後ろめたさ
推し量る力本当に正しい情報とは?
夫婦問題について、悩み相談のようなサイトが沢山あります。
専門家が回答するものから 知恵袋のように一般の方々の意見の交換をしたり、様々です。
中には素人とは思えないような辛辣な意見であったり、恐ろしく簡単に、吐き捨てるような意見であったり・・・・・それを読んだ人が それらを真面目に読んだら 余計に凹みそうな強気の意見が飛び交っています。
それは ある意味 意見の交換場所という事で 何を発言しても自由だという事ではありますが、
それを読んだ人は いったいどんな気持ちで読むのだろうか?と心配になる事があります
さて昨日のコラムでも書きましたが、私は何をしていても仕事の事が頭から離れません。
リンカーンの映画を見ながら、もう片方の頭では いつも相談者の答えを映画の中にも、見つけようとしている私が居ます。
そこで感じた事は、相談者の方が 色んなサイトや 色んなカウンセラーのところに相談に行き、そこで、解決できなかった場合は、私のところにも相談に来られます。
どういう所に相談し、どういう所で解決にたどり着くかは解りません。特に最近はインターネットの中には多くの答えがあり、現に私も少し調べたい事があればウィキペディアなどは 辞書替わりに使っています。
でも 法律的な問題であれば 基本線は見いだせるでしょうけれど 夫婦間の問題は、色々な複合的な事も重なるからこそ、一本筋の通った目標を立てないといけません。
しかし、残念な事に色々なサイトなどを見過ぎて 何が何だか分からなくなるのです。特に目標を持たずにサイトに答えを求めると 人の意見と自分の環境との間に、乖離がある事をつい忘れてしまうのです。それこそ 本当のネットサーフィンになってしまいます。
私達は よく子供の頃、人の持っている物と同じものを親にねだっては「人は人」という言葉で
叱られたものです。人の経験談は所詮 他人の環境や条件のもたらす結果です。ある意味親や尊敬できる人の意見は、大人の意見として勉強になります。でもやはり自分にぴったりという答えは中々ネットの中には見つけにくいと感じる事も多いのではないでしょうか。
特に 私のところに来られる方の中に サイト上の答えを自分なりに参考に動いてみたが 余計に夫婦関係が崩れてしまって どうしたらいいだろうか?と相談を受けます。
いつも私が嘆く事なのですが、もう少し早く来てくれていたら・・・と残念でならないばかりなのです。
自分流に サイトの答えを組み合わせ 自分流に実行しました、という方が 結局ごちゃごちゃになって相談に来られたら 毛糸に例えると セーターを編みたくても、まずもつれた糸をほどくところからしなければならないので、とても時間のロスになります。
場合によっては、もうほどけない位、糸が絡まって収拾つかなくなっていることもあります。
ここまで書くとお分かりだと思いますが 出来れば あまり手を加えていない段階でご相談を頂くのが
問題解決の近道です。
あ、話が横にそれましたが、それがリンカーンとどう関係があるか、ですが そう、この映画の中にも今の私の考えを上手く言い表してくれる場面がありました。
リンカーンが南北戦争の終戦に繋がる表まとめですが 色々紆余曲折するのですが 抵抗する議員と地図の上に置いた方位磁石を見ながら話す場面があります。
そこで リンカーンの言った言葉は 「方位磁石は 正しい方角(ゴール)を指しているが、その磁石は、そこに行くまでのプロセスは示していない。本当はそこに行くまでには 山や谷、険しい道があるのだ、重要な事は困難な道があるという事を示していないという事だ」という事です。
そうなのです。
インターネットの情報は 結果は書いてあっても そこに到達するプロセスは書いてありません。
例えば夫婦問題が パートナーの浮気問題で その浮気相手と別れさせて浮気を終結させたと、書いてあります。相手には文書で慰謝料請求をした、という勇ましい事を書いてあります。
でも それは普通に考えると そんなに簡単に進んだとは思えない事ばかり。
しかし サイト上には、始まりと結果しか書いていないので 誰もが簡単にイメージしてしまうのですが実は、その間にも一度では終わらない、すったもんだがあったはずです。
文書請求で交際禁止命令を出しても、受け取った側が「はい、解りました」とは、ならない。
もし、そう言ったとしても それはむしろ 浮気が終わったように見せかける為だけの物である事は
こういう事を経験した人であれば解るのですが、例えば妻が夫の浮気に悩まされ、浮気相手の女性に
こういう文書を出して、浮気の終了を聞くと ほっとしてしまい、夫がすぐさま自分の元に帰って来るという気持ちを抱きます。でも そんなに簡単に文書を出したぐらいでは、終結しないという事はネット上には書かれてはいないのです。
ただネットに書かれているのは始まりと終わりだけを、はしょって書いてあります。ネットの知恵袋は紆余曲折のプロセスを書くところではないのです。
それでも結果的に解決するなら、まだましなのですが、その後の事はぼやかしてある事が往々にしてあるのです。
これだけ、IT化した現代に ネットの情報を見てはいけないとは言いません。現に私もこのマイベストプロ大阪のコラムもある種サイトですから 色んな情報を得る事は必要です。
でも そのサイトの情報で色んな情報を自己流に組み合わせて簡単に解決すると思うのは危険です。
脅かすのではありません。中にはとてもスムーズに事が進み、円満に解決するケースもあるでしょう。
でも、私のところに来られる方のケースは 一旦 こじれという回り道をした方が多く、それだけに
問題解決を複雑にしてしまっている事が多いのです。
今日は少し 私の相談所にお越しくださいという宣伝チックに聞こえたかもしれません。
でも本当に言いたかった事は、サイトの中の指南書は、色んな人が色んな経験則で書いてあるという事です。
そして人には 人の性格があり、それぞれのバックボーンも違います。
また文章の書き方も、人それぞれの癖があり、端的にしか書かれていない事が多いのです。
ですから ネットで情報を集める時は そういう物の見方をしてほしいという事なのです。
「地図上の磁石は正しい方角を示すが、そこに行くまでの険しい道は示さない」
このリンカーンの言葉を改めて、深いな~と感じます。
では、また。