験になり こんな嬉しい事はありません。
相手を落とせるかどうか、これも一つのギャンブルです。
こういうギャンブラーは 買った負けたという成功体験を 数多く集めたい人もいますが たいてい一般人だとそんな沢山の人を
次から次へと、変えるほどの達人はいませんし、一人と始まれば、それは数年続きます。
これがまた 終われば他の人へと移り変わって行く人もいますが 人間段々年をとりますから、若さもモテる要素のひとつとしたら、そういつまでもは、うまく行きません。
と、いうことで、自分のギャンブルを浮気でやっちゃう人と そうでない人の精神構造は、こういう違いがあるということで、浮気がいつ終わるかどうか、浮気性が収まるかどうかは、夫が何を成功体験としている人かという 考察が必要です。
浮気性という病気と、一言で言ってしまえば、それまでですが その本人が 人生で何を大切に考えているか、なのです。

また、モテたいと言うのは 人数の話ではありません。
中には付き合って女性の人数を自慢する男性はいますが そういうおバカさんはちょっと、横に置いておいて、一般的に結婚している男性がモテたいということは 動機であり 浮気はその結果です。
結婚していてモテたいと言ってる段階で その目線は妻じゃないし、家庭に目が向いていない人という事です。
これを 知らずして、浮気をした夫に「家族を大切に、家庭に目を向け、仕事が終われば真面目に帰るべし」と説教しても
夫の関心は家庭にはない人なのです。
こういう、そもそもの夫の体質?性質?を分からないまま、説教しても 糠に釘です。
相談に来られて、夫の浮気は収まりますか?と聞く前に あなたの夫の体質は 妻として分かっていなければ答えられません。
では あなたの夫は何故もてたいのでしょうか?
それは先に書いた、事業の成功のように 自分の成功体験をどこに持っている日とかどうかによります。
成功とは 何も事業のコトばかりではなく、人に褒められたい、認められたいということも成功体験です。
でも 家庭の中で 妻の関心は子供にばかり向いていて、夫の事は 弁当を持たせ、ただ送り出すだけでは 味気ない。
もしかして、大企業で働き、とても大きな仕事を任せられるようなポジションに居る夫なら、色んな所で成功体験を積むことは出来るでしょう。
でも 中には 同僚の女性と浮気をする人は そういう仕事のプロジェクトを組み、同僚と一体となって その仕事を成功させた場合に、成功体験を共有するので、そこから浮気が始まる事があります。
大変な、山や谷を、乗り越えたチームは運命共同体のような勘違いを起こし、パートナーシップは そこに生まれます。
それは 夫婦としての 義務的なパートナーという説教だけでは解決出来ない、身震いをするような体験を仕事で持つと
そういう経験を共有できた仲間と恋に陥るのは いつまでも共通の思い出を共有出来るからです。

でも、家庭は家庭。
何も そんな刺激的な事に 家族が代わりになるはずもないのですが 家庭では 夫としての役割は給料袋だけということになると、夫は 面白くなくなるのです。
まして、男性には女性にはない性欲というのがあって、それが長年、無視されてきた家庭であれば、家族に対しても愛着は湧きません。
成功体験とは 何も仕事にばかりあるわけではありません。
人間は生きている限り、小さい成功体験を積みながら、暮らしているのです。
社会でも仕事でも、学校でも、対人関係でも・・・・・その基盤になる一番小さな核が 夫婦なのです。
その夫婦で 原因が何であれ、あまり長く夫婦の共同作業が長い間、滞ってきたとしたら?言うまでもなく 問題ですよね。

あ、また話が反れました。
あなたの夫がモテたい願望のある人と言うことがわかれば それは誰にモテたいということでしょうか?
その種類によって 浮気が治るものか どうか 分かります。
あなたに対して ご主人が夫婦として続けていこうと考えている人なら、まだ何とかなるかもしれません。
ただ その目線の先が 、概ね、自分より若い女性に向けられているのは当然の事です。
そうなると その目は家庭に向いていないという当たり前の事が見えてきます。
では、何故 妻以外の他の人がいいのでしょうか?
これが 浮気の本当の答えであり、課題であり、永遠のテーマです。
成功体験と一言で言っても、誰しも、大きな事業やプロジェクトの仕事をするわけではないので、小さな事で言うと
褒められるという事です。
子供を褒めて育てると言うことはよく言われることですが 男性は、子供と一緒と よく言うように、褒められることが成功体験の元です。
当然、悪さもいっぱいする男性ですから 褒めることなんて何もないと いわれるかもしれませんが とにかく男性って褒められたい生きものです。
これが 家庭の中で あまりにも無ければ 外に求めるようになるのです。
水商売のホステスは 上手に男性を持ち上げます。
決して くさす事はしません
キャバクラのおねエちゃんも 男性の話に「面白い~」って手を打って笑います。
仕事の部下はアドバイスしたら「先輩~凄~い」って褒めてくれます。
当たり前の話ですが 夫は一歩外に出れば、こういう事が待ち受けています。
もちろん、長年連れ添った妻が 歯の浮くようなお世辞を言うのは無理です。
でも、せめて軽々しく扱うのだけはやめましょうよ。
男性は褒められるのが好きです。
その特性を、無視して、「これまで浮気してきた夫に優しい言葉が言える訳ないじゃないですか」となると妻本人がもう、解決策を手放していることになります。
夫との関係性は悪いままですが、何とか浮気を終わらせたいと言うのは 無理な事。
何故なら 殺伐とした家庭に戻ろうという気は 夫にも起こらないと思うのです。
もちろん夫が浮気をやめて普通に戻ってくれたら 妻も優しい言葉の一つも言えるでしょうけれど、それが
交換条件のように 夫が浮気をやめなければ 妻は変わる事が出来ないというのでは どちらも歩み寄れません。
相手が先に、変わらないと、私は変われないというのなら、いつまでも経っても何も変わりません。
まして夫婦の関係は悪いままで 結婚生活を続け、生活費だけは欲しいということになれば 夫だって、暖かい家庭をどこかに求めたくなります。
私は常々、言っている事があります。
誰が悪いかと言えば 浮気をする夫が一番悪い。
でもそれだからと言って いつまでも 夫が謝って反省し、変わらないと妻が変われないというなら、いつまでたってもラチが飽きません。
どちらが悪い、とかということではなしに ここで仕切り直しをしたいなら 順番は関係なく、相手に委ねず スタートを切るしかないのです。
その上で どうしても、変わりたくないなら 妻は 自分が変われないのに、夫という相手に変わって欲しいと望むのも無理というもの。
たかが浮気。
されど浮気。
あなたの人生を試されているのです。
夫の浮気という許しがたい事実で苦しんでいる妻の苦労を、この際ですから 修行という学びに変えませんか?
貴女が苦しんでいるのは 私が一番よく分かっていますから。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

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Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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