「泣いてすませるのはずるい」と言われたこと、ありませんか?

松尾聡子

松尾聡子

テーマ:夫婦関係の悩み

子どもが駄々をこねたり、
ぐずったりして
泣いて自分の言い分を通そうとすることを

大人になってまで続けているのは
確かに「ずるい」かもしれません。

でも、大人だって
悲しいこと、悔しいこと、嬉しいこと、
いろんなことで、涙を流すことはあります。

それを全部「ずるい」とくくられて
自分の感情を押し殺すしかない、という状況は
単なるぐずりや、駄々っ子とは違います。

今日は、泣くことに罪悪感を持ってしまう方に
ぜひ読んでいただきたいです。




●「自分のために泣いてはいけない」

カウンセリングでは
クライアントさんが思わず涙を流してしまう・・・
そんな場面も多いです。

そんなときに
「泣いてしまって、ごめんなさい」

とおっしゃる方も
じつは多いんです。

カウンセリングというのは
自分の感情と向き合ったり、
吐き出したりする場なので

その過程で涙を流すことは
むしろ当然のことですし、全然OKです。

でも、中には
「自分のために泣いてはいけない」
「泣くのはずるいこと、弱いこと」

と、思っている方もいらっしゃいます。



●泣いてしまうことへの罪悪感

こういう場合、これまでに親や夫に

「泣いてすませるのはずるいことだ」
「女は泣けばいいと思っている」

などと言われたことがあって

知らず知らずのうちに、
泣くことに罪悪感を植え付けられてしまった、

ということがあるんです。

特に、セックスやスキンシップを
拒否していると

「自分が悪いのに、泣いてはいけない」
と思ってしまうし、

拒否されている方も
「自分が悪いくせに、泣くなんてずるい」と

どちらも罪悪感を感じたり
感じさせるのが当然と思ってしまいがちです。



●自分の感情は、自分のもの

ここで、思い出していただきたいのが

「自分の心と身体は、自分のものである」
という大原則です。

自分の感情だって、同じです。

感情を感じることに、
いいも悪いもありません。

ただ「その人がそう感じた」という事実が
そこにあるだけなんですね。

誰かに指示されて
自分の感情を決める必要は
まったくありません。

そして、どんな感情にも
その感情が生まれたのには
必ず大事な理由があります。

それを、ただ「悪いことだ」
と押さえつけるだけでは

その大事な理由が置き去りになるだけで
何にも解決しないんです。



●「泣くのはずるい」と言ってしまう理由

「泣くのはずるい」と言って
罪悪感を与えるのは

無意識のうちに
泣かせないことで、相手を操作したい、
と思っていることがあります。

相手が泣くほどイヤなことが
自分に都合の悪いことならば、

それを封じこめられるからです。

なにより、泣かせた罪悪感から
目を背けることができます。

もしも
「オレはこんなにキミを思っているんだ。
なのに、泣いてすませようとするのはずるい」

と言われたりすると

自分を大事に思ってくれる人を
泣くことで傷つけているようで

「泣きたい自分が悪い」と
感じるかもしれません。



●本当に大切ならば

でも、ちょっとだけ
立ち止まって考えてみてください。

本当に相手を大切に
思ってくれる人は

その大切な人の心を、感情を、
大切に扱ってくれるはずです。

自分のために、
相手の感情を犠牲にしていいとは、
きっと思わないはずです。

だから、自分のために
泣いたり、笑ったりするのは
全部大丈夫です。

自分の感情と、自分の人生を、
堂々と取り戻してくださいね。

夫婦関係のヒントは
こちらも参考にしてください。


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松尾聡子
専門家

松尾聡子(カウンセラー)

Le Port(ル・ポール)

聞いて終わりではない、変化を起こすカウンセリング。知識だけではなく、実際に普段の生活ですぐに役立つ心のスキルを伝える講座。

松尾聡子プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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