Mybestpro Members

利光哲哉プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

「中国系AIが世界を席巻?」Yahoo!ニュースのランキングから読み解く、データの裏側と中小企業の正しい付き合い方

利光哲哉

利光哲哉

テーマ:DX、生成AI、AIエージェント

はじめに:ニュースのランキングを見て驚かれた方も多いのでは?

先日、Yahoo!ニュースに掲載された「利用量上位の生成AIモデル」のランキング記事を目にして、「おや?」と思われた経営者の方も多いのではないでしょうか。
▼参照記事(Yahoo!ニュース):
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bb5b9fba022310f9d0993586a80a9f8f4fb72ba
生成AIといえば、ChatGPT(OpenAI)やGoogleといったアメリカの巨大IT企業がトップを独占しているイメージがありますよね。ところが今回のデータでは、1位の「ディープシーク(DeepSeek)」をはじめ、テンセントやシャオミなど、なんと上位10枠中8枠を中国発のAIモデルが占めるという驚きの結果になっていました。
「中国のAIがアメリカを逆転したの?」「会社のデータが漏れたりしない?」と不安や疑問を抱かれた方もいらっしゃるはずです。

しかし、このデータを見る際には「AI業界全体のシェアを表しているわけではない」という前提(データの出どころと偏り)を正しく理解しておく必要があります。今回は、このデータの真実と、中小企業経営者が押さえるべき「賢い向き合い方」を解説します。

ランキングを冷静に読み解く「3つの注意点」

1. 一般ユーザーの利用量は含まれていない(OpenRouterの集計)
このランキングは、米「OpenRouter(オープンルーター)」という特定のサービス内の集計です。私たちが普段スマホアプリやブラウザで使っている公式の「ChatGPT」「Google Gemini」「Microsoft Copilot」などの莫大な利用量は、ここには1ミリも含まれていません。
2. コストに敏感な「エンジニアや個人開発者」が集まる場所
OpenRouterを利用しているのは、主に世界中のプログラマーやオープンソースAIの愛好家たちです。彼らは「API料金の安さ」や「モデルを自由に組み替えられる実験性」を最も重視します。そのため、圧倒的にコスパの良い中国系モデルにリクエストが集中しやすい構造になっています。
3. 大企業の安全な商用トラフィックは別ルート
セキュリティや法令遵守を重視する一般企業は、機密保持契約が結べる「Azure OpenAI」や「Google Cloud」「AWS」などを直接契約して利用しています。そうしたビジネス市場の巨大な利用量も、今回のデータには反映されていません。

とはいえ見逃せない「紛れもない事実」

では、私たち中小企業はこれらとどう付き合うべきでしょうか。ポイントは「頭ごなしに拒絶するのではなく、データの種類と経路で切り分けること」です。
1. 安全性の考え方(データの送信先)

  • 中国のサーバーに直接送るのは避ける:中国の法制度(国家安全法等)のリスクがあるため、顧客データや社内の財務情報などの機密データを中国本土のサーバーへ直接送信するのは避けるのが鉄則です。
  • 安全な中継や自社クラウドで動かす:今回話題になったOpenRouterのような信頼できる第三者サービスを経由したり、公開されている設計図をもとに自社のセキュアなクラウド(Azure等)内で動かす場合は、データが中国本土に流れる心配はありません。

2. 中小企業ならではの「適材適所」戦略
資本力に限りがある中小企業こそ、この「超低コストモデル」の恩恵を受けられます。

  • 顧客情報や経営機密を扱う業務:セキュリティが保証されたエンタープライズ環境(Azure OpenAIやGoogle Cloudなど)を使い、万全の防御を固める。
  • 社内の定型作業、大量のテキスト要約、プログラム開発・検証:OpenRouterなどを活用し、格安で高性能なモデル(ディープシーク等)を割り当てて開発・運用コストを極限まで圧縮する。

まとめ:数字のインパクトに惑わされず、自社の武器にする

ニュースのセンセーショナルな見出しだけを見ると、「中国AIに席巻されたのか」「危ないから一切触らないでおこう」と極端な判断になりがちです。
しかし経営において大切なのは、「データの出どころを見極め、技術の強みとリスクを冷静に天秤にかけること」です。
超低コストなオープンモデルの台頭は、うまく使いこなせば中小企業のDXや自社開発のハードルを一気に下げてくれる強力な追い風になります。
守るべきものは厳重に守り、効率化できるところは賢くコストを削る
そんな「したたかなAI戦略」を一緒に進めていきましょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

利光哲哉
専門家

利光哲哉(DXコンサルタント)

利光コンサルティング

約40年のIT実務経験と大学での教育・研究実績を基に、生成AIをスマホ等で活用するなど中小企業のDXの最初の一歩からを支援。社員が主役の業務改革を支援します。企業に「テクノロジーの民主化」を!

利光哲哉プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

社員の意識変革から中小企業のDX化を推し進めるプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大分
  3. 大分のビジネス
  4. 大分の経営コンサルティング
  5. 利光哲哉
  6. コラム一覧
  7. 「中国系AIが世界を席巻?」Yahoo!ニュースのランキングから読み解く、データの裏側と中小企業の正しい付き合い方

利光哲哉プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼