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コラム

愛社ランキング

2010年11月20日

コラムカテゴリ:ビジネス


ネットサーフィンをしていたら、見つけました。
「愛社ランキング」。(Sankei Biz)

各社の名前を出すのは、避けておきますが、
業種としては、サービス業、流通業、不動産業等が並んでいます。
ワースト・ワンの会社は、内情がアンケートの通りであれば、かなり、お粗末な労務管理のような気がします。

毎日終電で、毎月100時間を超える時間外労働をしているのに、30時間が頭打ちとなっている。
給与や賞与が安すぎる。等々、労働環境の問題を上げています。

給料はともかく、30時間で頭打ちは、法令違反ですが…

ところで、労働力は「無料」と思っている節が、見えないでもないこの記事。

しかし、労働力ほど実は「金のかかる」モノもないわけで、今回記事になっていた労働時間の問題等、ダイレクトに「お金」にかかってくる問題です。

70時間の賃金の未払いがあるわけですから、単純に計算して、
時間給 1,000円
割増  25%
人数  100人 とした場合
24か月遡及払い

1000円×1.25×100人×70時間×24カ月
=210,000,000円

つまり、2億円以上の「隠れ」負債を抱えている事になるわけです。

さらに、これに未払いの延滞利息や裁判所からの付加金支払い命令、労働保険料の再計算等も加わると、はたして幾らの金銭的なリスクをはらんでいるかという問題になります。

また、別の観点から言えば「愛社精神」が薄いということは、「会社の為に働く」という意識が希薄なわけで、モチベーションが下がることで、作業効率が落ち、労働生産性が下がっている可能性が高いわけです。

もしかしたら、もっと会社の利益は上がっているかもしれない。
そう考えてくると、会社の「隠れ」損失もあるという事になります。

労働時間の管理は、「未払い残業代」だけの問題ではなくて、会社の売上(利益)の喪失という問題も含む根の深い問題です。
帳面のお金だけで、会社を運営していませんか??

この記事を書いたプロ

松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(みやこ社会保険労務士事務所)

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