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鴇田誠治

遺言書作成と相続手続きのプロ

鴇田誠治(ときたせいじ) / 行政書士

社会保険労務士・行政書士 ときた事務所

コラム

相続人になれる?(胎児・養子・非嫡出子・内縁の妻など)

2015年9月1日

テーマ:相続のこと

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

相続関係において、誰が相続人になるかはとても重要なことです。

今回は、胎児や養子、非嫡出子や内縁の妻が相続人になるのかならないのかについて解説します。

内縁関係の人

入籍していないが、長年にわたり被相続人と夫婦同然の暮らしをしてきた、いわゆる内縁関係にある人は配偶者とは認められないため相続人にはなれません。

内縁関係の人以外に他に相続人がいない場合には特別縁故者として財産の分与を受ける可能性はあります。

この特別縁故者に関しては、請求に基づいて裁判所が決めることになります。

ところで、賃貸しているアパートに相続人でなはく、内縁の妻などのような相続人以外の人が住んでいる場合には、居住者に対して、賃貸人が明渡請求をしても居住者は相続人が有する賃借権を援用して明渡しを拒むことができることになっています。

また、相続人がいない場合の居住用建物の賃貸借で、被相続人と同居していた内縁の妻や事実上の養子が住んでいる場合も賃借権を承継できる旨が「借地借家法36条」に規定されています。

被相続人が死亡した時に、妻のお腹に子どもがいるとき(胎児の扱い)

胎児は相続人になります。胎児を所有者として不動産の名義変更をすることも可能です。

この場合には「亡〇〇〇〇妻△△△△胎児」のように登記されます。

ただし、死産であった場合には、はじめから相続人でなかった事になります。

なお、代襲相続となる場合、代襲相続においても胎児は相続開始の時に生れたものとみなされますので、代襲相続人となります。

被相続人と婚姻関係にない女性との間の子(非嫡出子の扱い)

婚姻関係にない女性との間の子(非嫡出子)は、被相続人が認知しなければ相続人となりません。

父と子供の関係が事実であっても、認知がなければ法的には親子関係が認められれませんので、認知は非常に重要です。

認知には、父がみずから行う認知のほか、子供の側から父へ認知をして欲しいと裁判所に請求して認められれば認知されるという方法があります。

さらに、遺言書で認知をするという方法もありますので、遺言書があればその内容を確認する必要があります。

なお、父の死後でも3年間の間は裁判所へ認知の請求をする事ができます。

ところで、以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1と定められていましたが、平成25年12月5日の民法改正により嫡出子と非嫡出子の相続分は同じ相続分となっています。

離婚した元の配偶者が引き取った子(被相続人が親権者でない子)

親権の有無は親子関係の有無に影響ありませんので、相続人となります。

被相続人の後妻の連れ子

被相続人と養子縁組がなされていれば、後妻の連れ子も相続人になります。

たとえ被相続人が独身であったとしても、その養子は相続人になります。

被相続人が他家に養子に出した子

基本的には、養子縁組がなされても親子関係は無くなりませんので相続人となります。

そして養子は、実父母と養父母の両方の相続人になります。

ただし、特別養子の場合には、実の親子関係が終了しますので、実親の相続人にはなりません。

特別養子縁組かどうかについては、戸籍を取って確認します。

養子縁組前に生まれた養子の子と養子縁組後に生まれた養子の子

代襲相続人は被相続人の直系卑属(親等上、子と同列以下にある血族)でないと代襲相続人にはなれません。

養子は、養子縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係を生じます。

そのため実子の場合と同様に、養子縁組をした後に生まれた養子の子(養子の子供)は直系卑属となるので代襲相続人になれます。

ところが、養子縁組の前の時点で既に生まれていた子は、養親と養子の関係になっていない時点で生まれた子であるため、直系卑属になりません。

直系卑属にならないので、代襲相続人にはなれないことになります。

実態上は養子の子であることに変わりはないので、個人的にはなんとも不公平な扱いだと思うのですが、現時点の法律上ではこのような取扱いになっています。

このような人にも平等に相続権を持たせるためには、養子の子を養子にするという方法を取ることになるでしょう。

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