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昔の膝のケガは治っている?痛みがなくても現在の動作を確認したい理由

河野貴彦

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テーマ:スポーツ外傷

昔スポーツで膝を痛めた方に向けて、現在痛みがなくても歩き方や身体の使い方まで確認する大切さを伝える記事のサムネイル。
投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「昔の膝のケガは治っている?痛みがなくても現在の動作を確認したい理由」という内容になります。

学生時代や若い頃に、サッカーやバスケットボール、バレーボール、陸上などのスポーツで膝を痛めた経験はありませんか?当時は病院や整骨院などに通い、しばらくスポーツを休んだものの、その後は競技に復帰できて、現在は膝に強い痛みを感じていない方も多いと思います。

そのような方に「昔の膝のケガについて教えてください」と聞くと、「もう20年以上前だから関係ないと思います」「今は普通に歩けるので治っています」と答えられることがあります。確かに現在痛みがなく、仕事や家事ができていれば、昔のケガを意識する機会はほとんどないでしょう。

しかし、身体を見るときに確認したいのは、昔痛めた膝が現在痛いかどうかだけではありません。歩く、階段を上る、椅子から立つ、しゃがむ、片脚で身体を支えるといった現在の動作をどのように行っているかも大切な情報になります。

今回の記事では、これまでの「昔の肉離れ」「昔の足首捻挫」に続くスポーツ外傷シリーズ第3回として、昔の膝のケガについて考えていきます。

膝のスポーツ外傷に関する論文や研究では、痛みや筋力だけでなく、左右差、歩行、着地、股関節や足首を含めた動作など、さまざまな視点から身体機能が調べられています。今回はそうした研究を参考にしながら、専門用語をできるだけ使わず、昔の膝のケガがある方の現在の身体を当院ではどのように考えているのかを分かりやすくお伝えします。

1.昔スポーツで痛めた膝、今痛くなければ治っている?

学生時代に膝を痛めてスポーツへ復帰し、現在は痛みなく歩けていても、昔と同じ身体の使い方とは限らないことを示した図。
膝のスポーツ外傷というと、前十字靱帯損傷や半月板損傷、内側側副靱帯損傷、膝蓋骨脱臼などがあります。学生時代に大きなケガをして手術を受けた方もいれば、「膝をひねった」「腫れてしばらく休んだ」という記憶だけで、当時どの組織を痛めたのか覚えていない方もいます。

数か月後にスポーツへ復帰でき、その後20年、30年と経過していれば、「昔のケガはもう治った」と考えるのは自然なことです。現在膝が痛くなければ、なおさら昔のケガを気にすることはないでしょう。

痛みがないことと現在の身体機能は分けて考える

ここで確認しておきたいのが、「今、膝が痛くない」ということと、「昔ケガをする前とまったく同じように身体を使っている」ということは、少し分けて考えた方がよいという点です。

スポーツに復帰できるところまで回復していても、その後の研究では筋力や着地、歩行などを詳しく調べると左右で違いが確認されるケースがあります。

だからといって、昔の膝のケガが現在も治っていないと考える必要はありません。

大切なのは、「昔ケガをした」という事実だけで現在の身体を判断するのではなく、今どのように身体を使っているのかまで確認することです。

2.同じ「昔の膝のケガ」でも身体の状態は一人ひとり違う

前十字靱帯損傷、半月板損傷、内側側副靱帯損傷、膝蓋骨脱臼など、昔の膝のケガでも内容やその後の経過が異なることを示した図。
「昔、膝をケガしました」という情報だけでは、現在の身体の状態までは分かりません。

例えば、同じ高校時代のスポーツ外傷でも、前十字靱帯を痛めた方と半月板を痛めた方ではケガの内容が違います。手術を受けたのか、保存的に経過をみたのか、どのくらいスポーツを休んだのか、復帰後に再び痛めたことがあるのかによっても経過は変わります。

さらに、20代までスポーツを続けた方もいれば、ケガをきっかけに運動量が大きく減った方もいます。

「どこをケガしたか」だけで終わらせない

当院で昔のスポーツ外傷について確認する場合も、「右膝をケガした」という情報だけを見るのではありません。

当時どのようなスポーツをしていたのか。どのような動作でケガをしたのか。手術歴はあるのか。その後スポーツへ復帰したのか。そして現在はどの程度身体を動かしているのか。

こうしたケガをしたときから現在までの経過も身体を見るための情報になります。

学生時代には毎日のように走ったりジャンプしたりしていた方でも、40代、50代になれば仕事で長時間座ることが増えたり、車での移動が中心になったり、以前ほど運動をしなくなったりすることがあります。

昔と現在では、身体に求められる動きそのものが変わっているのです。

3.スポーツに復帰できても身体の使い方まで同じとは限らない

同じように階段を上れていても、膝・股関節・足首・体幹の使い方には違いがあることを示した比較図。
膝をケガした後、「走れるようになった」「試合に出られるようになった」というのは大きな回復です。

しかし身体の機能を詳しく見る場合には、できるか・できないかという結果だけではなく、その動作をどのように行っているかという視点があります。

例えば、膝のスポーツ外傷について調べた研究では、競技へ復帰できる段階になっても、大腿部の筋力やジャンプからの着地、膝の曲げ方などに左右差が確認されることがあります。

「普通にできる」の中にも違いがある

これはスポーツだけの話ではありません。

例えば2人の方が同じように階段を上れたとします。見た目にはどちらも「階段を上れる」という結果になります。

しかし、一人は股関節・膝・足首を使いながら身体を持ち上げ、もう一人は膝をあまり曲げずに股関節や体幹を多く使って上っているかもしれません。

結果は同じでも、そこに至るまでの身体の使い方が同じとは限らないのです。

昔の膝のケガを考えるときにも、この「できるか」から「どうやっているか」へ視点を変えることが重要になります。

4.普通に歩ける人でも「今の歩き方」を確認したい

歩行時のかかとの接地からつま先での蹴り出しまで、股関節・膝・足首の連動や左右の歩幅などを確認するポイントを示した図。
膝のケガから何年も経過している方にとって、ジャンプやスポーツの切り返し動作は現在の生活とあまり関係がないかもしれません。

そのため40代、50代になった現在の身体を見るのであれば、まず確認したいのはもっと身近な動作です。

歩く、階段を上る、椅子から立ち上がる、しゃがむ、片脚で身体を支える。

毎日の生活の中で何度も繰り返している動作を見ることで、現在どのように身体を使っているのかが分かってきます。

「歩ける」と「どう歩いているか」は別の視点

昔膝を痛めた方でも、現在普通に買い物へ行ったり、仕事で歩いたりできている方はたくさんいます。

一方で、歩行を詳しく調べた研究では、歩く速さだけでは大きな違いがなくても、膝を曲げる角度や膝にかかる力の使い方などを見ると違いが確認されることがあります。

そのため、「歩けているから昔とまったく同じ」と決めるのではなく、左右の歩幅はどうか、片脚になったときに身体を支えられているか、膝だけでなく股関節や足首が一緒に動いているかなども見ていきます。

これは前回の「昔の足首捻挫」の記事でお伝えした、現在の歩き方を確認するという考え方にもつながります。

足首も膝も、それぞれ単独で歩いているわけではありません。

5.膝だけでなく股関節・足首・体幹まで見る理由

歩行や階段、しゃがむ動作では、膝だけでなく体幹・骨盤・股関節・足首・足まで身体全体が連動していることを示した図。
膝を痛めた経験があると、「膝の動きだけを確認すればいい」と考えるかもしれません。

しかし、歩いたり階段を上ったりするときには、股関節、膝、足首が連続して動いています。さらに骨盤や体幹の位置も変化しながら、身体全体で前へ進んでいます。

例えば片脚で身体を支える場面を考えてみましょう。

右脚に体重を乗せたとき、右膝だけが身体を支えているのではありません。足が地面に接し、足首が動き、膝が曲がり、股関節が身体を支え、その上に骨盤と体幹があります。

身体は負担を分散しながら動いている

昔の膝のスポーツ外傷に関する研究でも、膝だけでなく股関節や体幹を含めた動作の違いが調べられています。

例えば片脚でジャンプした距離だけを見ると左右で大きな差がなくても、詳しく動作を分析すると、膝で受ける力が少なく、その分を股関節など別の部分で補っているケースがあります。

これは「股関節を使うことが悪い」という意味ではありません。

身体には、ある部分だけに負担を集中させず、いくつもの関節や筋肉を使って動く仕組みがあります。だからこそ、昔膝を痛めた方の現在の身体を見るときには、膝だけで終わらせず、その上下にある股関節や足首、さらに骨盤や体幹まで確認することが大切だと考えています。

6.左右差が少なければ「元通り」と考えていい?

昔ケガをした側だけでなく反対側も年月とともに変化するため、左右差に加えて現在の動作を確認することが大切だと示した図。
身体の状態を確認するとき、「右と左が同じか」という比較はとても分かりやすい方法です。

昔右膝をケガした方であれば、右脚と左脚の筋力や片脚立ち、しゃがむ動作などを比較すると、現在の特徴を把握する手掛かりになります。

ただし、ここでも一つ注意したいことがあります。

左右差が少ないことだけで、昔の状態まで完全に戻ったと判断するのは難しいという点です。

反対側も同じ年月を過ごしている

例えば20歳のときに右膝をケガして、現在50歳だとします。

その30年間で変化しているのは、ケガをした右脚だけではありません。反対側の左脚も同じように30年経過しています。

学生時代には毎日運動していたのに、社会人になって座る時間が増え、運動する機会が減っていれば、左右両方の筋力や身体機能が変化している可能性があります。

つまり、現在右と左が同じくらい動いていたとしても、それだけで「学生時代の身体に戻っている」と考えることはできません。

研究でも、ケガをした側の改善だけではなく、反対側の機能が変化することで左右差が小さくなる場合が報告されています。

だからこそ当院では、左右を比べることに加えて、現在その動作をどの程度行えるのか、どこを使って動いているのか、そして日常生活のどの場面で困っているのかを合わせて確認することが重要だと考えています。

7.昔の膝のケガを「今の痛みの原因」と決めつけず、現在の身体を見る

昔の膝のケガだけで現在の痛みを決めつけず、その後の生活や活動量の変化、現在の身体と動作まで確認する考え方を示した図。
ここまで読むと、「昔膝をケガしたから、今の膝や腰、股関節の痛みにつながっているのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、昔のスポーツ外傷だけで、現在感じている痛みの原因を決めることはできません。

学生時代に膝をケガしてから現在までには、長い年月があります。

仕事、運動習慣、活動量、体重、睡眠、過去の別のケガなど、身体を取り巻く条件も変化しています。40代、50代になって初めて膝が痛くなったのであれば、その間に身体へ加わってきたさまざまな要素も一緒に考える必要があります。

昔のケガは「現在の身体を知るための情報」の一つ

だからといって、昔のケガをまったく無視する必要もありません。

昔どこを痛め、その後どのように復帰し、現在どのような身体の使い方になっているのか。この流れを確認することで、今困っている動作を見るための手掛かりになることがあります。

今回の膝だけでなく、第1回で取り上げた肉離れ、第2回の足首捻挫も同じです。

昔のケガそのものを現在の痛みの原因と決めつけるのではなく、「昔のケガを経験した身体が、現在どのように動いているのか」を確認する。

これが、このシリーズを通してお伝えしたい大切な考え方です。

昔スポーツで膝を痛めたことがあり、現在は「膝そのものはそれほど痛くない」という方でも、最近になって歩きにくさを感じたり、階段で片脚に力が入りにくかったり、膝だけでなく腰や股関節にも違和感を感じたりすることがあります。

そのような場合には、昔のケガだけを見るのでも、現在痛い場所だけを見るのでもなく、過去から現在までの身体の変化と、今困っている動作を一緒に確認していくことが大切です。

大分駅前整体院では、昔のケガの場所だけにとらわれず、足首・膝・股関節・骨盤・体幹など身体全体の動きや、歩行、立ち上がり、階段といった現在困っている動作を確認しながら身体の状態を考えていきます。

「昔の膝のケガなんて、もう関係ないと思っていた」
「痛い場所だけ施術しても繰り返している」
「昔スポーツで何度もケガをしたけれど、今の身体と関係があるのか知りたい」

このような方は、一度現在の身体の使い方まで確認してみてください。

そして次回はいよいよ、このスポーツ外傷シリーズの最終回です。

これまで取り上げてきた肉離れ、足首捻挫、膝のスポーツ外傷という「昔のケガ」と、40代・50代になった現在の腰・股関節・膝などの悩みを、どのようにつなげて考えればよいのかをまとめていきます。

昔のケガがあるから現在痛い、と単純につなげるのではありません。

「昔どこをケガしたか」から「今どのように身体を使っているか」へ。

最終回では、これまでの3回を振り返りながら、過去のスポーツ外傷と現在の身体を考えるときに大切な視点についてお伝えします。

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河野貴彦
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河野貴彦(整体)

大分駅前整体院

体の不調が増え始める40~50代の方の腰・股関節・膝の痛みに対して、当院独自の痛くない骨盤調整を中心に、無理のない施術でスムーズに立てる・歩ける・働ける体に整えます。

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