夫婦の辞典
浮気の防止と修復は違います
最長で長いお盆休みの方もいよいよ今日が最後です。
日頃、夫婦でギクシャクした問題があってもお盆休みは家族、一緒に休みを過ごし、里帰りしたりで
諸々の問題はちょっと横において・・・それがいけないというのではなく、煩わしいことを考えなくて済む事に、少し癒されたりします。
確かに、色んな問題は考えなくて済むなら 考えたくないのです。
もし 深刻な問題であっても見て見ぬふりが出来るなら、誰もがそうしたいのです。
でも 夫婦の問題は自然と解決するという事は ほぼ無くて 病気のように 自覚症状がないまま健康を蝕みます。
私は放っていても自然と良くなるのは、軽い風邪や、擦り傷くらいだと思っています。
何か病巣がある場合は 段々と巣食っていくと考えるのが妥当です。
で、どうしたらいいかという事に対して このようなコラムを読んで参考にして頂くとか、具体策を取るために当方のような者にご相談頂くのが良いと思います。
そこで 当方にはどういう相談事が多いかという目安に 「検索キーワード」というのがあり、人はどういう情報を求めているのかが分かります。
ただ、当方が思うのは、相談者が求める答えに単に答えるだけではなく、そういう答えを求める心理が
余計に問題の根を悪化させているという事がある、という事です。
例えば、下記は当方を検索で探される、ある日の検索キーワードのランキングです。
◆不倫 自白させる
◆離婚 年数
◆夫婦 修復
◆旦那の浮気 その後
◆浮気 疑い 辞める方法
◆夫婦 話し合い
◆不倫 きっかけ
◆村越真理子
◆不倫 反省
◆不倫の後のDV
◆反省してない 夫婦修復
◆夫 話し合い
◆夫の浮気 修復
◆浮気 謝罪
これらのワードは 夫婦の問題点というより、相談者(圧倒的に妻が多い)の希望に他なりません。
しかし これはよくよく考えると 希望ではあってもそれが、夫婦問題を改善する事とは全く別だということに気づいておられません。
例えば ◆不倫 自白させる・・・・・ついて考えてみましょう。
こういう検索で探される方は パートナーの浮気を何かしらの異変から感じて 実態を調べるのだけど
結果的に、それらしい事を掴めなくて悩んでおられる事が予想できます。そこで白状させたいという事ですが これは パートナーに秘密を持たれて その距離感に悩まれていますが ここにその本人の
考え方の特徴が現れます。「白状=反省」という事を促せるという決めつけです。
浮気をする人の性格にもよりますが 白状させたその後、どうするかという事には ノープランです。
つまり白状させることで 反省が生まれると考えていますが 現実はたいてい「白状=開き直り」という事になります。開き直られると 家庭は崩壊するしかなくなります。
こうした事からキーワードに含まれる相談者の考えが読み取れます。
でも その希望が叶うかどうかという観点から言うと、その「考え方の根本」が間違っていることがあります。
そういう事でちょっと、キーワードから 相談者がどういう定義を持っているかを説明していきたいと思います。
◆不倫 反省
・・・・これは 反省してほしいという願いが込められていると共に 不倫をした夫は、反省をするものだという決めつけがあります。
しかし本来 不倫が発覚したからと言って 反省をすぐにするというものでもありません。
もっと言えば 反省をしない人が居て、それに反省を求め、それでも反省もしてくれないから、どうしたら 反省をしてくれるか、という妻側からの 願いです。
確かに 物事は反省が無ければ改善もしませんが 問題は不倫をした当人が 改善したいと思っていないという事があります。だから 不倫そのものが悪いというより不倫を止めないと言う所に答えがあります。
◆不倫の後のDV
これは例えば不倫を止めて欲しいという風に妻が望み、夫の帰宅時間や外泊、またはお金の使い道をめぐって夫婦喧嘩をしたとしたら、どうでしょうか?本来の目的は不倫を止めて欲しいという事なのにそれが変わらないから、夫の行動に疑いを持ち、詮索するようになります。
そうなれば 夫は「うるさいっ!」「そんなに信じられないのか?」と妻に暴力を振るいます。
もちろん 言葉の暴力も一緒です。
そうなると 夫の暴力、暴言に恐怖感を覚え、疑う事さえ禁じられてしまい 浮気をする者より
それを疑う者の方が 悪い事をしているように責められてしまうという事になります。
では 疑いさえ持たなければ DVは起きませんので それでいいかという事です。
ここでも 本当の問題は 「不倫を止めて欲しい」という妻の願いが込められています。
そして夫は 不倫を止める気がないので そこに口をはさむ妻に、つい暴力的な事で、妻の疑いすらも封じ込めようとする・・・・という図式が 伺えます。
つまり本当の悩みは DVを止めて欲しいという事ではなく、やはり不倫を止めてくれない夫への願いが見て取れます。
◆夫 話し合い・・・・・
これについても 話し合いの方法を求めて検索しているようであり、実は 本当の目的は
話合いの言葉やノウハウを知りたいと言うよりは こういうワードで検索される方は もうとっくに
話し合いは 何度も重ねて、それが失敗に終わっている方です。
そこで もっと夫が心を取り戻すような 「金言」を探し求めて 検索をされています。
もっと言うと 話し合いで解決できるような 「ウルトラC」のようなノウハウを求められているという事が分かります。
しかし、何故 そんなに話し合いという事に拘るのか?という事です。
これは 話し合いが一番いいというように考えているし 話し合いは、平和的であると考えているからです。
平和的交渉・・・・これがベストであると考えたい気持ちは理解できます。
でも、もうその話し合いはやり尽くしたでしょ?
だったら プロに聞いたら 目からうろこのように、ウルトラC級の新案があるか?という事です。
ここで 少し失望を与えるかもしれませんが そんな 画期的な新薬はありません。
古今東西、人間が起こす問題の解決は 「ベタ」な事しかありません。
特に男と女の事は、文明がいくら進んでも、「ある意味普通」のことしかないのです。
話し合いで 解決したいという気持ちの中に 実は コミュニケーションを取りたいという願いが込められています。
これまで夫の浮気に一人孤独に悩み、苦しんだ妻は 夫と心を込めた会話をしたいのです。
しかし 夫はそういう事は望んでいません。
本当に不倫をして 悪かったと思っている人は もう少し自然な会話が始まります。
それを何度も話し合いの機会を持っても、そのテーブルに着きたくないというのは 「妻との話」など
したくないという拒否があるのです。
これは酷い話ですが まだまだ不倫を止める気がないというケースもありますし もし止めていても
妻の話は まだまだ「問い詰め」に感じ 話しなどはしたくないのです。
それを妻は 夫から 不倫相手と別れたという言葉を取り付けた途端、「今度は私と向き合って」と、ばかりに すぐに夫との会話を求めたがります。
これも間違い。
そんなに不倫が終わったからと言って、右むいて、すぐに左に向けないのです。
ご主人を庇うつもりはありませんが 不倫相手と別れたとしたら それも一種の失恋です。
ご主人がもし 本当に心ある人ならばご主人だって傷ついていて余裕が無いのです。
自分が傷ついているのに そんなにすぐ 妻にやさしくするなんて 逆に嘘らしい。
コミュニケーションが取れない時期が苦しかったからと言って そんなにすぐ、話し合いが夫婦を近づける物にはなりません。
正直な言い方をすると 「話がしたかった」という事だと思いますが 不倫の事が話題になると
つい、詰問スタイルになってしまう事は否めませんし「怒らないから正直に言って」と言って始まっても、当の夫は責められているようにしか感じません。
ここで 心に刻んで下さい。
話し合いを望むあなたは それほど 話し合いが上手ですか?
言葉のプロが居たとしたら いいのですが 恐らくあなたは 話し合いの途中から 相手を責めるだけの 被害者になっていませんか?
刑事ドラマの犯人じゃないですが 加害者は罪が重くなることを避けたいものですから、被害者に心を開く訳にはいかないのです。
お互い、傷が癒えない内は 被害者と加害者。
この関係性を理解しましょう。
さ、そこで そろそろ結論を言いますと、この検索ワードから 読み取りますと 妻の考えの根本にあるのは
不倫→話し合い→反省→不倫を止める→妻との会話が増える→修復成功
こういう段取りが「当たり前の方程式」になっています。
しかし この決めつけが勝手な思い込みで こういう筋書きどうりには行かないというより
不倫イコール反省ではありませんし、妻にばれたからと言って 浮気相手と別れるという図式にはなりません。
不倫は簡単には終わりません。
妻にばれたから、浮気相手と別れると考えているのは 妻の勝手な 定義です。
妻にばれたと言う事は 浮気相手と別れる理由にはなりません。
何故なら 妻とは離婚寸前と言って 不倫相手から同情を買っているケースが殆どです。
だったら 不倫相手は ばれた、その機会に妻の方と別れて来るだろうと 考えるからです。
残酷な言い方ですが 不倫をされる妻は 不倫をする側の考えを何も知りません。
妻は 自分の方程式しかないので 自分の考えだけで 夫と修復を進めても それはかなりの勘違いが
含まれていると知って下さい。
不倫の被害に遭う妻には 妻の考えがあるでしょうけれど 不倫をする側の方にも 理屈はあるのです。
その相手の言い分が 正しいとは言いませんが その相手の考えも想像できないようでは 夫との話し合いは 一方通行に近いと考えて下さい。
それでは 話し合いがコミュニケーションとなるはずがありません。
今日は ちょっと 目からうろこが落ちましたか?
ではまた。