「美肌&健康歯肉」を目指して~吸収編~
前回のコラムでは、「美肌と歯周病の意外な関係」として美肌のもととなる「皮膚コラーゲン」は健康で丈夫な歯ぐきのもとである「歯肉コラーゲン」と同じであるという視点からコラーゲン合成についてお伝えしました。今回は番外編の概論として、なぜ歯科医師である私がそのようなことを伝えるのか?についてご説明いたします。
突然ですが、皆さんに1つ質問です「老化は誰もが逆らうことができない現象ですが、身体の器官(部位)のなかで早く老化が現れるのがどの器官かご存知でしょうか?」ご自身又は身の回りの方をみて、何となくでいいので想像してみてください・・・・。
恐らく、百人百様とまではいかないまでも、いろいろな器官を挙げられることと思います。私なりの答えは、最近読んだ本の中にありました。それは:「目、歯、マラ」。(女性の方スミマセン、、、ネットでも載ってるのでそのまま記載します。)しかもコレって最近の言葉ではないみたいです。皆さんの想像や実感と一致していましたか?ここ数年、老眼を自覚している私にとっては「確かに!」と思えた次第です。では、なぜ「目、歯、マラ」なの?と思いますよね?実は、私が読んでいた本というのが「毛細血管」に関する本なのです。そして、「目、歯、マラ」は体の表面(目に見えるという意味で)にあり、毛細血管が多い組織・器官ということなのです。毛細血管が多い組織というのは血液を通してそれだけ「酸素」や「栄養」、もちろん「免疫細胞」も豊富に供給されるべき器官であるはずなのですが、血液の「糖化(こげ)」や「酸化(さび)」など老化を伴う影響によりこれらが供給不足となって機能不全が起こるという訳なのです。
「ということは」です。毛細血管が多い組織に老化の影響が早く出てくるということは、歯肉より皮膚への影響が遅いという意味ですから、逆に皮膚に影響が出てきて美肌に取り組む時には既に歯肉には影響は受けているはずではないでしょうか?
どうでしょう?ご自身の歯肉の健康状態が気になって来ましたか?
歯ぐきの健康のためとして栄養のことまで話す歯医者はあまりいないと思いますが、毛細血管の悪い影響は当然、体内(見えないというだけで、身体の内側の方が内臓など毛細血管豊富な器官が多いので)も関係しているはずですので、見えないだけに体内の機能不全の進行具合は尚更気になるのではないでしょうか?(私の考えとしてはこの状態が俗にいう「未病」だととらえています)
「皮膚コラーゲン」も「歯肉コラーゲン」も組織にコラーゲンの材料(栄養)が届かないと合成できません。なんとなくでも、健康歯肉へのアプローチの意義をご理解いただけたでしょうか?次回からは改めて、うまく材料(栄養)を届けるための4ステップについて1ステップずつお伝えする予定です。