企業はコミュニケーションで成り立っている!コミュニケーション能力を上げるコツは?
業績が下降気味、スタッフ間のトラブルが絶えない、離職率が高い…。こんな悩みを抱えている経営者のなかには、「組織風土」の改革に興味を持つ方も少なくないでしょう。
企業や組織を作るのは“人”である以上、「組織風土」が経営に与える影響は小さくありません。
今回のコラムでは、組織風土を構成する要素や組織風土の改善に向けたヒントについてご説明したいと思います。
組織風土とは
「組織風土」は、企業や団体などの組織内で共有されている独自の価値観や体質、規則などを意味する言葉です。
組織風土は、企業や団体などの組織全体で共有されているものから、部門やチーム単位で共有されているものまで、大小さまざまなかたちで存在しています。
組織風土の善し悪しによって、企業の売上やスタッフの意欲、組織への貢献意識、定着率、離職率などが決まるといっても過言ではありません。そのため、強い組織を作りたいと考えている場合には、組織風土の抜本的な改革を行うことが、大変重要なのです。
組織風土の形成にかかわる2つのファクター
さて、組織風土の形成過程には、2つの要素が関わっていることをご存じでしょうか。
一つが規定・ルール・制度などのハード要素です。具体例としては、経営ビジョンや人事評価制度、業務マニュアル、就業規則など「明文化・ルール化された規則のこと」を指します。
これらは、スタッフの行動様式を規定するものであり、スタッフ全員に対して遵守・励行が強く推奨されるものですので、企業風土の形成に大きな影響力があります。
組織風土を形成するもう一つのファクターが、「明文化されていない暗黙のルール」です。具体例としては、スタッフ間で共有されている考え方、価値観、判断基準、行動様式、理想的な仕事の進め方などが挙げられます。
これらは、オフィシャルなものではないうえ、明文化されていないため、しばしば組織の経営ビジョンや理想とかい離してしまうことが少なくありません。また、スタッフ一人ひとりによっても解釈に幅があるため、スタッフ間におけるトラブルの原因になることがあります。そのため、企業運営やスタッフのモチベーション、定着率にもかかわってくるものです。
この暗黙のルールには、組織をよい方向に導いていくものと、そうでないものがあります。
例えば、「自分の意見やアイデアを積極的に発信する」ことが根付いているとすれば、イノベーティブ(革新的)な商品やサービスが生まれやすい組織風土が形成されるでしょう。
また、「わからないことがあれば、人に聞く前にまずは自分で調べる」ことが根付いている企業の場合は、2つの可能性があります。
一つは、スタッフ一人ひとりの問題解決能力の向上です。これは組織にとってプラスに働くでしょう。しかし、「自分で問題を抱え込んでしまう」可能性もあります。これは若手社員の成長を阻害する大問題です。そのため、暗黙のルールがある場合には、新人に対して正しい解釈をうながすことが必要です。
自社の組織風土を改善するための第1ステップ
まずは、自社の組織風土がいかなるものなのか、しっかりと把握することから始めましょう。その上で、経営ビジョンや経営者が目指したい理想・方向性と、自社の組織風土が、著しくかい離していないかチェックすることが大切です。
例えば、経営者がスタッフの主体性や創造性を大切にしたいと考えていたとしても、上司が部下の意見をないがしろにしたり、横取りしたりといったことが繰り返されていくと、上司から言い渡された指示に従うだけでの「指示待ち社員」が量産されていきます。
これらは個々のスタッフのモチベーションを著しく下げるばかりか、業績低下やスタッフの離職にもつながっていくため、トップダウンによる抜本的な改革が必要になります。
適宜、管理職者に組織風土の改革につながるルールや考えを通達すると共に、そのルールが遵守されているかどうか、しっかりと目を光らせていきましょう。
組織風土改革で「強い組織」をつくりたい方はご相談ください
組織風土の改革は、一筋縄ではいきません。なぜならば、長い年月をかけて、じっくりと醸成されたものだからです。
スタッフ一人ひとりの意識に変化をもたらし、新しい考え方をしっかりと浸透させることができなければ、新しい組織風土を作ることはできません。
強い組織をつくり、継続的に売上拡大を目指したい、スタッフの定着率を向上させたいと考えている経営者さまは、一人で悩まず私どものような専門家にご相談ください。
キャリアコンサルタントとして、経営者さまの理想とする組織風土や経営ビジョンをじっくりとおうかがいした上で、中長期的なスパンで役立つ組織改革についてアドバイスをいたします。