「一人で抱え込まない」ために。安心して相談するときの最初の一言

松尾聡子

松尾聡子

テーマ:こころの悩み

●悲しいニュースが続いています


最近、芸能人の方が、自らの命を絶つニュースが続いています。

いつもテレビやネットで見ている人だったり、

おまけに、いつ結婚したとか子どもが生まれたとか
プライベートな情報も知っていたりすると

向こうはこちらを知らないし、会ったことはなくても

なんとなく身近に感じて、
知り合いのような親近感を持つものです。

そんな人が、突然亡くなってしまうのは

知り合いをなくしてしまったような気持ちになるのも、
自然なことかもしれません。

●命を絶つほどの理由は、目に見えない

外見も、おそらく金銭的にも恵まれていて、
人気者で、売れっ子で仕事もあって

なのにどうして?と理由がいろいろと詮索されています。

でも、命を絶つほどの理由って、
実際には世間には出ないんだろうな、とも思います。

私も昔、カウンセラーになる前に、とても悩んでいたときに
「このまま、あのトラックの前に踏み出せばラクになれるのかな」
と、考えたことがありました。

でも、それで私が命を絶ったとしても
それこそ「え?どうして?」と思われただろうなと思います。

解決の糸口が見つからず、八方ふさがりで、どこにも逃げ場がない……
そんな心のうちは、周囲から目に見えないものだからです。


●誰かに話す、ということ

最近は、そういうニュースのあとに

「一人で抱え込まないで」
「誰かに話してください」

と、悩みの相談窓口の電話番号が紹介されるようになりました。

私も、自分がとても悩んでいるときに、カウンセリングに行ったことがあります。
残念ながらその時は、特に解決には至りませんでした。

それでも、話を聞いてもらうだけで少し気持ちがラクになりました。
誰にも話せないことを話す場があるだけで、心の支えになりました。

だから、やっぱり誰かに話すことは大事なんですね。


●話すことのマイナス面

でも、誰かに話すことで、逆に傷つくこともあります。

「そんなことで悩むなんて甘えている」とか
「それはあなたが悪いんじゃない?」とか
「あなたが変わらなきゃダメよ」とか

怒られたり、責められたりすることもあります。
「大したことない」と、軽く扱われることもあります。
あるいは、できそうもないアドバイスをされることもあるでしょう。

だけど、そのどれも、
悩んでいる相手を元気づけよう、励まそう、と
良かれと思ってやっていることです。

だからこそ、さらに追い詰められてしまうんですね。

実際、私のところにいらっしゃるクライアントさまも

今までにカウンセリングや心療内科に行ったり、
お友だちに相談したりして、
逆につらい思いをしたという方も多いです。

●安全に聞いてもらうために、大事な一言

それでも、やっぱり誰かに聞いてもらうだけで
少しでも気持ちがラクになることはあります。

言葉にすることで、状況を客観的に見ることができるようになり
そこで、自然と解決策が出てくることもあります。

そのためにも、安全に話を聞いてもらうときに、大切なことがあります。

それは、話を聞いてもらう前に
「アドバイスはいらないだから、ただ、聞いてくれる?」
と、一言、相手に伝えてから、話を聞いてもらう、ということです。

相手も、相談されると
「何かしらアドバイスをしなくちゃ」とプレッシャーになるものですが
(そうして、逆におかしなことを口走ったりします)

アドバイスはいらない、と最初に言われると、
安心して、ただ聞くことに専念できます。


●解決できない悩みはない

何よりも、今の自分に出てきている悩みは
今の自分が解決できる悩みです。

逆を言うと、解決できない悩みは出てこない、ということです。
だから、解決できる方法は、きっとあります。

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松尾聡子
専門家

松尾聡子(カウンセラー)

Le Port(ル・ポール)

聞いて終わりではない、変化を起こすカウンセリング。知識だけではなく、実際に普段の生活ですぐに役立つ心のスキルを伝える講座。

松尾聡子プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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