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五十肩ってどんな疾患?
中年以降〝肩を動かすと痛い〟などの症状があると、それ「五十肩”じゃない。」と言われることがありますが、五十肩というのは、どのような疾患でしょうか?
肩関節の痛みには、外傷以外にも加齢による退行性変性、動かさないことによる筋力低下、激しい運動などによるオーバーユースによる筋肉の協同運動が破綻した場合に疼痛や運動障害が起こります。
五十肩は、中年以降に、明らかな原因がなく肩に疼痛と可動域制限が生じる疾患のことです。
五十肩は、肩関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。
肩の痛みを起こす疾患
肩関節に起こる痛みには、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、腱板断裂、腱板炎、肩峰下インピンジメント症候群、肩峰下滑液包炎など多くの疾患があります。
そのため、圧痛の部位や動きの状態、レントゲン撮影、関節造影検査、MRI、超音波検査などで診断し、特に異常がない場合などに、五十肩と呼ばれています。
俗に、五十肩と呼ばれていますが、実際には肩関節周囲炎や凍結肩、癒着性関節包炎などと言います。
五十肩ってどんな症状がある?
肩から腕にかけての運動時痛
何もしなくても痛い(安静時痛)
夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどの痛みになることもある。(夜間痛)
肩関節が痛み、関節の動きが悪くなる。(急性期には、痛みと筋の痙縮のため、
慢性期は、拘縮のために起こる)
具体的には、髪を整えたりする時、洗濯物を干す時、エプロンを結ぶ時(腕を後方へ
回す運動)、服を着替えたりする時などに痛みが起こり、日常生活動作が困難になります。
しかし、動かす時に痛みがあるからと、あまり動かさないと肩の動きが悪くなることが
あります。
痛みが強いときの注意
三角巾などを用いて安静にする(急性期)。
動かす時に痛みがあるからと、あまり動かさないと肩の動きが悪くなることがあります。
就寝時:
患側の肩から肘の後方にバスタオルやマクラ、クッションなどを置き、肩関節を軽度内旋位
にすると痛みが和らぎます。
服の着脱時:
痛む側の動きが最小限になるよう、先に痛みのある側の袖を通すことをお勧めします。
治療
治療は、保存療法が基本となります。
病期には、急性期、慢性期、回復期などがあり、病期によってそれぞれの治療法があります。
急性期:肩から腕にかけて痛みが起こり、夜間痛や安静にしていても痛い状態があります。
この時期は、患部に炎症が起こっているため、無理に動かさないようにしましょう。
ただ全く動かさないと関節が固まってしまい、動きが悪くなるため、痛みのない範囲
で体操するといいでしょう。
慢性期、回復期:炎症が急性期に比べ治まり、夜間痛も緩和され、動かさなければ痛みのない
ようになります。ある角度以上に動かすと痛みが出現するなど運動時痛が主になります。
この時期は、関節が固まらないように運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)や
温熱療法(ホットパックなど)を行います。
自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、
関節が癒着して動かなくなることもありますこれらの方法で改善しない場合は、
手術(関節鏡など)を勧められることもあります。
鍼灸治療
慢性期、回復期には、運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)が中心になりますが、この時期から鍼灸治療を始めるのが良いと思います。肩関節の可動域が制限されていると肩以外にも首や背中の筋緊張、凝りや頭痛なども起こるため、鍼灸治療は有効です。さらに、鍼灸治療と運動療法(コッドマン体操やストレッチなど)の併用が、効果的です。
治療期間
約1年で痛みなどの症状が消失します。また、関節の動きもよくなります。
五十肩以外で鍼灸治療は、どのような疾患(症状)に効果があるの?
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