股関節痛|病院で異常なしと言われたのに痛い理由

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「股関節の軟骨がすり減っていると言われた人が注意したい生活動作」という内容です。
股関節の痛みが続いて整形外科で検査を受けたときに、「股関節の軟骨がすり減っています」「変形性股関節症の傾向があります」と言われることがあります。
このように言われると、多くの方は「軟骨がすり減ったから痛い」「もう元には戻らないのでは」と不安になります。しかし、股関節の痛みは、軟骨のすり減りだけで決まるものではありません。
軟骨には痛みを感じる神経がほとんどないため、画像上で軟骨のすり減りが見られても、痛みの強さと必ず一致するわけではありません。大切なのは、なぜ股関節に負担が集中し続けたのかという視点です。
股関節は、骨盤・腰・膝・足首・足裏と連動して体を支える関節です。日常生活の中で、姿勢の崩れ、歩き方のクセ、骨盤の傾き、股関節まわりの筋肉の硬さ、足裏の重心の偏りなどが重なると、股関節の一部分に負担が集中しやすくなります。その状態が長く続くことで、軟骨や関節周囲の組織に負担がかかり、痛みや動かしにくさにつながることがあります。
今回は、股関節の軟骨がすり減っていると言われた方が注意したい生活動作について詳しく解説します。
目次
1. 軟骨のすり減りは「結果」であり、痛みの原因を決めつけないことが大切
4. しゃがむ・正座・あぐら・低い椅子は股関節を深く曲げるため注意が必要
1. 軟骨のすり減りは「結果」であり、痛みの原因を決めつけないことが大切

股関節の軟骨がすり減っていると言われると、どうしても軟骨そのものに意識が向きます。しかし、股関節の痛みを考えるうえでは、軟骨のすり減り=痛みの直接原因と単純に考えないことが大切です。
軟骨には痛みを感じる神経が少ない
関節軟骨は、骨と骨がぶつからないようにクッションのような役割をしています。ただし、軟骨そのものには痛みを感じる神経がほとんどありません。そのため、画像上で軟骨がすり減っていても、痛みが強い人もいれば、あまり痛みを感じない人もいます。
痛みが出やすいのは、軟骨そのものよりも、股関節のまわりにある関節包、靭帯、筋肉、腱、滑膜、骨膜などに負担や炎症が加わったときです。つまり、痛みを考えるうえでは、股関節にどのような負担が加わり続けているのかを見る必要があります。
股関節に負担が集中する背景
股関節は体重を支える大きな関節です。歩く、立つ、階段を上る、しゃがむ、座る、立ち上がるといった動作のたびに、体重以上の力が股関節に加わります。
本来であれば、その負担は腰、骨盤、股関節、膝、足首、足裏に分散されます。しかし、骨盤が傾いていたり、股関節の動きが硬くなっていたり、膝や足首の使い方にクセがあったりすると、股関節だけに負担が集まりやすくなります。
その結果、股関節の一部分に圧力が集中し、関節まわりの組織が刺激され、痛みや違和感が出やすくなります。軟骨のすり減りは、そのような負担が長期間続いた結果として起こることが多く、本当に見直すべきなのは「股関節に負担が集まり続ける体の使い方」です。
2. 長時間歩く・立ちっぱなしは股関節に負担が蓄積しやすい

股関節の軟骨がすり減っていると言われた方が注意したい生活動作のひとつが、長時間の歩行や立ちっぱなしです。
歩くこと自体は健康に良い運動ですが、股関節に痛みや違和感がある状態で無理に歩き続けると、かえって股関節への負担が増えることがあります。
歩行時の股関節には大きな力がかかる
歩いているとき、股関節には体重を支える力だけでなく、片足で体を支える力、骨盤を安定させる力、足を前に出す力が同時に加わります。特に片足で立つ瞬間には、股関節まわりの筋肉が骨盤を支えようとして強く働きます。
このとき、中殿筋や腸腰筋、大腿四頭筋、内転筋などがうまく協調して働けば、股関節への負担は分散されます。しかし、骨盤が左右に揺れやすい、足裏の重心が外側や内側に偏る、膝が内側に入りやすい、腰が反りやすいといったクセがあると、股関節の一部に圧力が集中しやすくなります。
「歩けば良くなる」と思い込まない
股関節のために歩いた方がいいと考えて、痛みを我慢して長時間歩く方もいます。しかし、痛みが出ている状態で歩き続けると、股関節まわりの筋肉が防御的に硬くなり、関節の動きがさらに悪くなることがあります。
大切なのは、ただ歩数を増やすことではありません。股関節に負担が少ない歩き方ができているかが重要です。歩いたあとに股関節の前側、足の付け根、お尻、太ももの外側に痛みが強くなる場合は、歩行の中で股関節に負担が集中している可能性があります。
3. 階段・坂道・段差は股関節への圧力が増えやすい

階段の上り下りや坂道、段差の多い場所も、股関節の軟骨がすり減っていると言われた方が注意したい動作です。
平地を歩くよりも、階段や坂道では股関節を大きく曲げたり、体を持ち上げたりする必要があります。そのため、股関節にかかる負担が増えやすくなります。
階段を上るときの負担
階段を上るときは、片足で体重を支えながら、反対の足を一段上に持ち上げます。このとき股関節は深く曲がり、太ももを引き上げる腸腰筋や、体を押し上げるお尻の筋肉が働きます。
股関節の動きが硬い方は、本来股関節で行う動きを腰や膝で代償しやすくなります。すると、骨盤が前後左右にぶれ、股関節の前側や外側に負担が集まりやすくなります。
階段を下りるときの負担
階段を下りるときは、上るとき以上に注意が必要です。下りでは、体重を受け止めながら膝と股関節をコントロールする必要があります。太ももの前側やお尻の筋肉がうまく働かないと、股関節に衝撃が伝わりやすくなります。
特に、足をドンと着く、手すりを使わずに急いで下りる、痛い側の足で踏ん張るといった動作は、股関節に余計な圧力を加えやすくなります。階段は筋力だけでなく、骨盤と股関節の連動が必要な動作です。
4. しゃがむ・正座・あぐら・低い椅子は股関節を深く曲げるため注意が必要

股関節の軟骨がすり減っていると言われた方にとって、しゃがむ、正座、あぐら、低い椅子に座るといった動作は注意が必要です。
これらの動作は、股関節を深く曲げる姿勢になります。股関節の曲がる角度が大きくなるほど、関節の前側や奥の部分に圧迫が加わりやすくなります。
深く曲げる動作で股関節が詰まりやすい理由
股関節は、骨盤の受け皿に太ももの骨の頭がはまり込む構造をしています。股関節を深く曲げると、太ももの骨の頭が関節の前方や上方に近づき、関節包や筋肉、腱に圧迫や摩擦が起こりやすくなります。
股関節の可動域が十分にある方であれば、骨盤が自然に動きながら負担を逃がせます。しかし、骨盤が後ろに倒れやすい、腰が丸まりやすい、股関節の前側が硬い方は、股関節だけで無理に曲げようとしてしまいます。
その結果、足の付け根に詰まり感が出たり、立ち上がるときに痛みが出たりしやすくなります。
床生活が負担になりやすい理由
床に座る生活では、股関節を深く曲げる時間が長くなります。正座やあぐら、横座りは、股関節だけでなく骨盤や腰にも偏った負担をかけます。
特に横座りは、左右どちらか一方の股関節にねじれが加わりやすく、骨盤の傾きも強くなります。長年同じ座り方を続けていると、股関節まわりの筋肉のバランスが崩れ、片側の股関節だけに負担が集まりやすくなります。
股関節に不安がある方は、床生活をできるだけ減らし、椅子やベッドを使う生活に変えることが負担軽減につながります。生活動作を変えることは、股関節を守るための大切な対策です。
5. 重い荷物・片足重心・体をひねる動作は股関節に偏った負担をかけやすい

買い物袋を片手で持つ、バッグをいつも同じ肩にかける、片足に体重を乗せて立つ、体をひねって物を取る。このような何気ない動作も、股関節に負担を集中させる原因になります。
股関節は左右対称に使われているように見えて、実際には日常生活のクセによって左右差が出やすい関節です。
片側荷重で股関節に負担が集まる理由
片足重心になると、骨盤は体重を乗せている側に傾きやすくなります。その傾きを支えるために、お尻の外側にある中殿筋や小殿筋が強く働きます。
この筋肉がうまく働いていれば骨盤は安定しますが、筋力低下や筋肉の硬さがあると、骨盤が横に逃げたり、腰で支えたり、膝が内側に入ったりします。その結果、股関節の外側や前側に負担が集中しやすくなります。
重い荷物を持つと、その負担はさらに大きくなります。特に片手だけで荷物を持つと、体が傾かないように反対側の腰や股関節が強く働きます。これが繰り返されると、股関節まわりの筋肉が緊張し、関節の動きが悪くなりやすくなります。
ひねる動作で関節にねじれが加わる
股関節は曲げ伸ばしだけでなく、内側や外側に回す動きもあります。しかし、股関節の回旋が硬くなっている方が無理に体をひねると、股関節ではなく腰や膝で動きを代償しやすくなります。
たとえば、立ったまま後ろの物を取る、車の乗り降りで足をねじる、掃除機をかけながら体をひねるといった動作では、股関節にねじれの負担が加わります。
股関節に痛みがある方は、体だけをひねるのではなく、足の向きを変えて体全体で向きを変えることが大切です。股関節はねじれに弱い状態になると、日常の小さな動作でも痛みが出やすくなります。
6. 股関節に良い運動も、やり方を間違えると負担になる

股関節の軟骨がすり減っていると言われた方は、運動やリハビリを勧められることがあります。代表的なものには、股関節まわりの筋力トレーニング、水中歩行、エアロバイク、ストレッチなどがあります。
これらは股関節の負担軽減に役立つことがありますが、やり方を間違えると逆に痛みを強めることもあります。
中殿筋の運動の意味
中殿筋は、骨盤を横から支える大切な筋肉です。歩くときに片足立ちになる瞬間、骨盤が左右に大きく揺れないように支えています。
中殿筋がうまく働かないと、歩行時に骨盤が横に落ちたり、体が左右に揺れたりします。その結果、股関節の一部に負担が集中しやすくなります。中殿筋の運動は、股関節そのものを鍛えるというよりも、歩くときに股関節へ負担が集中しないように骨盤を安定させる目的で行います。
ただし、横向きで足を上げる運動などを強くやりすぎると、股関節の外側が張ったり、腰で代償したりすることがあります。痛みを我慢して回数を増やすのではなく、骨盤がぶれない範囲で小さく丁寧に行うことが大切です。
腸腰筋・お尻・太ももの柔軟性も大切
股関節の前側にある腸腰筋が硬くなると、骨盤が前に引っ張られたり、腰が反りやすくなったりします。その状態で歩いたり立ったりすると、股関節の前側に詰まり感が出やすくなります。
一方で、お尻の筋肉が硬くなると、股関節を外に開く動きや内側にひねる動きが制限されます。太ももの前側や内側が硬くなることも、股関節の動きを悪くする原因になります。
ストレッチは大切ですが、無理に強く伸ばす必要はありません。股関節に痛みがある方が強く開脚したり、深くしゃがむようなストレッチをしたりすると、関節に圧迫やねじれが加わることがあります。気持ちよく伸びる範囲で行い、痛みや詰まり感が出る動きは避けることが基本です。
水中歩行やエアロバイクの注意点
水中歩行は浮力によって股関節への荷重が軽くなるため、股関節に不安がある方にも取り入れやすい運動です。ただし、水の中だから大丈夫と思って大股で歩きすぎると、股関節の前側に負担がかかることがあります。歩幅は小さめにし、骨盤が左右に揺れないように意識することが大切です。
エアロバイクも股関節への衝撃が少ない運動ですが、サドルが低すぎると股関節を深く曲げる姿勢になり、足の付け根に詰まり感が出やすくなります。股関節に不安がある方は、無理に負荷を上げず、軽い負荷で股関節がスムーズに動く範囲から行うことが大切です。
運動は「やればやるほど良い」ものではありません。股関節に負担が集中している状態では、運動そのものよりも、どの動きで痛みが出るのか、どの筋肉がうまく働いていないのかを見極めることが重要です。
7. 股関節を守るには「生活動作」と「体の歪み」を一緒に見直すことが大切

股関節の軟骨がすり減っていると言われた方は、正座やあぐら、長時間歩行、階段、しゃがむ動作、重い荷物、片足重心などに注意する必要があります。
ただし、これらの動作をすべて避ければ良いというわけではありません。生活の中で完全に避けることは難しく、避け続けることで筋力や活動量が落ちてしまうこともあります。
大切なのは、なぜその動作で股関節に負担が集中しているのかを見直すことです。
股関節の痛みは、股関節だけの問題として起こるとは限りません。骨盤が傾いている、腰の動きが硬い、膝が内側に入りやすい、足首が硬い、足裏の重心が偏っている。このような体全体の歪みや使い方のクセがあると、股関節に負担が集まりやすくなります。
セルフケアや運動は大切ですが、股関節の軟骨がすり減っていると言われる段階では、すでに長い期間、股関節に負担がかかり続けていた可能性があります。そのため、ストレッチや筋トレだけで何とかしようとするよりも、まずは股関節に負担が集まり続けている体の状態を見直すことが大切です。
大分駅前整体院では、股関節の痛みを軟骨だけの問題として見るのではなく、腰、骨盤、股関節、膝、足首、足裏のつながりから確認していきます。
軟骨のすり減りは、股関節に負担が加わり続けた結果のひとつです。だからこそ、今より悪くなる前に、股関節だけでなく体全体のバランスを整えることが大切です。
股関節の軟骨がすり減っていると言われて不安な方、歩くと足の付け根が痛い方、階段や立ち上がりで股関節に違和感がある方は、無理に我慢せず、体全体の使い方を見直していきましょう。


