ライフ・ワーク・バランスの本質について③
法定年次有給休暇(以下は有給とします)についてどのような理解、考え方をしていますか?
経営者や管理職の方とお話をしているときよくいるのが、
自分が昔働いていた頃のことをことを引き合いに出す方です。
昔自分が働いていた頃は有給なんて取れなかったのに、最近の若い人は
有給を当たり前に取りたがると言って不満をもらされます。
昔働いていた頃に有給を取れなかった経験がある場合は、
二種類の対応方針があって良いような気がします。
「自分は取れなかったのだから、部下も有給を取れなくても仕方がない。
有休をとるなんてもってのほかだ。」と考える方もいれば、
「自分は取れなくて嫌な思いをしたのだから、部下には同じような思いをして欲しくない。
有給は出来るだけ消化できるようにしてあげよう。」と考える人もいると思います。
どちらの考え方が、部下の方に支持されるかは言うまでもないと思います。
有給は労働基準法に定められている権利です。有給を申請された場合は
特定の場合を除き、基本的には拒否することは出来ません。
確かに昔は有給を取らずに仕事に専念することが良しとされていた時代がありました。
その頃は同調効果もあり、有給は取りずらい状況で、
一部の人を除き有給はほとんど取っていませんでした。
今は時代が違います。
Z世代は権利を主張するし、それは決して悪い事ではないと思います。
だからこそ、権利を尊重してあげることで、権利に伴う義務を果たしてもらうように
することが大切ではないでしょうか。
権利に伴う義務とは、債務の本旨に沿った労働の提供です。
権利を尊重することで、そのかわりしっかりと働いてもらうということです。
最近の調査では新入社員の入社1年半時点における就業意識に関する実態調査の結果、
5割以上が転職意向ありまたは転職済みとのことです。
年休だけでなく他にも多くの要因はあると思いますが、人材の定着は事業継続に必須です。
人材が定着せずに離職が続けば事業の継続は不可能です。人手不足倒産に繋がります。
人を大切にし人に対する理解を深め、人材の定着を図り、事業の継続をしていけるようにすることが
これからはますます大切な事となると思います。