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名前を使われる

2011年7月19日

コラムカテゴリ:法律関連

たまに、変な電話がかかってくる。
 「○○ですけど、僕の話聞いてくれてはりますか」というような電話である。
 意味がわからないので聞くと、知人を通じて私に相談をすることを依頼したというのである。
 もちろんそのような話は聞いていない。

 おそらく、間に入って私に相談してあげるからという話を持ちかけて、費用を騙し取っているのであろうかと思うが、私自身は間に入っているという人に会ったこともないので真相は不明である。

 そもそも、相談しているのに会ったことがないということがおかしい。私は相談を聞く際は基本的に本人と面会する。
 特に、依頼を受けている場合は、本人に会わずに事件を受任しているというようなことは絶対にない。
 本人が動けない場合、近江今津まで行ったこともあるし、病院に入院中の人に会いに行ったこともあるし、木津の自宅であまり動けないお爺さんに会いに行ったこともある。
 意思確認はそれほど重要だからである。
 親や配偶者が「本人がいいと言っています」ということで代理人として行動したが、「代理権がない」ということで懲戒になった弁護士はけっこういるのである。

 仮に私が忙しいから中々会えないなどといって代わりに相談してきてあげるとか、代わりに行って依頼してきたなどという話があったら、真っ赤な嘘であるので注意して欲しい。
 業務妨害罪に該当するような気もするが、電話してきた人もどこの誰か名乗らないし、間に入った人もよくわからないので、真相は不明である。

 本人確認という意味では、全国に広告を出して、日本のどこの多重債務事件でも受任するという東京などの事務所は本人確認が甘いだろう。
 他人を騙っている人は見抜けないと思う。電話と郵送だけで依頼を受けている事務所もあるやに聞くが、第三者だったらどうするねんと思う。
 よく懲戒にかからないと思うが、何か特殊な確認の仕方をしているのであろうか。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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