何故何故タイプ

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦カウンセリングについて

何故何故タイプ・・・・・
今日は変なタイトルでしょ。
そうです、聞き慣れないワードでしょ?
実は私が勝手に相談者に感じている事で、ウィキペディアで探しても見つからないはずです。

日頃からご主人の裏切りの理由を知りたくて、私の所のドアをノックされる相談者で、いくら分析をしても、永遠に「分からないという位置」に留まる方が居ます。
これまで、私は一生懸命 その裏切りのメカニズムを説明し、根拠も想像を加え、説明します。
そこでは見えない魔物の正体が見えたと喜んでは下さいます。
でも、しばらくすると、「何故夫は浮気をするのでしょうか?」と また元に戻ってしまいます。
つまり夫が浮気をする理由を知りたいと望みつつ、本当はそこではない、という事なのです。
私は「何故」の意味を聞き違えていたのかもしれません。
意味が分からないのではない。
受け留められないのだという事です。

場違いな例えはお詫びしますが 東日本の大震災は気象庁や、地質学者がいくら地震のメカニズムを説明されます。被災者はそれを知ってもどうにも出来ないのです。
被災者にとれば、どこに火山帯があるとか説明されても、被災後にそれを聞いて、「だから自信が起きた」理由は解っても、どうして自分が被災しなければならないのだ?という事に答えはありません。
天災地災には人間は無力です。
その土地の地盤下に断層が走っていても、誰もが同じ程度の被災とは限りません。
たまたま、そこに旅行に来ていて被災する人もいれば、反対にその日に限って余所の土地に行っていて被災を免れた人もいます。とても天災地災は運が大きく関係しますが 根本的な運を言うとその土地で生まれたという事も運です。
何も、誰も悪くないのです。

それなのに、色んな夫婦カウンセラーが、浮気の原因と解決策解決の方法を下記のように指南します。
「あなたが変わりなさい」
「妻がいつも笑顔でいれば夫は帰って来る」
「居住まいを質して、あなたも綺麗にしていなさい」

こんな事は 高いカウンセリング料金を払って、言って貰わなくても、誰にでも言えますし、別にわざわざ言わなくても どこのホームページにも書いてある事で、こんなことは私でも言えます(あ、私もカウンセラーだった)。
つまり、こんなことぐらいしかいう事が無いという、無策だという事なのです。
決して これた他のカウンセラーの批難ではありません。
現に こういう風に自分への反省を求められ、すっきりする人が愛るのも事実です。
ただ私のことろでは もう充分苦しんだ妻に またなお、努力を強いるのは どうかと思うという事で、
私はそういう事はいいませんし、やはり浮気をした張本人が一番悪いと考えます。
しかし、そうは言っても 相手は変わらないから 自分が変わりましょう、という事ですが私は
この段階で 変わる変わらないの話しではないと考えています。

病院に来た患者にドクターが薬も出さず、精神論を唱えるような物。
こんな精神論ならば 何も検査の必要はありません。誰にでも同じことを言っておけばいいのです。
でも患者さんが受診しに病院に来たのは、その人の病状を診断してもらい、パーソナルな治療法や 薬を処方してもらいたいはずなのです。
しかし、医者は病気にならない生活習慣の話をしているようで すでに病気になった治療法は教えてないという事になります。
でもね、正直に言いますと 医者からすれば その人が病気になった理由をその人の責任にしておいた方が楽なのですが 実はそもそもの体質が大きく関与しているという事は、最初からは言えません。
だから病気になった理由を述べて 気づいて貰おうという訳です。
生活習慣病も、そもそも論で言うと、性格による生活習慣もあります。
キチンとしている性格の人は 家事にも忙しく、ダラダラ寝っころがってお菓子は食べません。
でもそういう性格が宿る身体も親から貰ったもので、性格すらも体質の一つです。
この根本的な事を言ってしまうと 患者を失望させることになるのです。

夫婦問題のカウンセリングも同じような事が言えます。
何故夫が浮気をするの?という答えは 「そういう人だもん」という事になります。
もっと、究極を言うと、「そういう人と結婚したんだもん」、です。
でも 悩みの渦中にある相談者には まさかそんな投げやりな事を言えないので、
家庭では笑顔を絶やさずに・・・なんて 綺麗ごとを・・・あっ、もとい、精神論を言うだけになるのです。
「何故何故?」に答えて行くと 究極は そういう相手を好きになり、結婚をしたという事に尽きます。
相談者の何故何故は 苦しみを与えられた自分へ納得が行ってないのだと思います。
その何故何故は 中身を知りたいのではなく、納得出来ないから、受け入れられないという事が
何故何故と言う言葉になって、出て来ているのだと私は思います。
要するに悲しみが大きすぎて 運命の不条理に疑問を投げ掛けているというのが この「何故何故」なのだと思います。

でもね、人間は「何故何故」と言っている内の方が幸せなのです。
だって、自分の中に理由を落とし込めておらず、自分の外に原因があると思っているという事なのです。
気付いていないという事もあるかもしれませんが、大方の「何故何故タイプ」は、自分側に原因があると考えていません。
「教えて、教えて」と尋ねている内は、本当は自分たち以外、外側に問題があると考えていることの表れです。
ここで一つ言い訳をしておきますが 「夫婦問題はどちらかだけが悪いのではない」と言う教科書のような事を言っているのではありません。もちろん人間関係は 双方の不協和音が作り出すものですから片方だけの責任は問えないというような、当たり前の事を言ってるのではありません。
こと、問題を夫の浮気問題に限って言えば、夫婦の両方が同じ程度に原因があるとは私は思いません。
何故なら 浮気をする根本的な部分は 男性の本能に起因するので それは女性である妻にとっては、不可解というより 違う生き物だという事です。
この本能の部分のお話なのに、精神論を唱えるとカウンセラーが居るとしたら、それは「逃げ」です。
知らないので 精神論に逃げ込んでいるのです。
本能に打ち勝つために精神論を唱えているのではなく 本能に精神は勝てると考えているからなのです。
では 本能だから諦めるしかないのか、と言えば そうではありません。
でも、家を綺麗に整頓したりするのは 夫婦関係の修復ではなく、日常として当たり前の事であり
笑いの絶えない家庭は家族には当たりまえの事ですから これは浮気防止策ではないという事です。
あえて言うなら その精神論は 夫婦が浮気問題を乗り越えた後、お互いが気を付ける点として
妻「私も家事を手抜きして怠慢だったわ」と言って
夫「いやいや、僕こそ仕事を口実に家庭を顧みなかったよ」
妻「これからは私も身ぎれいにし、あなたにもう一度振り向いてもらえるように努力するわ」
夫「僕も君や子供たちを大切にするよ」

と言うような、結婚生活を見直すバイブルにすればいいのであって この生活態度の改善は
夫婦関係の立て直しです。

でも、浮気問題に関わってきた立場から言いますと、妻の生活態度が悪いから、浮気をしたというご主人はあまり居ません。
但し、毎日深夜帰宅の夫に、妻も文句を言いますし、土日の休日出勤がある割には 休日手当は増えないし、休みも返上して仕事は忙しくしている割には 無駄使いの出費も多い。
だから それに不満を募らせ 妻と喧嘩になる。

その結果、夫が口を利かなくなり冷たい関係になる・・・・・
そして浮気が見つかってしまい、その浮気に走った原因は 妻の口撃だという。
これって 後出しじゃんけんのようなもの。

だからこそ、浮気がばれた時の言い訳に、妻の家事の怠慢や 子育てへの価値観の違いという事を夫側がいう事はありますが、実はこれは妻を悪者にして夫は自分を正当化しているだけなのです。
それなのにカウンセラーまで 浮気の解決方法として 「居住まいを質す」という事を言うと、まるで妻が悪いというように、夫と一緒になって妻を悪者にしている事になります。
確かに妻が育児にいっぱいいっぱいで 家事がおろそかになるという事は在りますが それならば、夫が少し、掃除だけでも手伝えば家は片付きます。
それなのに、夫は夜が遅いから手伝えないと いう立派な理由があります。
夫には 怠慢が許されるのに、妻には怠慢は許されない・・・・・
これっておかしくないですか?
これで 夫婦は合わせ鏡。同等だというのは ちょっと無理がありませんか?
もちろん 妻に何の問題がないとは言いません。
でも 夫が浮気をする理由は 他にあるのに 家事や身ぎれいにする事で浮気相手は排除は出来ないのです。
何故なら 浮気相手は恐らく妻より若くてピチピチしてます。家事や育児をする時間を、髪の毛を巻いたり、ネイルの時間に充てられます。
ちょっとショックかもしれませんが 妻がそんな勝負を張っても、勝てない。
土俵はそこではないのです。
つまり居住まいを質す事は 浮気防止にはなっても
すでに始まっている浮気相手の排除にはならないという事です。

ここを知らないカウンセラーが 生活態度の改善というような事を言うのですが、逆を言えばこれって妻を責める事になっていませんか?

確かに、私も妻の立場だった事はありましたから、元夫が他の女性に目が行く原因が 私になかったとは言いません。
子育てに髪の毛を振り乱すときもありましたし、ストレスと言って好き放題に飲んだり食べたりという自堕落な事は在りました。
だから決して私自身も褒められた妻ではなかったと思いますが ここが一番の理由ではありません。
どんなに家が散らかっていても 浮気をしない夫はしませんし、妻がどんなに美人女優さんであっても 浮気をする人はするのです。
そういう事を解ると、私は妻からの相談に 妻の努力だけの回答を返すというのは 無責任じゃないだろうかと思っています。
何故何故と 外に疑問を投げかけている内は 自分以外の所に原因があるというすり替えです。これでは自分達の問題だという覚悟が出来ません。
でも、そういう風に思うのは 現実を受け止められないという苦しみでもありますが、あまりそれを言うと、逆に妻の中に責任があると言うように 質問を押し返されてしまいます。
これは 心理系のカウンセラーにとれば とてもやり易い事なのです。
でも、悩みの渦中にある人に さらに努力しろと言うのは 私はどうかな?と思うし、
浮気をする当人の夫には何も触れず、妻の愛情や誠意を伝えるだけ方法がないなんて、ちょっと違うなと思うのです。
妻にすれば このやりきれなさに疑問が湧いてきて 「何故何故」となるのだと思います。
つまり 何故何故は 納得できないというのと 同意語だという事です。
これは色んなカウンセラーの所を 渡り歩いて、一見 耳触りのいい言葉で一旦帰され、数日したら具体策でも何でもないと気が付くのです。
要は具体策ではないという事ですが、夫の現実的な浮気が続いているのに、妻は精神論しかないなんて これこそ 現実離れと言うのだと思います。
では今日はここまで

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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