業務委託契約と雇用契約の違いは?
建設分野で特定技能の外国人を雇用する制度は、建設分野における担い手の確保を目的に、2019年度にスタートしました。
国土交通省によると、建設業務に携わる特定技能外国人の数は、2019年度に約250名、2020年度に約1300名となっています。
在留資格「特定技能1号」について
特定技能1号という在留資格には、次のような特徴があります。
・特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
・在留期間は1年(6ヶ月または4か月)ごとに更新され、通算で最長5年までです。
・技能水準は、試験等で確認します。技能実習2号を良好に修了した外国人は試験が免除されます。
・日本語能力水準は、生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認します。技能実習2号を良好に修了した外国人は試験が免除されます。
・家族の帯同は認められません。
・受入機関または登録支援機関による支援の対象です。
・自発的な意思に基づく転職が可能です。
建設業における特定技能1号の特徴
特定技能制度では、建設分野独自の仕組みがあります。
特徴的な仕組みは次の2つです。
①JAC
JACは、一般社団法人 建設技能人材機構の略称です。
JACホームページはこちら
建設業者団体等が共同で設立した法人で、建設分野における特定技能外国人の適正かつ円滑な受け入れを推進しています。
特定技能外国人を受け入れる全ての企業は、JACへの加入が義務付けられており、受入企業はJACに対し、受入負担金を納入する必要があります。(1人あたり月額12,500円~20,000円・コースにより異なる)
JACの事業内容は次のとおりです。
・適正な就労の監理
実際の業務をFITSへ委託しています。
・教育訓練や技能試験の実施
入国前の技能教育や日本語教育を実施します。
・無料職業紹介(求職と求人のマッチング)
受入企業は、JACから外国人材の紹介を受けることができます。
②FITS
FITSは、一般財団法人 国際建設技能振興機構の略称です。
FITSホームページはこちら
FITSは、JACが行う業務のうち、適正な就労の監理を受託して実施しています。
FITSは主に次の業務を行っています。
・受け入れ後講習
外国人に受け入れ開始から3か月以内をめどに受講させなければなりません。
・企業への巡回指導および外国人との面談
全ての受入企業に年1回以上行われ、巡回指導の結果は、国土交通省とJACに報告されます。
・母国語相談ホットラインの開設
中国語・ベトナム語・インドネシア語・フィリピン語・英語の5か国語で相談を受け付けており、日曜日も開設されています。
受入企業の要件
建設分野で特定技能外国人を受け入れるためには、企業が次の要件を満たす必要があります。
・JACへ加入すること
・建設キャリアアップシステムへ登録すること
・建設業許可を受けていること
・国土交通省へ受入計画の申請をし、認定を受けること
・出入国在留管理庁へ在留資格審査の申請をし、認定を受けること
・外国人を受け入れた後、受け入れ後講習を受講させること
・巡回指導等により、計画通りの適正な就労を行っているかどうか確認を受けること
・同一技能・同一賃金、月給制を採用すること、技能習得に応じて昇給すること
特定技能支援計画で求められる10の支援
受入企業は、外国人を受け入れる際に支援計画を作成しなければなりません。
計画の内容は、仕事上、日常生活上、社会生活上の多岐にわたります。
ここでは、主な10項目をご紹介します。
1.事前ガイダンス
2.生活オリエンテーション
3.相談や苦情への対応
4.転職支援
5.出入国の際の送迎
6.住居確保、生活に必要な契約の支援
7.公的手続等への同行
8.日本語学習の機会の提供
9.日本人との交流促進
10.定期面談、行政機関への通報
これらは、受入企業が自社で行うか、登録支援機関に一部または全部を委託するかを選択可能です。
また、1.2はFITSの、3.4.はJACのサポートを受けることができます。
登録支援機関とは
登録支援機関については、以前のコラムでご紹介しています。ご一読ください!
長崎で登録支援機関を登録!のコラムはこちら
特定技能ビザで外国人を雇用した後にすべきことは?のコラムはこちら
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大切な人材を適正に受け入れるために、まずは制度をしっかりと知る必要があります。
外国人雇用でお悩みの方は、ぜひご相談ください。