本の出版を記念して~僕が建築を志したワケ その4~
そう考えた私は、まずポケベルを新しい機種に買い換えました。
携帯電話が普及していなかった当時、会社から現場への連絡手段は「ポケベルを鳴らす」というのが普通でした。
しかし、そのとき使用していたポケベルの機能は「鳴るだけ」だったので、緊急な連絡なのかどうかの判断ができません。
そこで現場の社員は、ポケベルが鳴るたびにビルの仮設階段を苦労して下りたり、足場の悪い工事現場を横切ったりして電話のある事務所まで戻らなければならなかったのです。
この移動がなんせ面倒で仕方がありません。
だから私は備品として支給されているこのポケベルを会社に黙って、番号ディスプレイ付きに交換しました。
それがすぐに総務部長の知るところとなり「なんじゃそれは!」と騒動になりかけましたが、幸い「買ってしまったものは仕方ない」という工事部長の一声でおさまったのです。
その後も私は会社には黙って携帯電話を購入したり、施工図に使うコンピューター利用作図システム(CAD)を導入したり。
しかし、どれも作業効率化には欠かせないものでした。
~~~つづく~~~