沖縄に多い家型の「屋形墓」。歴史と特徴
沖縄は、ご先祖さまを敬愛する文化です。それゆえ、ご先祖様にまつわる行事が年間を通してあります。
ここで主な行事を紹介しましょう。
沖縄のご先祖さまにまつわる代表的な行事を紹介します
旧暦(太陽暦)では1年354日。
◆1月1日(旧暦)はお正月として、若水をくみお茶湯をお仏壇にお供えし年始まわりをします。
◆1月4日(旧暦)は火の神(ヒヌカン)迎え。暮れに昇天した火の神を迎えます。
◆1月16日(旧暦)は十六日祭(ジュウルクニチサイ)。あの世のお正月です。墓前にごちそうをお供えします。
◆1月20日(旧暦)は二十日正月。正月の終わりで正月飾りを片付けます。
◆2月吉日(旧暦)のお彼岸と3月吉日(旧暦)の清明祭(シーミー)にはお墓参りをして墓前にごちそうをお供えします。
◆3月3日(旧暦)の浜下りは女性の節句。お重に料理を盛って浜に出かけ、健康を祈願します。
◆5月4日(旧暦)は四日の日。豊漁を祈願し、各地の漁港ではハーリーが行なわれます。
◆5月5日(旧暦)は端午の節句。甘菓子を作って仏壇にお供えします。
◆5月4日(旧暦)は5月ウマチー。稲の初穂祭です。
◆6月15日(旧暦)は6月ウマチー。稲の収穫祭です。新米を供え、収穫を感謝します。
◆7月7日(旧暦)は七夕です。お墓の掃除をしてご先祖さまにお盆のご案内をします。
◆7月13日~15日(旧暦)はお盆です。13日にご先祖さまをお迎えして(ウンケー)、15日に送ります(ウークイ)。
◆8月8日(旧暦)はトーカチ。88歳・米寿のお祝いです。
◆8月15日(旧暦)は八月十五夜。月拝みをして、フチャギ餅をお仏壇に供えます。
◆8月吉日(旧暦)はお彼岸。お墓参りをして墓前にごちそうをお供えします。
◆9月7日(旧暦)はカジマヤー。97歳の長寿のお祝いです。
◆11月29日(旧暦)は冬至。里芋や豚肉の入ったジューシー(炊き込みご飯)を作りお仏壇にお供えします。
◆12月8日(旧暦)はムーチー。月桃の葉で包んだお餅をお仏壇にお供えして、子どもの健康を祈願します。
◆12月24日(旧暦)はお願解き(ウガンブトゥチ)。火の神の昇天の日。今年1年を感謝します。
このように、一年を通してご先祖さまに語りかけます。地域によって供え物や時期が異なりますが、こういった伝統は大切に伝えていきたいものです。
お墓を建てる際には地鎮祭や開眼式も
旧暦(太陽暦)で同じ月が2回ある年のことをユンヂチと言います。約33カ月に1回、19年で7回まわってきます。この時期は神様の眼が届かないため、お墓の建立や位牌の買い替えに適しているそうです。
そして生前にお墓を建立すること、生前墓と言います。子孫繁栄・家内安全・長寿を招くとして近年は生前墓を希望する方も増えています。
お墓を立てる際についての行事について。
お墓を建てる工事を行う前に、土地の神様に土地を利用させてもらう許しをもらうために地鎮祭を行います。そしてお墓が完成したら開眼式(かいげんしき)と言って魂を入れる儀式を行います。
こういったことも後世に伝えて、ご先祖さまをまつっていきたいですね。
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