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医療従事者には、「話をよく聴いてくれる」「親身になって対応してくれる」「話しやすい」という3つの要素が求められています。これらが満たされることで、患者様の心に病院に対する信頼感が生まれます。
患者様から、かかりつけの病院として選ばれるためには、気配りや気づかいといった接遇マナーが必要です。患者様の仕草や表情から、患者様が口に出せない思いや不安を感じとり、どのように対応してくべきかなどを考え、行動する力が求められています。
患者様が求めている医療接遇の基本的な3要素とは?
患者様は、医療従事者の態度をよくみています。「この人はわかりやすい説明をしてくれる」「自分たちの声に耳を傾け、丁寧に聴いてくれる」といったことを感じて初めて、医療従事者を信頼してくださいます。
医療現場で必要とされる接遇マナーは多岐にわたります。しかし、ベースとなる要素は3つに絞ることができます。それは「話をよく聴いてくれる」「親身になって対応してくれる」「話がしやすい」の3つです。
たとえば患者様が診察室に入室しても、医師がパソコンの画面から目を移さず、問診を初めてしまったらどうでしょう。
視線を合わすこともなく「今日はどうされました?」と質問されると、患者様の心には「このお医者さんは、私の話をちゃんと聞いてくれるのだろうか…」といった不安や不満が芽生えてしまうのではないでしょうか。
患者様に「良い病院に巡りあえた」と思ってもらうためには、まず医師や看護師など医療従事者の方から「○○と申します、よろしくお願いします」などの挨拶をしましょう。
そして「○○さん、今日はどうされましたか?」と患者様の名前を呼んで話を始め、患者様のことをきちんと把握していることを示すようにしましょう。
かかりつけ医院として選ばれる医療機関の接遇スキル
患者様が「この病院にまた来たい」と思う理由の大半は、医療従事者の対応の良し悪しが占めています。医師の腕が良かったという要素も大きいですが、「スタッフみんなの感じが良かった」と答える方は少なくありません。
それゆえ、医療機関に求められているのは表面的なサービスではなく、「不安を癒やしてくれる」「安心して治療を受けることができる」と患者様に思ってもらえるような質の高い接遇です。
質の高い接遇を実現してくために、医療従事者は、気づく力、そして自分で考え行動する力を備えていきましょう。
患者様の置かれている状況を把握し、年齢や生活環境に合わせて、言葉を選んで声を掛ける、患者様の表情や仕草を通して体調や心情などを推し量り、対応を変えていくなど、患者様ひとりひとりに合わせた手厚いケアを行うことで患者様と信頼関係を築くことができます。
そして、「笑い」も大切な要素です。病院は病を持った方が集まるところですので、意外に思うかもしれませんが、「明るくて良く笑う看護師さんやお医者さんにほっと心が和む」と好感を持つ患者様も多いのです。
患者様に伝えるではなく伝わるコミュニケーションを
インターネットなどの普及により、患者様ご自身が多くの情報を得ることができるようになりました。また診察を受けている担当医のほかに、違う医師から意見を聞くことができるセカンドオピニオンが浸透するなど、患者様が治療方法を選択する機会が増えています。
こういった時代の流れにそって、医療機関には患者様に「伝える」コミュニケーションではなく、患者様に「伝わる」コミュニケーションが求められています。
患者様に伝わるコミュニケーションを行うためには、「患者様の様子をよく見る」「話をきちんと聴く」「患者様を尊重し、思いを受け取る」といった心構えが大切です。医療従事者から説明やアドバイスをする際は、患者様の心に届くようにやさしい語り口でわかりやすい表現を選ぶようにしましょう。
同じ患者様でも、体調や気持ちなどのコンディションは毎回異なります。それゆえ、最適な対応は都度、変わってきます。医療従事者の気づき、考え行動する力で患者様の不安を少しでも和らげていきましょう。