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沖縄らしさは商品になる 県内企業がロゴより先に整えるべきこと

菅原崇文

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テーマ:マーケティング

観光客のTシャツを見ると、いま沖縄で何が売れているのかが分かることがあります。

胸に大きく入ったロゴ。
店名でも、商品名でも、地名でもないのに、なぜか沖縄旅行の記憶と結びついているデザイン。

RBC琉球放送、TBS NEWS DIGの記事では、オリオンビールのロゴを中心に、沖縄らしさが商品化されていくIPビジネスの広がりが紹介されていました。

記事によると、オリオンビールの2026年3月期連結決算は売上高297億1300万円、営業利益43億1400万円。さらにライセンス部門は2025年3月期に売上高3億7600万円、ライセンシー数64社に達したとされています。

ここで県内企業が見るべきなのは、「オリオンはすごい」という話だけではありません。

なぜ、ロゴがここまで商品になるのか。
なぜ、Tシャツや雑貨として買われるのか。
なぜ、観光客だけでなく県民にも受け入れられるのか。

この問いの中に、沖縄の中小企業が次に伸ばすべきマーケティングのヒントがあります。

売れているのはロゴではなく、記憶です


ロゴが売れているように見えて、実際に売れているのは「記憶」です。

沖縄で飲んだ一杯。
海を見ながら過ごした時間。
旅行中に聞いた音楽。
家族や友人と撮った写真。
地元の人にすすめられた店。

そうした体験の記憶が、ロゴや色や言葉に結びつくと、商品は単なる物ではなくなります。

Tシャツは布ではなく、沖縄に行った証明になる。
ステッカーは紙ではなく、好きな場所を持ち帰る行為になる。
カップやバッグは日用品ではなく、自分の暮らしに沖縄を少し入れる道具になる。

ここが、普通の販促グッズとIPビジネスの違いです。

販促グッズは、会社が配るものです。
IP商品は、お客様が欲しくて買うものです。

この差は大きいです。

県内企業が真似るべきなのは、ロゴの大きさではありません


オリオンのような知名度がない会社でも、考え方は使えます。

ただし、いきなりロゴ入りTシャツを作れば売れる、という話ではありません。

むしろ順番は逆です。

まず、自社の中に「お客様が覚えている要素」があるかを探す必要があります。

・お客様がよく口にする言葉
・写真を撮りたくなる場所
・商品名より先に覚えられている色や形
・地域の人が自然に使っている呼び名
・創業者やスタッフの印象に残る一言
・県外客が面白がる沖縄らしい習慣
・リピート客が毎回買う定番商品

これらは、まだ商品になっていないだけで、将来のIPの種です。

たとえば飲食店なら、看板メニューの名前だけではなく、器、盛り付け、店内の壁、スタッフの口ぐせまで含めて記憶になります。

観光事業者なら、体験後にお客様が何と言って帰るのか。どの写真をSNSに上げるのか。そこにIPの種があります。

建設、不動産、士業、BtoB企業でも同じです。

会社の強みは、サービス説明の中だけにあるとは限りません。お客様が安心した瞬間、相談しやすいと感じた言葉、資料の見やすさ、担当者の対応の早さ。そうした小さな体験が、ブランドの記憶になります。

沖縄企業が作るべき「小さなIP棚卸し」


大企業のようなライセンス事業を、最初から目指す必要はありません。

県内の中小企業が最初にやるなら、もっと小さくて十分です。

まず確認したい5つのこと

1.お客様が写真を撮っているものは何か

2.店名や社名以外で、覚えられている言葉はあるか

3.県外の人が「沖縄っぽい」と反応する要素は何か

4.地元の人が「これはうちの地域らしい」と感じる要素は何か

5.商品化、コラボ、SNS投稿、ノベルティに展開できる要素は何か


この棚卸しをすると、営業やマーケティングの見え方が変わります。

売るものは商品だけではありません。

体験後に思い出してもらう言葉。
誰かに紹介したくなる見た目。
SNSで説明しやすい切り口。
他社とコラボしやすいテーマ。

こうしたものを整えると、広告費をかけなくても広がる導線ができます。

コラボは売上だけでなく、営業導線になります


今回の記事で面白いのは、ロゴ商品が単なる物販ではなく、コラボ先を通じて沖縄の接点を増やしている点です。

コラボ商品は、うまく設計すれば営業マンのように働きます。

自社を知らない人の前に出る。
相手企業の顧客に見つけてもらう。
SNSで話題になる理由を作る。
店舗、EC、観光体験への入口になる。

ここで大事なのは、誰と組むかです。

有名企業と組めばよいわけではありません。
自社のお客様と相手のお客様が自然につながるか。
世界観が合うか。
お互いの売上導線に無理がないか。
この確認が必要です。

たとえば、沖縄そば店が陶器工房と組む。
ホテルが地元の食品メーカーと組む。
マリン事業者が写真サービスと組む。
士業が経営者向けの学習コミュニティと組む。
不動産会社が地域の家具店やリフォーム会社と組む。

こうした組み方は、大きな広告よりも強いことがあります。

なぜなら、お客様にとって自然だからです。

AIはIPの種を見つける補助線になります


ここでAIの出番もあります。

AIにロゴを作らせる、キャッチコピーを書かせる。それだけでは浅い使い方です。

本当に使えるのは、自社の中にある素材を整理する作業です。

・過去の口コミを分類する
・SNS投稿で反応がよかった言葉を拾う
・問い合わせ内容からお客様の関心を整理する
・商品名、サービス名、写真、説明文の共通点を見つける
・コラボ候補を業種別に出す
・LPやチラシに使える見出し案を作る
・県外客向け、地元客向け、法人向けに表現を分ける

AIは、会社の魅力を勝手に作ってくれる魔法ではありません。

でも、人間が見落としている言葉や反応を拾うのは得意です。

特に少人数の会社では、社長の頭の中にある感覚が、まだ言語化されていないことが多いです。

「うちは普通だと思っていた」
「昔からやっているだけ」
「地元では当たり前」

その中に、県外のお客様から見れば魅力になるものがあります。

自社のどの作業をAIに任せられるか、どこに人の確認を残すべきかを整理したい方は、20問で分かる無料AI社員採用診断もご活用ください。

ロゴを売る前に、選ばれる理由を整える


沖縄には、商品になる素材がたくさんあります。

自然、食、音楽、方言、歴史、生活文化、地域行事、人の温かさ。

ただし、それをそのまま並べても売れるわけではありません。

必要なのは、誰に、どんな場面で、何を持ち帰ってほしいのかを決めることです。

観光客に買ってほしいのか。
県民に日常使いしてほしいのか。
法人のギフトにしたいのか。
若い世代にSNSで広げてほしいのか。
海外客に説明しやすい商品にしたいのか。

ここが決まらないまま商品を増やすと、在庫だけが増えます。

逆に、体験と導線が整っていれば、小さな商品でも強くなります。

店で体験する。
写真を撮る。
SNSに上げる。
持ち帰る。
誰かに話す。
また来る。
オンラインで買う。

この流れができると、商品は一度きりの売上ではなく、次の接点を生む道具になります。

県内企業に必要なのは、沖縄らしさの編集力です


沖縄らしさは、強い武器です。

でも、使い方を間違えると、どこかで見たような観光向け商品になってしまいます。

大事なのは、自社らしさと沖縄らしさをどう重ねるかです。

地域に寄せすぎると、どの会社でも同じになります。
自社に寄せすぎると、お客様に伝わりにくくなります。

その間を編集する力が、これからのマーケティングでは重要になります。

オリオンの事例から学ぶべきことは、ロゴを大きく入れることではありません。

お客様の記憶に残る要素を見つけ、商品、コラボ、SNS、営業導線に変えていくことです。

沖縄の中小企業にも、まだ言葉になっていない資産があります。

その資産を見つけ、磨き、売上につながる形に整える。

これが、これからの県内企業に必要なマーケティング戦略だと思います。

参考情報


RBC琉球放送・TBS NEWS DIG「沖縄独特」が商品になる時代のIPビジネス

業務の見直しや、AI・Webを使った営業導線づくりを具体的に進めたい方は、BLUE LEAF公式サイトもご覧ください。

また、Web制作・LP制作・マーケティング支援の相談は、TAKAのランサーズプロフィールからも受け付けています。

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菅原崇文
専門家

菅原崇文(営業コンサルタント)

株式会社BLUE LEAF

営業戦略の設計から実行・改善・内製化まで一気通貫で伴走し、机上論ではなく現場で成果につながる営業の仕組みを作ります。課題整理から仮説検証、トークスクリプト設計までも丁寧に支援します。

菅原崇文プロは琉球放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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