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令和3年の民法等の改正(5)

竹下勇夫

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テーマ:民法等の改正

~共有制度の見直し①~

 次は、共有制度の見直しに関する民法の改正です。
 土地を相続したものの遺産分割をしないまま放置されたりした結果、所有者不明土地が共有地となっていることも少なくありません。このような場合、共有物の変更のように共有者全員の同意が必要な行為と、共有物の管理に関する事項のように共有者全員の同意が不要な行為の区別が不明確なため、共有地の適切な利用が阻害されているといわれてきました。そこで、この点に関する改正が図られました。

 最初に、民法第249条の共有物の使用に関する規定の改正です。

 同条は、各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることを規定しています。ただ、共有者の一人が共有物を独占的に使用している場合にどうなるのか、また各共有者が共有物を使用している際の注意義務について善良な管理者の注意義務なのか自己の財産に対するのと同一の注意義務なのか、規定がありませんでした。
 そこで同条の改正第2項は、「共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。」と規定しました。
 さらに同条の改正第3項は、「共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。」と規定して、共有物の使用に関して善管注意義務を負うことを明らかにしました。    —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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