マイベストプロ京都

コラム

元公務員、他人を扶養親族に不正税控除8年間

2014年1月11日

テーマ:脱税を斬る

コラムカテゴリ:法律関連

参考リンク:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140107-00000567-yom-soci

元公務員が他人を自分の扶養親族だとして、8年間もの間不正に所得控除をしていたというニュースです。
所得税には所得控除として扶養控除というモノがあります。まず所得税法でいう扶養親族とは「①配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること、②納税者と生計を一にしていること、③年間の合計所得金額が38万円以下であること、④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと」という要件を全て満たす人を刺し、そのうちその年の12月31日現在の年齢が16歳以上の人が控除対象扶養親族になります。
だから他人を自分の扶養親族として扶養控除しようとしても、所得税法上はこの①の要件を満たさないということになるんですよね。
ところが、この①については、誰がどのようにチェックしているかといえば、チェックし切れていないのが現状ということなんでしょうね。この脱税は、そのチェック機能を悪用したというモノ。
記事によると、この不正控除による脱税は8年間も続いていたんですよね。そしてなぜ発覚したかといえば、この不正な扶養控除の対象となっていた人を扶養親族として控除している別の人がいたから。本来の扶養控除適用者ですね。不正に扶養親族とされていた人のお子さんがこの方を扶養親族として控除していたんですよね。最終的にこの方が二重に控除されているということで、この方にどちらの扶養親族ですかという問い合わせが行って発覚したとのことなんですよね。
まぁ普通でいえば全く知らない人を自分の扶養親族であると申請することにはかなりの抵抗があると思いますけど、この人は元公務員なんですよね。この不正に扶養親族と申請した人の個人情報を、勤めていた時に知っていたんですよね。これは二重にダメな話ですね。
この事件を受けて、扶養親族に関するチェック機能が強化されることになるでしょうね。別居の親族の場合には、別居の住所を給与支払い報告書や住民税の申告書に記載しなければならないということになるのではないかと思います。まぁ今までこんな状況なのが制度的にも問題があるのではないかと思いますけどね。
ひょっとすると、この問題、この事件は氷山の一角なのかもしれませんね。

この記事を書いたプロ

久乗哲

経営改善・金融交渉を支援するプロ

久乗哲(税理士法人りたっくす)

Share

関連するコラム

コラムのテーマ一覧

久乗哲プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ京都
  3. 京都のビジネス
  4. 京都の税務会計・財務
  5. 久乗哲
  6. コラム一覧
  7. 元公務員、他人を扶養親族に不正税控除8年間

© My Best Pro