「うちの子には、どう伝える?」性教育のはじめの一歩

松尾聡子

松尾聡子

テーマ:子育て・親子関係

夫婦の性生活について
悩んでいる方には

お子さんの性教育についても
真剣に考えていらっしゃる方が多いです。

「うちの子には、どうやって
性のことを伝えればいいんだろう?」

カウンセリングでも、ときどき
そんなご相談をいただきます。

お子さんの年齢や性別、
発達段階や家庭環境によっても
伝え方というのは変わってきますし、

なかなか難しい問題です。

今日はそんな伝え方の
最初のステップをお伝えします。




●学校にお任せする?

性教育は大切だと思うけれど

いつから、どんなふうに
教えたらいいのかと迷ってしまうものです。

その結果、
性教育は学校にお任せしている、
という場合も多いと思います。

ただ、学校では
生理や妊娠などの身体の仕組みは
教えてくれても

性に対する心のあり方までは
踏み込んで教えてくれません。

海外では
「自分の心と身体は自分のものである」
「誰にも自由にさせてはいけない」

ということを、早い時期から
きちんと教えている国もあります。

性についての考え方は
人としての基本的な尊厳にも
深く関わるものですが

どうしても「興味本位」に偏ったり
「恥ずかしいもの」
として扱われてしまいがちです。

日本ではまだまだ
遅れているなあ、というのが実感です。



●親が教えてあげられること

そんな状況ですが、
学校だけでなく、
親が教えてあげられること、

いくつからでも、誰にでも、
教えてあげられることもあります。

性教育の「はじめの一歩」は
じつはとってもシンプルです。

それは
「触られて、イヤなときは、イヤだと言っていいんだよ」

と伝えることです。

子どもの頃は、
親や親戚から抱っこされたり、
なでられたり、ほっぺにキスされたり、

多くの人に
経験があると思います。

それが、心地よさや
安心感につながるものなら
上質なスキンシップといえます。

ただ、お尻を触られたり、
執拗にキスされたりして

なんかイヤだな、気持ち悪いな、
と思って嫌がると

「可愛げがないねー」とか
「かわいいからチューしたいんだよ」
などと言われたり

「この子は人見知りなんだから」とか
「ほら、おじさんにチューさせなさい」とか

守ってくれるはずの親にも
強制されてしまったり。

親自身も
「愛情表現なんだから当然だ」と

親としての当然の権利と
思っている場合もあります。

そうして、軽い気持ちで
子どもの「イヤ」を
封じ込めてしまうことがあるんです。



●誤ったメッセージが「信念」となる

どんなに小さな子どもでも、
心と身体は、
その子どものものです。

でも、

親だから、世話をしているから、
かわいいと思っているんだから、

触りたいときに触って当然だ、
拒否する方がおかしい。

そのメッセージは、
子どもの心にストーンと入って

「信念」になってしまいます。

自分のことを「好きだ」と言ってくれる人を
拒否してはいけない。

自分によくしてくれる人、
世話をしてくれる人、
食べさせてくれる人、

それは愛情なんだから
断るなんて、自分が悪いし、
相手に対して申し訳ないことである。

そんな信念が根付いてしまいます。

そして、それは
時に、相手にも強制してしまうことになります。

イヤだという相手に

「それはおかしいでしょ」
「人としてどうよ」

と言うようになってしまうのです。



●本当に伝えるべきこととは

子育てをしている中では

スキンシップ以外でも
言うことを聞かせたくて、

つい「わがまま言わないの」と、
「イヤ」を封じこめてしまいがちです。

「イヤ」と言ってはいけない、という
子どもの頃に強く入った信念は
なかなか変えられないものです。

「イヤだと言ってはダメ」
ではなく

「イヤを解決するには、どうしたらいいか」
ということ、

そして
「どうやってイヤを伝えるか」

ということを
子どもが自分で考え、

自分の心と身体を
自分で守れる力を身につけること、

そこが性教育でも
とても大事なことだと思っています。

「うちの場合はどうだろう?」
「わが家に合った伝え方を知りたい」
という方は、

こちらでお話を聞かせてくださいね。


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松尾聡子
専門家

松尾聡子(カウンセラー)

Le Port(ル・ポール)

聞いて終わりではない、変化を起こすカウンセリング。知識だけではなく、実際に普段の生活ですぐに役立つ心のスキルを伝える講座。

松尾聡子プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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