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村越真里子

夫婦の問題を解決する専門家

村越真里子(むらこしまりこ)

Re;婚かうんせらぴー

コラム

覚悟と認識と諦め

2014年3月20日

テーマ:夫婦の揶揄辞典

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

今日はちょっと 「部屋とワイシャツと私」みたいなタイトルですが・・・・
前回にちょっと関連する 「覚悟」というお話をします。
例えば 私の理想の結婚生活は 子煩悩な夫が居て、よく働き、皆が健康で明るく会話をする毛生活を望んでいました。
しかし それに反し 私の元夫は 口数はお酒を飲んだ時以外は、いつも難しい顔をしていて何かしらいつも不機嫌でした。
私の母などは 私が元夫を紹介し、結婚すると家に連れて帰っ時も 「〇〇(元夫の名前)さん、何か怒っているの?」と聞いたほどでした。
私が20歳の時でしたから 今から思うと大人の見る目は当たっているな、と思っていましたが
とにかく結婚へ歩み出している私は母の言葉も耳に入りませんでした。
そして結婚生活がスタートするのですが 私の理想とはことごとく、反していて、それに不満を感じるばかりの私でした。
もちろん これは私だけではなく、元夫も結婚というスタイルに戸惑っていたのかもしれません。
しかし女性は子供を産むと必然的に、母親になれるというか押し上げられるものですが夫という物は 自動的に父親になれるものではありません。どちらかというと そういう家庭と言う物に背くような生き方が恰好いいと言う風に元夫は考えていたようで、仕事も止めてしまい根無し草のような生活を好み、私の理想とする暮らしとはどんどんかけ離れて行きました。
この時、私は 「長い人生 一時的に家庭の大黒柱が入れ替わることくらい、いいや」と考え私は必死で働きました。 
結果的に2年間仕事にあぶれた元夫は 毎日テレビゲームをして過ごしました。
それでやっと 仕事が見つかり、仕事に行き出しましたが それからは あまり仕事が続かず、逝ったり止めたりという事で順当なお給料がもらえる期間が短く、無職の時に わずかな貯蓄も崩しながら生活するという、苦しい生活でした。
そんな時、私は もっと働いてくれたら、とか 仕事を辞めずにもっと我慢してくれたら、と私の理想でばかりを想い、不満を貯め込んでいたら 病気になってしまいました。
そんなこんなで 今にして思う事は 叶わぬ理想ばかりを言うのは 苦しいだけと思うのです。
むしろ 理想は理想として置いておき、目の前の夫を大きく目を開いてみると、私がそろそろ現実を受け止めないといけないという事が分かったはずなのです。
しかし 当時の私は 結婚前に子供が好きで心優しいとアピールした元夫の言葉を信じたくて 私の家庭はそういう元夫がリードしてくれるはずという理想を中々 捨てきれずにいました。
これは今にして思うと 元夫に対して そういう失望をするのが嫌だったと言うより 私自身の自分の見る目が間違っていたと自覚するのが怖かったのだと思います。
変な言い方ですが 人のせいにしておく方が気が楽だったという事も言えます。
何故なら今後、離婚を考えた時、そんな判断力のない自分が 果たしてより良い人生を見極めていく事ができるのだろうかという自信の無さもあり、不満を言っているうちなら 新しい道を歩まなくても済むという逃げが通用するからです。
つまり自分の判断で 自分一人で歩いて行かないといけないかもしれないと思うと、未知の世界は恐怖心しかありませんでした。
でも、今なら分かります。
そんなに怖い事はない。
むしろ、思い起こせば 元夫に理想論ばかりを押し付けていた時の方がずっと今より苦しかったと思います。
そんなに恐れる事はない。
2人で居て孤独より 独りのほうがずっと気が楽だと気づいたのは 離婚後のことでした。
そして元夫と離婚したくないと言うのを 愛情や未練と感じていましたが、実際は恐怖心の裏返しであって、離婚後は 何かしら 呪縛から解き放たれたように、とてもすっきりしました。
そこで改めて分かった事。
「あ、私そんなに夫の事を愛していなかった」という事です。
夫婦と言うのは写し鏡とはよく言ったもので、私が結婚生活を ルールや約束事ばかりで縛っていて、本当は元夫の事に愛情がすっかり冷めていたとしたら・・・・・・また 元夫自身がとっくにそれを感じていたとしたら それはそれで元夫も一緒に居たくなかっただろうな、という事でした。
最初の内は 私は元夫には理想を唱えていましたが その内、結婚生活のルールのように、それに違反したらどうするかという罰則ばかりで締め付けていたので、結婚生活の後半はそもそもルールなんて守りたくないという元夫にとっては、ダメ出しをされているだけのことだったと思います。
結婚生活はある種の共同生活ですからその中でルールを守れないのは確かに、褒められた事ではありません。辛口の事を言えば 働かないとか 生活費を入れない元夫に そんなに優しい顔を出来るはずはないのですが 実は根無し草的な部分を知りつつ、一見、許していながら それに不満を貯め込んでいるなんてジキルとハイドですよね。
もちろん 元夫の働かないという事が諸悪の根源でしたが、私も天使じゃないので 大黒柱の交代なんていつまでも続くはずがありませんから時には私も不満が爆発します。
気分屋ではありませんが 苦しい時は爆発し、でも毎日そんな事ではいけないと、明るく振る舞い、何とか元夫と仲よくやろうとか、そういう矛盾を抱えての生活でしたから、元夫も私の扱いに困っていたかもしれません。
で、話が反れましたが 覚悟の大切さという事を今日は 述べて行きたいと思います。
上記に書きました、覚悟と言うのは 私の話に置き換えると、現実を受け止められないという事に尽きます。

そもそも男性にも色んなタイプがいて 子供が出来たら 子供と一緒に遊び子供の成長と共に、父親として成長していく男性もいます。
家庭を持てば、それと同時に家庭人として、家事協力をし、妻を助ける男性もいます。

でも残念ながら私の元夫は そういうタイプではなかったのですが、そこを認めるのは私が嫌だっただと思います。元々そういうタイプじゃないという事は薄々感じてはいましたが、やはり元夫に変わって欲しかったと言う望みを捨てきれなかったのです。
そういう意味では諦めきれず、往生際の悪い私は、夫と何か話しをする時にまず日頃の不平不満が溜まった状態で話し始める為、開口一番に嫌味を言う事から始まります。
これでは 日頃の何気ない会話も、中々出来るはずがないと思います。
とは言え、夜も遅く帰って来る元夫には なるべく嫌な雰囲気になる事を避けたかったという意識もありましたので、子供の事など、夫婦で決め事する時には一日伸ばしにばかりしていることがもう タイムリミットを迎えています。
この気遣いが逆に 悪循環になっていたと考えられます。
そして 保育園に提出する書類など、元夫は会社から貰ってくることにもヤイヤイ言って、やっと提出期限ぎりぎりになるので 私のイライラ度も限界を迎え、話し合いの頭は嫌味から入ってしまう為、いつも一触即発のような雰囲気です。
そもそも論でいくと 確かに家庭の事はあまり顧みないタイプの元夫だという事は分かりつつあったのに、何故か家庭人として きちんとしてくれると信じていてたかったのです。
元夫には 当たり前ですが 父親として、また一家の大黒柱として 家族を守って欲しかったという理想が中々諦めきれずにいました。
でも女性でも料理が得意な人と そうでない人が居ます。
結婚をすると誰でも妻は家事が出来ると思ったら、大間違い。
男性だって同じです。
仕事が出来る人もいれば 仕事が出来ない人もいます。
子供が生まれたら当たり前のように父親になれる人もいれば いつまで経っても自覚のない人もいます。
結婚すれば 家庭を守り、家族を思いやり、と言う、当たり前の事が出来ない人は男女ともにいるのです。
自分の選んだ夫が どういう人なのか それを知る事より、私は理想の家庭人という、何かパンフレットを見るように目の前の現実の夫を見ようとせず、パンフレットだけを見ていたように思います。
そんな時です、下記の言葉を目にしたのは。
「結婚生活不適格者」
この言葉に出会った時に私は目からうろこ、でした。
そのタイプの見極め?諦め?が付かず、相変わらず 長い間苦しんでいました。
家事協力を求めても、それは出来ない元夫には単なる押し付けになり 相手も苦痛です。
そこで 私は開き直りました。
いいじゃないか、家事協力をして貰わなくっても家が散らかるだけです。
整頓された家が良いなら 元夫だって協力すればいいのです。
落ち着いて、綺麗な家で過ごしたいなら もっと早く帰ってくればいいのです。
仕事ならともかく、毎晩遅くまで飲んで帰って、寝るだけなのに、家の整理整頓まで
文句を言うな、と思い それからは 子育ても自分で頑張りましたが 掃除に手が回らない私は
もう元夫を宛にしなくなりました。
そうしたら 何か胸のつかえがおりたのです。
相手に期待しているという事は 自分の弱さの裏返しです。

相手にしてもらおうと思えば 愚痴になります。
あまり理想を求めると、離婚になってしまいます。
その結果、母子家庭になると 誰も子供の相談も掃除も手伝ってくれません。
結局自分一人でこなさないといけなくなり 今と同じ状態になります。
私も結婚している時は 絵にかいたような理想を元夫に求めていました。
お給料もいっぱい稼いで、子供とも一杯遊んでくれて、家族仲良く・・・
何て願いをぶつけていましたが、それがそもそも 備わっていないタイプだったので
私との願いからは外れギャップだらけ。
その理想をぶつけるものだから元夫も、対戦モード全開でした。

でも 今は一人。
子供も結婚をし、それぞれの家庭を持っています。
子供のことで夫婦喧嘩しましたが それが要因で家庭を失う事になっては本末転倒です。
あれほど家事協力に文句を言っていた私は 独り住まいな為、さして家も散らかりません。
子育ての喧嘩や 家事に対する不満なんて 長い人生においては今となってはほんの一瞬です。
家事がはかどったところで 夫婦喧嘩をしながら 家が綺麗になっても、結果的に離婚になるくらい夫婦の心が離れるなら、家を綺麗にする意味がない。
否が応でも子供が大きくなると 家事の負担も減ります。
一時的な不満で 家庭を失うなんて馬鹿げていると思います。
(ま、私の離婚の理由は そこではありませんでしたが・・・・)
では どうしたらいいか?その具体策をお聞きになりたいと言う方が多くいますが
それは 私というカウンセラーがご主人に対して 魔法の粉を降り掛けて ご主人の人格をまっすぐに矯正できたら申し分ないのですが 私は魔法使いではありませんので、夫に変わって欲しいという事の認識は妻側サイドの問題となる訳です。
認識と書くと 堅い言葉に聞こえますが、分かりやすく言えば 諦めです。
諦めって、決してネガティブな言葉ではありません。
私は この諦めという事は「現実を見る」と言う言葉に置き換えています。
残念ながら 夫に限らず 人が人を変える事なんて カルト宗教にしかできません。
自分での気づき以外は 他からの影響で変わる事が出来るのは環境くらいでしょう。
でも 時々大病をして 献身的な妻のありがたみが分かったとかの話はあります。
また交通事故に遭って、生死をさまよい、人生観が変わった、などと言う話は聞きます。
それすらも自らの気づきで、人が与えた気づきではありません。
時々 カルチャーショックを受けるくらいの偉人との出会いや 書籍などを読んで、大きくリスペクトされる事は在ります。
しかし、これもすべて 自分が変わるしかないという事なのです。
結局なにが言いたいかといいますと、諦める事は 素敵な事だという事です。
諦めたら現実が見えて来ます。
現実が見えると 腹が括れます。
腹が括れると 覚悟が出来ます。
覚悟が出来ると いつまでも泣き言を言わなくなります。
泣き言を言わなくなると行動が決まります。
「何故なの?」と 嘆いているだけでは 答えが見えて来ません。
外に原因を求めると 気づかないのです。
今の苦しみの原因はご主人かもしれませんが 出口が見えない原因は
妻である自分自身の現実を受け止められないという往生際の悪さなのだと思うのです。

要はご主人に変わって欲しいと願っているだけでは、自分への覚悟が出来ないという事です。
そこで 夫を変えると言う事の難しさはお分かりいただけたと思いますが、中には夫の操縦法で、上手く成功している妻はいます。

こういう妻は夫を変えるなんて 大げさな事を言わずに、夫を自分の使い勝手の良いようにコントロールするという事です。
これには まず妻は自我を抑えないといけません。
不満を体全体で表現しているようでは夫も 歯むかいます。
まず、夫が家事協力をしない事や、浪費を止めない事を認めろとは言いませんが
何か お願いして 夫婦が手を取り合い協力できるというタイプの夫ではないという認識が必要です。それが上手く行くと 夫を操れることが出来ます。
いつまでも 見果てぬ夢を追いかけて、夫が変わってくれたら、と夫にサイコロを預けている状態では 何も変わりません。
上手く夫を操っている妻は自分の腹立ちを隠して にっこり笑って、甘えて夫を動かすようです。その為には、たとえ腹が立っても、その悔しさを胸に秘め、夫をおだてて、褒めるという事をしなくてはなりません。少なくとも 怒りを満々に表した逞しい妻であってはいけないようです。
よく妻が話し合いをして、ぶつかってしまったという事を言われます。
本当の話し合いなんて 本音は言えないものです。
今の首相の安倍総理だって、外国の首脳会議では 決して本音は言っていません。
むしろ 外交的な交渉を視野に入れると、絶対に駆け引きをしています。
もし、北の国などと交渉をして本音で話をしてもいいとするなら 言いたい事は山盛りあると思いますが 今後の拉致被害者の奪還の事を考えると 相手国を怒らせないように、交渉をしないといけないという悔しさはあるはずです。
おっと、話が反れましたが、例え夫婦でも もめているなら余計に本音は避けるべきです。
「夫婦なのに、何故本音で話してはいけないの?」という お声が聞こえて来そうですが、見極めて下さい。今本音を理解し合える夫婦かどうか?
話し合いをしましたと言う その本人は それほど 話し合いが 上手く運べる術がありますか?
話し合いと言う交渉
つい腹が立って こんな事も言いました・…あんなことも言ってしまいました・・・・・・
その結果が吉と出た方は 私のコラムなどは読んでいないでしょう。
恐らく こうして悩みを抱えている人は 決して話し合いなんて得意ではない人です。
でもそういう人に限って 話し合いをしたがります。
それは何故か・・・・
つまりそれは話し合いでもなんでもない。
「お願い、私の願いを解って」と言う懇願であったり、「何故私の悲しみが分からないの?」という詰問であったりします。
これは 話し合いが一番へたくそな人のする事です。
でも、世の中にはこういう交渉術がとても上手い妻がいます。
苦労を掛けている夫に対しても歯の浮くようなお世辞も言えます。
こんな事、本音でも本心でもありません。むしろ嘘っぽい。
それくらい 自分の本音を押し殺し、憎っくき相手を 褒め称えます。
これが 交渉術です。
子供が 何度言っても聞かずにやんちゃして 水たまりでこけた時、思わず舌打ちをしたくなりますが、そんな時にも「これから気を付けようね」と 優しく言えるママ。
褒めて育てる……まさにこれです。
これが 大人で言えば 交渉術です。
何でも言いたい事が言える事は素敵な事ですが、それは大人の交渉ではありません。
それでも 夫婦は本音で話すべし、と考えている人がいるなら、それは稀にいる魂のレベルで
相性のいい夫婦です。
あ、もちろん 本当は夫婦は本音で行くべきですよ。
私が言うのは お互いがギクシャクしてしまっていたり、すでに裏切りがある夫婦についてのはなしですから 最初から 見え透いたお世辞やおだては必要ないです。
新婚当時の何を言っても笑って過ごせた時が一番いいに決まっています。
人生でいつが一番いいかというと、何も気負わず、疑わず、ただただ信じていればよかった時期。
夫婦にはそれが一番幸せな事だと思います。
では、今日はここまで。

この記事を書いたプロ

村越真里子

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