入れ歯に慣れるために必要なこと
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
総入れ歯作りについての話です。
入れ歯作りは特に総義歯作りは経験の少ない若い歯科医師にとっては、
難しく、ややこしい作業の一つではないでしょうか?
大学では作り方はもちろん教わるのですが、実際の臨床では様々なケースに出会うからです。
今でも私は全く何にもない口の中を見て、今から作る入れ歯の青写真すら頭に浮かばない事さえあります。
例えば100人歯科医師がいれば、100通りの入れ歯の作成方法があると言っても過言ではありません。
それだけ一筋縄ではいかないということでしょう。
もちろん患者さんの口の中の状態も100人100様ですので、難解な事なわけです。
また若い歯科医師の総義歯が苦手な原因は、患者さんが自分よりも高齢で、
人生経験を多く積んだ人生の先輩であることも一つあると思います。
とは言っても手を動かさなければ入れ歯は作れません。
ある程度入れ歯作りを経験すると、患者さんの入れ歯が収まる顎の形や歯グキの状態で難易度が予測できます。
歯周病等で骨が吸収した状態の顎では入れ歯は動きやすく、外れやすくなります。
顎の骨吸収状態が左右違ったり、斜めに吸収していたり、歯グキが変質していたり、
こんもり膨らんでいるはずの歯グキがぺったんこにフラットだったり、それ以上に吸収して大きく凹んでいたりなどです。
今の風潮として歯を抜くことが悪い歯科医のように言われますが、もっと早く抜歯をしていたら(顎の状態の良いうちに)、
もっと噛みやすい外れにくい入れ歯ができたのにと思うこともよくあることです。
当然そのような顎の条件の悪い方は入れ歯を作っても上手くいきません。
噛むと痛い、外れやすい、入れ歯が動いて食べ物が中に入るなどご苦労が絶えないことでしょう。
昔入れ歯の名人と言われた先生の講習会でその先生が治療した半分ぐらいしか直せないとおっしゃっていました。
(謙遜してのご発言と思いますが)
今はその時代と変わり良い材質の物も開発され良くはなりましたが、
いい状態の方と比べれば条件の悪い方は大いに不利です。
ご覧頂いている皆さん、歯にこだわることも大切ですが人生90年の時代です。
顎の骨の状態も非常に大切です!