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塩原真貴プロは信濃毎日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

幸せをよぶ、Q1.0(キューワン)住宅を普及させたい

塩原真貴

塩原真貴

テーマ:環境・省エネ性能検討制度

「キューワン住宅」という言葉を聞いたことがありますか?
「知ってるよ!」は、おそらく1%にも満たないのではないかな、と想像します。

断熱材がよく効いた、省エネ機器に頼らない、真の省エネ住宅。

どう表現してらいいのかいつも悩ましいのですが、こればっかりは文字で伝えるのは甚だ困難。
「暖かい・寒い、というような意識をあまりもたない、マイルドな室内環境」
「朝起きるのがまるでおっくうではない、すんなり起床」
「ほかの家にはあまり行きたくない、そんな正直な気持ちはとても言えない」
「昼寝が気持ちいい、夜ぐっすり眠れる、毛布はいらない、"We Love JI・TA・KU"(^_^)/」

表現の差はあれど、キューワン住宅に暮らす人々は実はみんな幸せに日々を暮らしているんです。

新しい家だから全部暖かいんじゃないんです。暖かい家には理由があるんです。
サッシや断熱材や間取りや暖房方式や、、、その家を分解してみてゆくと、必ず暖かい理由がある。

あなたも「キューワン住宅」という言葉に、アンテナを立ててみてください。きっと幸せ家族の早道になることでしょう。

新築に限らず、リフォームでもキューワン住宅になりえます。
その家が寒い理由、それがはっきりすれば対策が立ちます。
私の経験だと、サッシ&ガラスがその理由になっていることが多いんです。

加えて、床下や小屋裏など、普段目にすることのない箇所で、寒い家になっている原因が存在すること、これまた多し。
隙間風でため息。
ガラスにこびりついた鍾乳洞のような氷でまた大溜息。
押入れの中のカビでがっかりし、灯油や電気代などの光熱費がものすごくかかっていることに伝票をみてびっくり。


古い家だからもうどうしようもない、ことはない。
建て替えちゃわないと、そんな風に害逆転することなんてできるわけない、は先入観。
だって無茶苦茶高いんじゃない?、は意外とそうでもない、に替わることしばしば。

だれでも快適に暮らす権利はあるはず。
そりゃお金はそれなりにかかりますが、省エネ住宅建築や断熱改修などにはけっこう補助金も厚い。
家の暮らし心地は、家族が笑顔で幸せに暮らすための最優先課題であるはずです。

おさらい。
キューワン住宅とはどういったものか?
端的に言うと、
「国が求める性能基準で建てた場合の家と比べて、断熱性能をもっともっと良くして、半分以下の消費エネルギーにした家」と定義付けしました。これは私の勉強場所の一つである新住協(しんじゅうきょう)の定義です。



「基準の半分以下」でもさらにレベルを分け、35%前後(65%削減)がレベル2
25%前後(75%削減)をレベル3、さらに85%もの削減を行ったキューワン住宅を、キューワンレベル4(L4)と位置付けています。断熱材を厚くすればすれほど、当然L2になり、L3になってゆくわけですが、ものにはころあいというものが存在します。
当然イニシャルコストが増大しますから建築工事費用が上がります。

「断熱材にいくらでもお金をかけてよろしい!」
そんな風におっしゃっていただける建築主にいまだ巡り会えてはおりません(笑)

ではどのあたりが”ころあい”なのか?

それは各建築士や工務店の社長さんによって異なるはずですが、
私個人的には 「キューワン住宅・レベル2」がよいのではないかと思っています。

35坪くらいの住宅であれば年間に使用する暖房用灯油消費量はキューワン・レベル1で約530㍑。
つまりランニングコストは約5万3千円。(現在の灯油単価を1リットル100円とすれば)

でも、
イニシャルコスト約70万円ほど余計にかければ、レベル1のキューワン住宅からレベル2にアップできます。
この場合、年間灯油量(暖房)は約410㍑。
年間で約120㍑くらいの灯油を減らすことができるわけです。お財布的には12.000円節約ってこと。

そのイニシャルコスト70万円をペイするのに、計算上実のところ58年かかるので、ひょっとすると無駄な行為だと侮る方がいるかもしれません。その考え方はある意味正しいのですが、本当にそれが正解なのでしょうか?

広い視野で世の中を見ると、日本が抱えるエネルギーの問題、常に変動する原油価格、いつ起こるかもしれない自然災害によるライフラインの寸断。子供たちが大人になったころの社会、地球、宇宙。

「あ~、また言ってるぞ」
そう思われても仕方ありません (>_<) わたくし、こういう性格なもので・・・。
あまりに悔しいので、70万円アップをまずは50万アップくらいにできないか、昼夜を問わず考えています(*_*)

でも年間に新築住宅が90万戸~100万戸産み出されゆく現実を考えれば、その1戸あたりの▲120㍑はものすごくでかいはず。しかもその暮らし心地の良さは、やっぱり紙面では伝えられない。

重ねて申し上げますが、これから家を建てようと考えている人にはまず、キューワンレベル2を目指してもらいたいのです。
未来のために。


いろんな部材の組み合わせが考えられますが、基本となる部材選定をお伝えしておきますのでご参考にしてください。

☑サッシは樹脂サッシ。LOW-E(「ろぉーいぃー」と言います)でペアガラス。その空気層にはアルゴンガスが入っているやつ
☑断熱材は床で10cm以上。壁は12cm以上。できれば20cm。天井や屋根は20cm以上。どんな種類のものかにもよりますが、できれば石油由来の断熱材は減らしてゆきたいところ。
☑玄関ドアはけっこういいやつで、 U値(「ゆぅち」と言います」が1.9以下のもの 気密性がいいもの

欲を言えばきりがないので、以上3項目を工務店やハウスメーカーの人に念を押してください。
そしてその計画している建物において、見込まれれる消費エネルギー量をあらかじめ教えてもらてください。
この「予測される消費量」を、建築前に検討することが長野県条例で義務化されています。
そして建て終ってその家に暮らし始めたらちゃんと検証して確かめてください。あまりにも開きがあれば施工不良や計算根拠が間違っている可能性がありますので建てた業者にフィードバックを。

キューワン住宅レベル2の作り方の施工事例をいくつか。参考にしてください。







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塩原真貴

株式会社Reborn

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