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脂肪の役割 (生活習慣病の引き金 肥満 その3)

水沼国男

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テーマ:生活習慣病

脂肪って必要?

 嫌われ者の脂肪ですが、実は様々な役割を担っています。私達の身体は、2割前後が脂肪で出来ています。たとえば、体重60㎏の人だと12㎏が、脂肪と言うことになります。

脂肪の役割

 脂肪細胞とそこに含まれる脂質には以下のような働きがあります。
①ホルモンなどの伝達物質の生成、分泌
②衝撃を和らげるクッションの働き
③エネルギー源の貯蔵庫
④ビタミン類の消化、吸収、運搬
⑤細胞の構成成分
⑥内臓の位置を保つ

脂肪細胞の数と大きさ

 人体の脂肪細胞の数は、20歳前後で約400億個、大きさは、直径80μ㎜あります。皮下の脂肪細胞は大きさはほぼ均一で、あまり大きな細胞がなく、細胞分裂して増えます。内臓の脂肪細胞は、サイズが大きく、1つ1つの細胞が大きくなって増えていきます。それでも不足すると細胞数を増やして脂肪分を取り込みます。

肥満のタイプ

 脂肪の蓄積される場所から「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に大きくわかれます。脂肪の蓄積される場所も性別によって異なります。女性の場合は、洋なしのようにお尻に脂肪がつくタイプで“下腹部肥満”や“洋なし型肥満”と呼ばれ、皮下脂肪が多いのが特徴です。一方、男性や閉経後の女性では、上半身に脂肪が多くついているお腹タイプで“上腹部肥満”や“りんご型内臓脂肪”と呼ばれ、内臓脂肪が中心で、メタボリックシンドロームの危険性が高い。


あなたの脂肪は、普通貯金それとも定期預金ですか?

 身体に溜まった脂肪を預金に例えることがあります。内臓脂肪は、“普通預金”、皮下脂肪は、“定期預金”に例えられています。
内臓脂肪は、胃や腸に直結しているために、門脈を通じて肝臓に糖分や遊離脂肪酸などのエネルギーを送り、エネルギーの出し入れがしやすくいため代謝活性が高い。そのため食事などを制限すると、逆の作用がおき、内臓脂肪から消費されますからです。あなたはどちらでしょうか?


内臓脂肪と健康

 通常の脂肪細胞からは身体にとって良い働きをする伝達物質がです。一方、大きくなりすぎた脂肪細胞からは、身体にとって悪い働きをする伝達物質が分泌されはじめ、動脈硬化が進んだり、血圧や血糖値が高くなることがわかっています。このことからも、メタボリックシンドロームから起こる多くの疾患対策として、余分な内臓脂肪を減らすことは大変意味のある事です。一方の皮下脂肪は、外部からの圧力に対するクッションまた寒さ対策の役割を担っています。しかし、皮下脂肪が異常に増えると見た目だけでなく、膝や腰など整形外科的疾患のリスクが高まるので適切な減量も必要になります。

もう一度、こんな人は要注意です

①胴体の中央部が膨れてりんご型の体型ををしている。
②ウエストが男性85㎝、女性90㎝以上ある。
③BMIが25以上ある人で、お腹をつまむとその厚さが2㎝未満の人
もう一度、チェックしてみてください。

鍼灸治療は、どのような疾患(症状)に効果があるの?

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水沼国男
専門家

水沼国男(はり師)

美山いずみ鍼灸院

大学で30年、研究・臨床・教育に携わり、高齢者福祉施設でも20年以上鍼灸に携わる。オーダーメイド・セルフケア・予防を重視し、健康維持・増進を支援。訪問鍼灸による地域のかかりつけ医のような鍼灸師を目指す

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