怖いものなし!
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常々 私は「夫婦は話し合ってはいけません」と言っています。
もう、ここでは耳にタコができたと言われると知っていながら繰り返しますね。
これは 絶対にどんな場合でも、という訳ではありません。
基本的に誤解がある場合や、気持ちのすれ違いから 夫婦に溝が出来ているなら それは溝が深くならない内に話し合いで調整しておく必要はあります。
しかし こと、浮気問題においては浮気をしている本人は隠したいと思う気持ちがありますから、そこで話し合いで解決しようと思っても 嘘を付かれてしまう訳です。
だから、話し合いをすれば、二重の裏切りに遇う恐れがありますから 慎重にしなければという提言を投げかけているのが「話し合ってはいけません」という言葉の意味です。
とは言え、このように口を酸っぱくして提言しているにも関わらず、私の所に寄せられる相談は、
「初めまして、いつもコラムを読ませて頂いております」という有りがたい言葉の後に
「でも、村越さんがあれほど話し合いをしてはいけない、と書かれてあるのを知りつつ、話し合いをしてしまい、その結果決裂し、夫が離婚をすると言ってきかないのです、先生どうしたらいいでしょうか?」という残念な相談が寄せられます。
私はこういう相談の気持ちはよく分かるのです。
でも、矛盾しますが、何故 あれほど話し合いは無駄だよ、と繰り返しているにも関わらず、話し合いをしてしまうのか?
また、何故話し合いをしても決裂するのかを、改めて考えてみました。
これはやはり、原因が浮気という事にある事は言うまでもないのですが もっと言えば、女性という生き物は話が好き。男性というオスは話は好きではないという事です。
そして突き詰めて言えば、女性は答えを人にゆだねる「相談や占い」が好きという事になりますし、
男性は人に相談することは恥だと思っているのです。
これは日頃相談業という仕事からしても感じる事ですが 女性は当方に相談しに来るということは救いを求めに来ているという事が分かります。
それに比べて 男性は電話で相談をするのですが 「答えだけを率直に教えて欲しい」と言われます。
これはどういう事かと言うと 相談や話し合いと言う、まどろっこしい事はしたくないのです。
焦っているのという意味ではなく、男性という生き物は 相談というプロセスよりも結論しか要らないという感じです。
ここで 世の中の奥様方にお尋ねしたいのですが 妻が夫に話し始めた時に 面倒くさいそぶりをされた事はありませんか?
もっと言えば妻が 色々本題に入る前に 問題の概略を話し始めると「それで何が言いたいのだ?」とか「結論から先に言え」と言われた事はありませんか?
最近の男性は優しいので、ここまではっきりいう人は少なくなったかもしれませんが、男性の本質は古今東西、変わらないので、殆どの男性が 妻の話の切り出し方を好ましく思っていません。
ここを 妻は知らなくてはいけないのです。
夫がもし本当に浮気をしていたら 大嫌いな話し合いというプロセスを経て、今から自分の悪行を暴かれなくてはいけないし、尚且つ謝罪をしなくてはいけないとなると、身構えるどころか ここを何とか避けたくなるのは当たりまえなのです。
それなのに 妻ときたら話し合いという説教と問い詰めをし、夫を責めて来るのです。
妻にしたら話し合いをして少しでも平和的解決をしたいと思っているのですが 夫にすればそれは正義感丸出しの説教でしかありません。
もちろん、どちらが悪いかというと 浮気をした夫が悪いです。
でも、この際 夫にすればどちらが良いか悪いかの問題ではなく、自分の浮気が阻止されるかどうかの瀬戸際なので 何とか話し合いをぶち壊さないといけないのです。
そして それは防御という事以前に 浮気をしてようが していまいが基本的に男性は話し合は大嫌いです。
ここを妻は気づいてほしいのです。
例えばの話ですが、子供の頃、勉強が嫌いで何とか勉強せずに遊べるかと逃げ回った事はなかったですか?
親に、とにかく先に宿題をしてから遊びなさい、と言われても そんな宿題を先にしていたら、友達はバラバラになりますし、日も暮れるし・・・・とにかく今遊びたいのです。
先にすることをしてから遊べと言うのは正しい事です。
でも、遊びたいのは今なのです。
親に捕まっている場合じゃないのです。
そして やはり宿題よりも遊びの方が楽しいに決まっている。
そんな子供の頃の気持ちを思い出して下さい。
よく男っていつまでも子供よね、と女性は口にします。
では、何故 それを今に当てはめて考える事をしないのでしょうか?
宿題と大人の浮気と同じレベルじゃないと思うかもしれませんが、男性が子供と同じというならこういう子供の行為を当てはめて考えて下さい。
何も遊びと浮気を同レベルで考えろとは言いません。
でも嫌な物から逃げ出したいという心理は大人も子供も 男も女も同じです。
男性は話し合いは嫌いなのです。
例えそれが正しい手段だとしても 嫌いな物は嫌いなのです。
子供の頃から男の子は刀や鉄砲の戦いを好み、女の子は家庭の再現であるおままごとが好きなのは、仕方がない本能なのです。
平和的交渉をするよりも、相手を倒す戦争ごっこの方が、結果がはっきりしているのです。
よくデパートやスーパーマーケットで 妻の買い物を、とても面倒くさそうに付いてきている夫を見かけます。
いつまでも洋服選びに迷っている妻に「早くしろ」という意味を込めて 「どっちでもいい」と言う風に面倒くさそうにしている夫と、半ば喧嘩になりそうな夫婦も見ます。
または買い物に手間取る間、子供を抱いて待っている夫もいますが、決してご機嫌な顔ではありません。
これは私も昔経験したことがありますが たまに家族総出で買い物に出て元夫が子供を抱いて、喫煙所で待っている姿を見た事がありますが タバコ以上に頭から煙が出るほど不機嫌でした。
そういう元夫の姿を見て、「めったとしか一緒に出掛けられない買い物なのに、そんなに怒らなくてもいいのに・・・」と思い「この人、家族の事を大事に思っていないのだわ」と、話は飛躍してしまいます。
でも 今にしては思います。
この仕事をしていてよく分かります。
男性の好きな事と女性の好きな事とは全然違うと・・・・・
こんな当たり前の事を、何故解らなかったのか?
これは 正しい事は 正しいと主張すべきという考えが元にあります。
しかしこの年齢になると 同じことでも、表現のしようによっては通じない事もあるし、正しくても通じない事がるという事です。
何でもかんでも 正しいから通じるという事ではないのです。
正しくても、相手にとっては 避けたくなることは在ります。
大人だから、解ると思うのですが、正しいことほど、煙たい事はあるのです。
そうです、それは正しいからです。
そうやって、考えて行くと 正論で来られる妻を避けたくなるのは当然なのです。
それでも妻は 話し合いをしたがります。
これは何故か・・・・・・・
そう、夫の浮気によって、妻が避けられていると感じるからです。
だからこそ、話し合いという手段で、夫の心を取り戻そうとすると言うのが 妻が話をしたがる一番の理由です。
夫の態度が冷たい事から 何か異変を感じ・・・・・そしてそれを確かめるべく、繰り返された喧嘩。
その結果、益々口を利かなくなった夫と、落ち着いて話をしましょうという妻の歩み寄り。
でも 浮気をしている最中の夫には それは歩み寄りではなく、楽しい遊びを阻止される、鬼母の
「宿題を先にしなさい」という正しい教えと同じで、ただうっとおしいだけなのです。
何も妻が間違っているとは言いません。
夫と心が寄り添えなくなった今、浮気の話し合いさえも 夫と心を繋げる唯一の手段になって
そこに一縷の望みを託したくなる気持ちは分かります。
こんなつらい話し合いでも、夜一人で夫を待つ孤独よりはましです、何故ならそれは二人で出来る物ですから。
でも、私はあえて、心を鬼にして言いますね。
話し合い・・・・その手段は間違っています。
少なくとも今は・・・・・・
ここをもう一度 再認識して下さい。
話し合いという手段は 男性は嫌いです。
とにかく、相手が一番嫌がる手法は避けた方が無難で、そういう夫という特質を知ることから
物事は始まります。
では、今日はここまで。