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「塾ジイの部屋」20 -「ここなら行きたい!」を、自分の目で確かめるー

久保克己

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テーマ:志望校決定に向けて

学校は「実際に行って」見る

「塾ジイ……」
「なんじゃ?」
「第二志望の学校って、どうやって決めたらいいの?」
「ほう。そこが気になってきたか」
「第一志望は本人が『ここに行きたい』って決めてる。でも、第二志望って……」
「『偏差値が届きそうだから』だけで決めるんじゃ、ちょっと寂しいのう」
「やっぱり?」
「第二志望じゃからこそ、本人が『ここなら行きたい』と思える学校を探したいんじゃ」
「でも、どうやって探せばいいの?」
「まずは、実際に学校へ行ってみることじゃ」
「学校説明会?」
「そうじゃ。ただ、校長先生の話を聞いて、パンフレットをもらって帰ってくるだけではもったいない」
「じゃあ、何を見るの?」
「生徒じゃ」
「生徒?」
「そうじゃ。知らない自分たちにも、きちんと挨拶するか」
「そんなところを見るの?」
「見るんじゃよ」
「ほかには?」
「先生と生徒が自然に話しているか。教室はきれいか。掲示物は今の学校生活をちゃんと表しているか」
「そんなところまで?」
「そんなところじゃ」
「でも、それで何が分かるの?」
「学校の日常が、少し見えてくるんじゃ」
「なるほど」
「そしてな、何より見てほしいのは……」
「何?」
「生徒が楽しそうかどうかじゃ」
「そこ?」
「そこじゃよ」
「パンフレットには、なかなか載っておらんからのう」
「確かに」
「だから、自分の目で見るんじゃ」

説明会は「見る」だけではない

「でも、説明会って、ただ見るだけなの?」
「いやいや。もう一歩、自分から動いてみるんじゃ」
「どうするの?」
「説明会に行く前に、質問を二つか三つ考えておくんじゃ」
「質問?」
「そうじゃ。『この学校で大切にしていることは何ですか?』でもええ」
「うん」
「『高校生活で、生徒が一番楽しそうなのはどんなときですか?』でもええ」
「なるほど」
「そして、できれば自分で先生に聞いてみるんじゃ」
「ちょっと緊張するな……」
「それも経験じゃよ」
「保護者が代わりに聞くんじゃなくて?」
「できれば本人が聞いてみるんじゃ」
「自分で?」
「そうじゃ。自分が知りたいことを、自分の言葉で聞いてみるんじゃ」
「それだけでも、その学校のことが少し身近になりそう」
「そうじゃろう」

家に帰ってから、もう一度考える

「それで、家に帰ったら終わり?」
「いやいや。そこからじゃ」
「家で何するの?」
「家族で話すんじゃ」
「『どうだった?』でいい?」
「それだけではもったいない」
「じゃあ、何を聞けばいいの?」
「『一番印象に残ったことは?』」
「うん」
「『思っていたのと違ったところは?』」
「うん」
「『ここで三年間過ごしてみたいと思った?』」
「……」
「そうやって、自分の気持ちを言葉にしてみるんじゃ」
「それなら、本当に行きたい学校なのか、少し分かりそう」
「そうじゃ」

先生との「接点」も大切にする

「でも、塾ジイ。説明会で先生に質問したことって、入試にも関係するの?」
「それは分からん」
「え?」
「質問したから面接で有利になる、なんて考えてはいかん」
「じゃあ、何のため?」
「自分から先生に話しかけて、自分の知りたいことを聞く。その経験が大事なんじゃ」
「なるほど」
「もし面接のときに、『あ、この前の説明会で質問してくれた子だね』となったら?」
「……」
「それはそれで、ええじゃろう?」
「うん!」
「じゃがな、最初からそれを狙ってはいかんぞ(笑)」
「はい(笑)」
「学校を知るために質問する。自分を知ってもらうのは、その結果じゃ」
「なんだか、学校説明会の見方が変わってきた」
「そうじゃろう」
「自分の目」と「自分の言葉」で学校を選ぶ
「ただ学校を見に行くんじゃなくて、自分から学校を知りに行く」
「その通りじゃ」
「そして家に帰って、家族でもう一度考える」
「うむ」
「それで『ここなら行きたい』と思えたら……」
「それが、ええ第二志望になるんじゃ」
「第一志望に落ちたときのため、じゃなくて?」
「違うぞ」
「じゃあ?」
「第一志望に思い切って挑戦するためにも、『ここなら行きたい』と思える第二志望を持っておくんじゃ。」
「そっか……」
「安心できる場所があるからこそ、思い切って挑戦できることもある」
「じゃあ、第二志望って大事なんだね」
「とても大事じゃ」
「よし。今度の説明会、質問を考えて行ってみる!」
「それでええ」
「塾ジイ、家に帰ってからも家族で話してみるよ」
「うむ。それなら学校選びが、ただの『偏差値選び』ではなくなる」
「自分の目で見て、自分で話して、自分で考える」
「そうじゃ」
「そして、『ここなら行きたい』を見つける」
「それが一番じゃよ」

塾ジイからひとこと

学校選びでは、偏差値や合格可能性などの数字も、もちろん大切です。
でも、それだけでは分からないことがあります。
だからこそ、実際に学校へ足を運んで、自分の目で見る。
生徒の様子を見る。先生と生徒の関係を見る。そして、できれば生徒自身が先生に質問してみる。
説明会が終わったら、家族で「どうだった?」だけではなく、「何が印象に残った?」「ここで三年間過ごしてみたい?」と話してみる。
そうやって、自分の気持ちを確かめていくんじゃ。
学校説明会は、学校を「見に行く」だけの場所ではない。
自分から学校を「知りに行く」場所でもあるんじゃ。
そして、そこで生まれた対面でのやり取りや、自分の目で確かめた感覚は、パンフレットやインターネットだけでは得られないものです。
もし後になって、面接の場で「この前の説明会で質問してくれた子だね」と声をかけてもらえたら、それは学校を知ろうと自分から動いた結果として生まれた、うれしい接点かもしれません。
第二志望だからこそ、**「ここなら行きたい」**と思える学校を、自分の目と、自分の言葉で見つけてほしい。
それが、第一志望への挑戦を支える力にもなるんじゃよ。


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