DIY断熱リフォーム
連日キビシイ寒さが続いていますね。
「今年はやけに寒い」
そんな声も聞こえてきますが果たして本当でしょうか?
冬来りなば春遠からじ
ではありますが、本格的な冬はまだこれからなのかもしれません。
|天井裏で起きていること
この時期「寒い家をなんとかあたたかくできないか?」というご相談が多く寄せられます。
・ガラスに大量の結露→結露水が凍って窓が開かない→内窓設置、ガラス交換
・押入の中で結露→布団が湿ってしまう・カビが発生している→断熱強化、開放式暖房器具を使用しない
・暖房をしてもなかなか暖まらない→断熱材がない・隙間が多い→熱の逃げ口を閉じる
というような説明になってゆくわけですが、今回は小屋裏(天井裏)でどのようなことが起きているかをお伝えします。
前出の写真は、とある長野市内の調査物件の小屋裏の様子です(1/18 外気温0℃)
天井裏を覗くと100㎜厚の袋入りグラスウールがまあまあしっかり敷きならべられています。
外気温が0℃で屋根の上には雪が20cm程乗ったままですから、本来この小屋裏空間はこの時期、外気温に近い気温になっていなくてはいけません。
しかし「暖かい」とまでは言えませんが、10℃前後の気温でした。
この状況を起こしている謎は、サーモカメラで撮影してみると一発で分かります。
普通の方には伝わりずらいとは思いますが、赤くマグマが吹き出しているかのような場所は、その下にある暖房をしている部屋の壁の上端です。
直下の部屋はガスファンヒーターで18℃程度に暖房されていました。湿度は66%以上あり、ムワッとした空気でメガネやカメラのレンズはすぐに曇ってしまいます。
加えてエアコンも稼働していました。ダブルでガンガン暖房してようやく18℃。冬季の室内快適な状況=気温20℃・湿度45%にはこの時期なかなか達しないそうです。
※湿度66%はとてもマズイ数値です。10℃の物体に触れると結露します
暖房した部屋の内壁は当然ながらそれなりの温度に暖まります。
壁の中は空洞ですから煙突効果で小屋裏へ熱を放出しているのです。
これを「気流止め」がない、という風に建築実務者は呼んでいます。
|気流止めは必須だが、最新の家でも無い家がまだまだ
築後1年の別の家の小屋裏です。
こちらは袋入りのグラスウール100㎜厚が2枚重ねられていました。
建築主さんからの「断熱材はできるだけ厚く入れてほしい」というリクエストを受けて200㎜にしたそうです。
しかしやっぱり気流止めがない・・・。
結果、なかなか部屋が暖まらないという状態になってしまっておりました。
まだまだ気流止めについては建築実務者(設計者や現場監督、大工さん)に普及が実は進んでおりません。
なかなか発見しずらい場所でもありますので、今後新築住宅を建てる方や断熱リフォームを実施しようとする方は、
ぜひ工務店や設計士に「気流止めはちゃんとやってください」とハッキリ伝えてくださいね。
断熱材メーカーからも気流止め対策の商品が発売されています