「気がついたら、最悪の事態・・・」を避ける方法
私たちの周りには
「そんなこと、きれいごとだよ」
で片付けられることがあります。
たとえば、夫婦にとって
セックスさえすれば仲良くなれるのではなく
心と心の結びつきを先に築こう、とか、
核兵器なんて使わずに
話し合いで解決しよう、とか。
今日は、そんな「きれいごと」について
書いてみました。
●長崎のふつうは、全国のふつうではない
私が住む長崎では
今年は被曝80周年ということで
さまざまな取り組みが行われていました。
もちろん、今年だけでなく
私が子どもの頃から、長崎の小中学校では
8月9日は登校日となっており、
学校の宿題や校外学習などで
原爆がテーマとなることも多く
平和や原爆についての学びは
日常になっていました。
広島に原爆が投下された
8月6日の8時15分、
そして長崎に投下された
8月9日の11時2分はサイレンがなり、
黙祷します。
また、毎月9日の11時2分は
防災無線で「千羽鶴」の音楽が流れます。
こんなふうに、
長崎でふつうに行われていることは
実は全国的にはふつうでないことを、
今は知っています。
※被曝クスノキがデザインされたラッピング路面電車
●「原爆は、正しかった」と言われて
十数年前、東京で知人に
こんなふうに言われたことがありました。
「原爆を落としたからこそ、
戦争を終わらせることができた。
だから、原爆は正しかった」
同じ日本人に言われたことが、
当時の私にはすごくショックで、
怒りや悲しみというより
「こんなふうに考える人が存在するんだ」
という驚きと、怖さで、
その人とはそれ以来、
話せなくなってしまいました。
今は私も、そういう考えがあるのだと、
理解することはできます。
今年、被曝80周年ということで
原爆に関する投稿が増えていましたが
その中に「原爆は正しかった」
という意見を見かけることがあり、
そして、それに賛同する人が
意外と多いということも、
悲しくはありますが
なるほどな・・・
という思いで見ていました。
※爆心地から500mの浦上天主堂と被曝した聖人像
●「パーソナル・イズ・ポリティカル」
たしかに、当時の日本の考え方や
軍国主義の空気を変えることは
難しかったと思います。
政府も敗戦が見えていて、
本当は戦争をやめたいと思っていても
いろんな事情が絡まり合って
もう政府の判断だけでは
やめる決断ができなかったのでしょう。
でも、それでも、やっぱり、
原爆は落としてはいけなかった、
と思うんです。
それは、カウンセラーとしての
仕事を通して
さらに強く確信しています。
なぜかというと、
相手が話してもわからない相手だから、
力で言うことを聞かせるしかない、
それが善である、と、
それが正しいという考え方は、
国のレベルだけの話ではなく
家庭、学校、職場など、
日常の生活でも「それでいい」と
根付いてしまうと感じるからです。
以前、『御上先生』(日曜劇場)
というドラマで
「パーソナル・イズ・ポリティカル」
(The personal is political)
という言葉がありました。
訳すると
「個人的なことは政治的なこと」
になります。
まさに、これが
起きてしまうんですよね。
※長崎:原爆落下中心地碑
●どちらにも「肯定的な意図」がある
夫婦はセックスするべきなのに
したくないなんて、妻はわがままだ。
せっかく良かれと思って塾に行かせてるのに
行きたくないなんて
子どもは何もわかってない。
話してわからない相手なんだから、
怒鳴ったり、殴ったり、傷つけたりして、
言うこときかせるしかない。
なぜなら、それは
正義を貫くためだから
しょうがない。
こうした世界では、
力がある側が常に正義になります。
だけど、力があるもの、
力が強いものが考えることが、
すべて正義とは限りません。
だからこそ、伝える努力を放棄して
力で簡単に解決してはいけない。
なぜならば、どちらにも必ず
「そうせざるを得ない大事な理由」
つまり
「肯定的な意図」があるからです。
●「きれいごと」を現実にする努力をやめない
お互いの
「そうせざるを得ない大事な理由」を
理解できなくてもいいから、
受け入れなくてもいいから、
まずは、とことん聞いて、話して、
お互いの「肯定的な意図」を満たせる
新しい方法を見つけていく、
そんな努力を、
私たちはやめてはいけない。
それは、世界のレベルでも、
家庭のレベルでも。
「きれいごと」と言われるかも
しれませんが、
その「きれいごと」を
現実にする努力を
やめてはいけないと思うんです。
そして、最後にやっぱり、
どんな正義の大義名分があろうとも、
原爆が正しい、
ということだけは、絶対にない。
このことは、これからも
私の中では
揺るがないと思います。
※山王神社の被曝クスノキ
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