灸(きゅう)治療は、熱い?
鍼は痛い?
治療の説明をしていると、「鍼(はり)は、痛いですか?」「鍼は、痛いから恐い」っと言われることがあります。実際に鍼をお見せすると鍼の太さや長さ、「刺さない鍼」があるなど、イメージされていたものと違っているようです。
今回は、治療で使う鍼をご紹介致します。
鍼の種類
治療で使用する鍼は大きく分けて、身体の中に「刺す鍼」と皮膚の表面を擦ったり、皮膚を押圧したりす「刺さない鍼(接触鍼・小児鍼 等)」があります。
鍼治療で用いる鍼
治療で用いる鍼の太さは、直径0.12〜0.30mm程度の細い、ステンレス製の鍼を主に使います。
一般に採血などで使用される注射針は、直径は0.80mm前後あり、鍼治療で使う鍼の直径で比べると約3倍の違いがあります。
鍼の長さは、使用する部位や刺す深さでも違いますが、一般の治療では、15mm〜90mmの鍼を使用します。最近、よく耳にする美容鍼灸に用いられる鍼は、15mm程度の長さです。 鍼の太さや長さを選ぶ時は、その患者の症状や体調、刺す部位を考え判断し決定します。
鍼治療の鍼の針先は、まつば型などで針先をまるくし痛みを感じにくい構造になっています。その為、鍼治療で使用する鍼は、刺してもほとんど痛みがありません。一方、注射針は、中に薬液や血液などを通せるような空洞構造で、針先もメスののように鋭く尖っています。その為、痛みを感じる場合があります。
円皮鍼という鍼は、画鋲のような形をしています。シールのような鍼です。鍼を刺したまま、日常生活ができます。また、スポーツ選手などのコンディションの維持や競技中のケア等にも用いられています。最近では、フィギュアスケート羽生結弦さんが競技中に円皮鍼を付けていた写真が掲載されていました。
また、痩身治療などの耳鍼で、使われています。
刺さない鍼
鍼を体内に刺さないで、鍼を皮膚上に置いたり、押したり、擦ったりするので接触鍼と言われます。接触鍼の中に小児鍼があります。子供は、反応も敏感で、体内に刺さなくても効果があります。また、過敏の方や肩凝りなど広い範囲刺激したい場合などにも用いられます。
刺さない鍼には、鍉針(ていしん)・ローラー鍼などがいくつかの種類があります。
鍉鍼(ていしん)
古代九鍼が起源となっています。素材は、金、銀、銅、チタン、ステンレスなどです。
先端が丸くなっていて、皮膚を擦ったり、押し当てたりして使います。また、バネが中に組み込まれていて押と鍼が筒の中に入るばね式鍉針もあります。
主に皮膚の敏感な方や子供などに用いますが、成人の方でも使用することがあります。
さらに、皮膚を刺激する事によって効果もありますが、ばね式鍉針は、服の上からでも刺激が出来るのが特徴です。
※ 鍼治療の恐い方は、一度ためして頂くのも良いかと思います。
ローラー鍼
皮膚の上をコロコロ転がして刺激をする鍼です。乳幼児や子供などによく使われます。かんの虫や夜泣きなどに用いられますが、肩凝りなどその他の症状にも使われます。
刺激がソフトで気持ちがいいのが特徴です。
使い捨ての鍼で、衛生面も安心
いまは、ほとんどの鍼灸院が使い捨ての鍼(ディスポーザブル鍼)を使用することが多くなっています。エチレンオキサイトガスなどで滅菌され、1本1本が包装されています。一度使用した鍼は、廃棄します。その為、鍼からの感染などは心配ありません。このように衛生面でも十分に配慮しております。
鍼灸院によっては、ひとりひとり専用の鍼を使用し、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌していることもあります。気がかりの場合は、治療院にお尋ね下さい。
※ 当鍼灸院では、使い捨ての鍼(ディスポーザブル鍼)を使用しています。
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